発表要旨（４）：は行～わ行

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発表要旨（４）：は行～わ行

発表要旨１（あ行） // 発表要旨２（か行） // 発表要旨３（さ行～な行） // 発表要旨４（は行～わ行）

発表者（所属）	秦正哲（流通科学大学）
題目	『コウビルド英英辞典(改訂第４版)』検索システム：副詞の場合
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 5 番目
発表要旨	本研究の目的は、『コウビルド英英辞典（改訂第４版）』を対象として、辞書検索方法を１つの統合化されたシステムとして提示することである。ただし、論述の対象を副詞として機能する語彙項目に限定する。また、提示したシステムの内容に対する考察に基づいて、学習者による英英辞典検索をより効率化するために講ずべき方策として辞書編集者が検討するに値すると考えられる点について、いくつかの提言を行う。

発表者（所属）	畑野喜信（広島女学院中学・高校）
題目	英作文指導におけるpeer correctionの可能性
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 3 番目
発表要旨	第34回中国地区英語教育学会研究大会で、「書くことの楽しみ」を知ってもらうための授業実践を「自由英作文の生徒評価―その結果と考察」の中で発表したが、更に「生徒によるpeer correction」をフィードバックの手法の１つに加えてみた。今回はこの継続研究の結果を分析してpeer correctionの可能性について考察する。

発表者（所属）	羽藤由美（福井県立大学）
題目	外国語教育における目標設定に伴う危険性：「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」に関する事例研究
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１（JA 12A） - 第 7 番目
発表要旨	本研究では、「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」が、中・高等学校および大学卒業時点での達成目標として掲げている習熟レベルは、それぞれの教育段階において確保されている授業時間内では達成しがたいものであることを、時間と達成レベルの関係にかかわる先行研究の結果に基づいて論証する。更には、与えられた時間内に達成できない学習成果を、教師や学習者に求めることがもたらす弊害について、第２言語習得研究の観点から考察し、今後の研究および政策立案のための指針を提示する。

発表者（所属）	浜中直宏（石川県柳田中学校）
題目	日本人中学生同士の，発達段階に基づくペアによるインタラクションが，疑問形習得に与える効果
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 3 番目
発表要旨	本研究は，第２言語として英語を学習する教室環境における，中学校の生徒同士のペアワークが，彼らの第２言語習得にどのような効果をもたらすかを調べたものである。特に疑問形習得における発達段階 (Pienemann, Johnston, & Brindley, 1988) の指標を用いてペアの組み合わせを行い，疑問形習得と疑問形の使用に対する効果について明らかにしようとした。実験では，公立中学校３年生を対象に，テストでは間違い探しタスクを，処遇では絵描きタスクを行い，彼らの発話を基に分析した。発表では，その結果を報告する。

発表者（所属）	早瀬光秋（三重大学）
題目	Teaching a Process of Academic Writing
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 5 番目
発表要旨	Students studying English are required to write academic papers, but many of them are not familiar with a necessary process of their writing even though they may have good argument. This presentation will examine a possible process of academic writing with the graduation thesis as an example. The process includes at least the following stages: finding a topic, summarizing the student writer's ideas about the topic, doing literature survey, determining the title of the paper, building a research design, executing the research, and writing the paper. While each stage is carefully analyzed with specific examples, the roles of the thesis advisor, peer writers and computer will also be discussed.

発表者（所属）	東悦子（和歌山大学）
題目	母語習得理論から学ぶ－小学校英語の活かし方
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 1 番目
発表要旨	現在、さまざまな形態により中学校入学以前の児童を対象として英語教育が行われている。到達目標の違いにより、学習形態の違いが生ずるのは当然のことであるが、母語以外のもう一つの言語を思春期以前の段階において導入するという点では共通している。この点において、学習形態の多様さにかかわらず、言語習得の特性や児童の発達段階を十分に踏まえたうえで、教師は体系的に取り組むことが必要であろう。そこで、「どのようにことばを身につけるか」という母語習得の特性をふり返り、小学校段階における英語学習への活かし方を検討する。

発表者（所属）	東野裕子（西宮市立小松小学校）、��島英幸（東京外国語大学）
題目	「小学校英語」教育の年間シラバスに関する一考察　－タスクを志向した活動(TOA)の重要性－
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 3 番目
発表要旨	小・中学校の連携を鑑みると、「小学校英語」教育の目標は「実践的コミュニケーション能力の基盤を養う」こととなる。本研究では、この目標達成のために、第二言語習得理論研究で有効とされるタスク（TASK）に繋がる活動、「タスクを志向した活動（Task-Oriented Activity : 以下TOA）」を取り上げる。タスク活動（TA）やタスクと比較しながら小学校段階におけるTOAの特徴に言及し、年間10時間程度の時間数を基本とし、年間シラバスを複数のプロジェクト例を示しながら提案し、TOAの必要性を論ずる。

