令和8年度より、以下のプロジェクトが活動をスタートします。メ
国語科と外国語科における「言語活動」と「言語活動を通した指導内容」の系統性
<趣旨>
言語能力の向上を担う国語科と外国語科では、言語活動に取り組む機会を豊富に設定することが求められ、言語活動を通した指導の重要性が一層強調されている。文部科学省の各種調査分析においても、こうした言語活動の実施が言語運用能力の向上に直接寄与することが示されており、今後も国語科と外国語科の双方で、言語活動を一層充実させていく方向性が見込まれる。しかし、児童生徒の言語能力向上には、教科間・校種間の連携が不可欠であるにもかかわらず、その連携を支える体系的な指導内容を示した資料が不足しているという課題がある。
このような背景を踏まえ、本研究は、小学校および中学校の国語教科書と外国語教科書に見られる言語活動の特徴と、言語活動を通してコミュニケーションを図る資質・能力を育成するための指導内容を分析し、学校言語教育における「言語活動」と「言語活動を通した指導内容」の系統性を検討する。具体的には、国語科と外国語科における「聞くこと・話すこと」および「読むこと・書くこと」について、①各学年・時期において扱われるジャンルやテキストタイプの特徴と、それに基づく指導内容、②学年進行に伴う指導の高度化と既習事項との関連付けを分析する。
得られた分析結果を基に、国語科と外国語科を架橋する「言語活動とその指導内容の系統表」を開発し、オープンアクセス資料として広く公開・提供する。これにより、国語教育と外国語教育における言語活動を通した指導の連携可能性と、児童生徒の発達段階を踏まえた言語活動を通した段階的指導の在り方を考察する。
<計画:3年計画>
1年目(2026年4月〜2027年3月)
- 学習指導要領国語解説と外国語解説に見られる言語活動の特徴とその指導内容の整理
- 国語科と外国語科の検定教科書に見られる言語活動の特徴の分析
- 先行実践や文献研究の成果の共有
2年目(2027年4月〜2028年3月)
- 国語科と外国語科の検定教科書に見られる言語活動を通した指導内容の分析
- 先行実践や文献研究の成果の共有
- 「言語活動の特徴」と「言語活動を通した指導内容」の系統表原案の作成
- 中部地区英語教育学会における研究発表
3年目(2028年4月〜2029年3月)
- 「言語活動の特徴」と「言語活動を通した指導内容」の系統表の改善
- 言語活動を通した指導例の作成と系統表への紐づけ
- 中部地区英語教育学会における研究発表
<現メンバー>
- 新美徳康(豊田工業高等専門学校)
- 矢野流星(国立教育政策研究所)
- 久保佑輔(山梨大学)
- 菊原健吾(松本大学)
- 酒井英樹(信州大学)
<メンバー募集について>
上記の研究プロジェクトに興味のある方を対象に、以下の要件で本研究プロジェクトのメンバーを募集します。
- 中部地区英語教育学会の会員の方(まだの方は学会入会手続きをしていただく必要があります)
- プロジェクトの趣旨を理解し、教科書分析を行うことができる方
- プロジェクトの議論を踏まえ、教科書を活用した言語活動を通した指導実践を行いたい方
- 年に数回行うミーティング(オンライン・対面)に参加できる方。またミーティング時までに教科書分析、指導実践を進めることができる方。
研究遂行上の効率を考え、メンバーを2~4名公募します。募集の締め切り日を6月30日とし、応募については先着順とさせていただきます。枠が埋まり次第、募集を締め切らせていただきます。
<プロジェクト代表者連絡先>
新美徳康(豊田工業高等専門学校)
メールアドレス:niimi[@]toyota-ct.ac.jp *[ ]を取り除いて使用してください。