発表者（所属）	土方裕子（筑波大学）
題目	日本人EFL学習者の英文読解におけるチャンキング単位提示の効果
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 6 番目
発表要旨	英文を意味単位（チャンク）に区切り文頭から読むチャンキングは、読解速度の向上に効果的である。しかし理解度の向上については議論が分かれ、どの読み方で有効かを示す実証的研究も少ない。本研究は速読と精読を対象にチャンクを明示した文章と原文を使用し、チャンキングの効果を調べた。その際チャンクの提示方法も、チャンク毎の改行と原文への斜線の挿入とで違いがあるかを見た。またチャンクの区切り方は、現在広く用いられている主な方式を比較検討した。以上から読解速度と理解度を高めるチャンキング指導のあり方を考察する。

発表者（所属）	平井愛、生馬裕子、横川博一（神戸大学）
題目	統語的曖昧文のオンライン処理における韻律情報－Late/Early closure文の処理による検討―
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 2 番目
発表要旨	日本人英語学習者を対象に、第二言語のリスニングプロセスにおいて，音韻・意味・統語情報がオンラインでどのように利用されるかを調査した結果を報告する。実験では、英語の統語的曖昧文（Late/early Closure曖昧分）を用いて、Self-pacedにおける聴取課題を行った。その結果、統語処理と韻律情報の相互作用がみられ、統語構造のboundaryを明示するような韻律情報が与えた場合、音声言語の文理解が促進されることが分かった。発表では、こうした実験結果に基づき、文理解モデルについて考察する。

発表者（所属）	夫明美（鳴門教育大学）
題目	On self monitoring of oral presentations
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１（JA 12A） - 第 1 番目
発表要旨	本発表では「英語による発表」を評価に組み込んだ英語コミュニケーションのクラスにおける指導実践について報告する。中間・期末期に学生が選んだトピックについて約3分の時間を与えた。発表はビデオ録画され、次の授業時に受講生とともに視聴した。声量・スピードなどを問う10の項目について5点満点で自己・相互評価を行った。2回の評価得点を比べた結果、ほぼすべての項目で向上がみられた。また、学生による授業評価でも「英語に自信がついた」等、評価が高かった。クラスサイズとの関連などもフロアとともに議論したい。

発表者（所属）	深澤清治、Fordyce, Kenneth（広島大学）
題目	The effects of studying abroad on the pragmatic development of university-level Japanese EFL learners
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 6 番目
発表要旨	本研究の目的は，一定期間の英語圏留学が日本人大学生英語学習者の語用論能力の発達にもたらす影響について研究することである。４～５ヶ月の英国研修およびホームステイを経験した国立大学２年生20人に対して，留学前後に５つのスピーチアクト（合計10場面）について談話完成テストを実施し，1) 留学経験は文法能力よりも語用論能力の進展により効果をもたらすか，2) 留学期間を通して語用論能力のどの側面が最も顕著に進展するか，を統語的・語彙的緩衝方略の使用，意味公式の使用，および文法エラーの分析を通して精査した。

発表者（所属）	福地美奈子（金光大阪高校）
題目	語彙知識とEFLリーディングとの関係についての一考察
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１６（もんぜん Box3） - 第 1 番目
発表要旨	EFLリーディングにおける、lexical access skills、vocabulary knowledge、reading comprehensionの相関関係を、5種類のテストを用いて調査した。語彙サイズテストのスコアと読解テストのスコアは相関がある、語彙サイズテストのスコアとDepth of Vocabulary Knowledge Test(DVK)のスコアの相関が高い、語彙サイズテストのスコアと音韻判断課題のスコアは相関がある、読解テストのスコアは語彙サイズテスト・音韻判断課題・DVKテストのスコアとは相関があるが、正書法判断課題のスコアとは相関がない、などの結果を得た。

発表者（所属）	藤澤由美子（東京都青梅市立第一中学校）
題目	私立は公立の２倍？―総授業量・学習頻度と学習効果―
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場９（JA 12I） - 第 6 番目
発表要旨	公立中学校では、新学習指導要領で必修科目となった英語の授業は週３時間。現場では「基礎力充実のための活動や、話す、書くという発展的な活動がやりにくくなった」という結果が新学習指導要領施行後１年目で表れている。それに対して私立学校では、特に英語指導に力をいれている学校が増えていると言われている。本研究は、「授業の頻度が高いことは、学習意欲や学力にどう影響するのか」という観点で、カリキュラム（授業時数、クラスサイズ等）と、主に英検の結果を基にした英語の学力について、首都圏私立中学校対象に調査したものである。

発表者（所属）	藤田卓郎（福井大学）
題目	形式指導が未習の学習に及ぼす効果についての研究～レベルの異なる学習者に対して単発の指導を行う場合～
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 7 番目
発表要旨	本研究では、未習の文法事項に関してタイプの異なる形式指導を一度だけ与える際、どのような効果がもたらされるのかを調査する。被験者はレベルの異なる２つのグループの中学二年生を対象とし、以下の３種類の形式指導を与える。（１）明示的な文法説明、（２）目標形式を意識するように強化したインプット、（３）学習者の発話に対する暗示的なフィードバック、である。この実験の結果をもとに、①どのような形式指導がどのような効果を及ぼすのか、②形式指導の効果は学習者のレベルの違いに左右されるのか、の２点について述べたい。

発表者（所属）	古家貴雄（山梨大学）
題目	実践報告：　教師の様々な意思決定とその判断能力を育てる授業の試みと反省
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１（JA 12A） - 第 8 番目
発表要旨	勤務校で「英語授業研究」という授業をここ数年担当している。この授業は教育実習前の学生を対象に、主に学生が遭遇するであろうと思われる実際の授業での様々な意思決定について提示し、最後には授業のプランと実施、さらにはその反省まで行わせるものである。この授業の内容、実施の状況など、種々の取り組みの様子について報告し、最後にはこの授業の結果の反省や課題についても述べてみたい。

発表者（所属）	Horton Hirose, Emiko（芝浦工業大学）
題目	Developing Vocabulary and Listening Comprehension with Visual Materials
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 8 番目
発表要旨	Listening comprehension is said to be one of the most difficult skills in EFL learning. This is caused by, in many cases, the pressure of listening to every word uttered by the speaker. The early stage in English education is the perfect period to develop confidence in listening ability before this sort of negative pressure has been developed. This presentation introduces various activities using picture flash cards in the class for elementary school students to promote vocabulary learning and listening comprehension. Attempts will be made to demonstrate how this kind of class activity can be practiced in real English language classrooms in Japan.

発表者（所属）	保坂芳男（広島大学）
題目	学習者の個性に応じた指導のあり方に関する実証的研究（１）
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 6 番目
発表要旨	2000年12月の教育改革国民会議で言及され、「21世紀教育再生プラン」で提案され急速に普及しつつあるのが習熟度別授業である。本研究は、習熟度別授業のあり方を、英語学習者の個性に注目して模索することにした。今回は、英語教師の指導の前提となる学習者の要因（例えば学習スタイル、英語学習動機）と彼らが望む英語教師像、英語の成績との関係を明らかにしたい。基本的には、適性処理交互作用という理論に基づき、共分散構造分析を行うことによりいわゆる習熟度別別授業での指導のあり方を明らかにできればと思っている。

発表者（所属）	堀田誠（山梨県竜王町立竜王南小学校）
題目	日本人小学生の英語語彙学習における音声情報と文字情報に対する注意
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 5 番目
発表要旨	本研究は，日本人小学生が，異なる文字情報の提示条件のもとで，音声情報・文字情報に対してどのように注意を向けるのかを明らかにしようとしたものである。実験は，公立小学校児童を対象にして行った。実験参加者は，音声情報・文字情報が時間差で提示される群(時間差群)と音声情報・文字情報が同時に提示される群(同時群)の２つの群に分けられ，それぞれの提示条件に応じて英語語彙の学習を行った。両群の音声情報と文字情報の学習量から，日本人小学生が音声情報と文字情報に対してどのように注意をむけていたのかを考察する。

発表者（所属）	前田啓朗（広島大学）
題目	英語学習における学習観・学習方略・習熟度の関連：因果の分析方法の再検討を踏まえて
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 3 番目
発表要旨	英語学習おける学習観と，学習方略，習熟度の関連を取り上げる。学習観の構造として先行研究で示された3つの志向，それに関連する2種の学習方略を，既存の質問紙を日本の大学生英語学習者に合うように修正し，調査した結果を示す。また，習熟度の測定についてはTOEIC(R) Bridge等のテストを用いた結果を報告する。学習観・学習方略・習熟度の関係を議論する段階では，偏回帰係数の解釈に困難が指摘される，いわゆる重回帰モデルの特性や限界を概観したうえで，検討を加える。

発表者（所属）	松崎邦守（千葉県沼南町立高柳中学校・東京工業大学大学院）、北條礼子（上越教育大学）
題目	英語のライティング学習への動機づけに関する教授ツールとしてのポートフォリオの有効性
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 6 番目
発表要旨	2004年度1学期の5月から7月まで国立看護専門学校1年生44名を対象とした英語のライティング学習において、教授ツールとしてポートフォリオを用いた実験を実施している。同ライティング学習に対する学習者の動機づけについて、事前・事後アンケート調査を実施し、同ポートフォリオの情意面における有効性を中心に検討する。分析にあたっては、ARCS動機づけモデル（Keller, 1987)およびLLOS-IEA（Noels 他, 2003)の適用を予定している。

発表者（所属）	松原緑（名古屋大学）
題目	産出データのギャップを測る指標としての「カバー率」
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 7 番目
発表要旨	第二言語学習者のパフォーマンスを測定するには、流暢さ、正確さ、複雑さの３点から産出データを検証する手法が多く用いられている。しかしながら実際に産出データとして記録されたものは、必ずしも学習者の意図しようとしたことが表出されているとは限らない。本研究では学習者の意図したことが実際にどの程度表出されているかを測るために「カバー率」という指標を採り入れることを提案する。これにより表出されたデータだけからでは見えてこない学習者のストラティジーのひとつである回避をより深く探ることができると考えられる。

発表者（所属）	松村昌紀（横浜国立大学）
題目	第二言語における再帰代名詞の解釈―学習者が無軌道なふるまいをするとき
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 3 番目
発表要旨	これまでのところ、第二言語としての英語習得において、学習者が再帰代名詞の解釈を求められた際、非定形の従属節（不定詞節）を持つ文では、定形の従属節（that節）を持つ文に比べ、長距離束縛を許容する誤りが多くなるとともに、その誤りから抜け出すことが難しいとされている（時制節-不定詞節非対称性）。今回の発表では、文の構造そのものは必ずしも再帰代名詞の解釈を左右する決定的な要因ではなく、学習者の判断はむしろ、主として文が表現している意味の影響を受けて変化していることを示す。

発表者（所属）	松村敏以（東京都調布市立第四中学校）
題目	英語生活語彙指導の実際
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 7 番目
発表要旨	先行研究、調査研究、及び日米英語教科書を比較分析した結果、日本の検定教科書に生活に関わる語彙の過不足が認められた。そこで、日本人公立中学校３年生１７名を実験参加者として、２００語から成るリストを与え家庭学習を求めると共に、１年間継続して、単語テストを繰り返すという指導を行った。分散分析の結果、事前テストと事後テストの平均値の差が１％水準で有意であった。因って、中学生を対象とした語彙指導を行う際、生活語彙を中心に補足して、学習者にとって身近な語彙を指導することの意義が認められた。

発表者（所属）	松本広幸（北海道札幌工業高校・北海道大学大学院）
題目	読解方略の指導による相互作用的リーデイング・コンセプションの形成
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 4 番目
発表要旨	熟達していない第２言語の読み手は読解プロセスについて誤った概念を抱いているので、テキスト自体の解読に過度に偏る傾向にある (Carrell 1988)。このような読み手に対して、読解プロセスについての内的モデルとしてのリーデイング・コンセプション (Devine 1988)は重要であると思われる。本研究では、英語の読解を学習している日本の高校生を実験参加者として、読解方略の指導によって相互作用的リーデイング・コンセプションが形成されうるのかを検証した。結果として、相互作用的リーデイング・コンセプションの形成が見られた。

発表者（所属）	箕輪美里（東京学芸大学）
題目	「和訳できること」と「内容理解」の関係
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 2 番目
発表要旨	「英文一文一文は理解できるけれども文章全体の内容が理解できない」と言う学習者がいる。この発言の真意を考えてみたとき、「一文一文は理解できる」という表現は「一文一文を和訳できる」という意味であることが多いのではないか。では、一文一文を和訳できるといういうことは、文章全体の内容を理解していることとイコールなのだろうか。本研究では学習者の「和訳」と「内容理解」の関係を調べることを目的として、日本人高校生を対象に、英文パッセージの全文和訳と内容再生テストを行い、その結果を分析した。

発表者（所属）	宮崎愛子（兵庫教育大学）
題目	A comparative study on the effects of implicit and explicit instruction in EFL classrooms
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 7 番目
発表要旨	複雑な文法項目である英語の仮定法の学習についてimplicit instructionとexplicit instructionの効果を実験的に比較した。被験者は日本人高校生。事例を覚えることを通して規則を学習者自ら導きだすことをねらう方法と規則を明示的に教えてそれを手続化する方法とではどちらがよる効果的であるかを、文法性判断を通して調べた。またボランティアを募りそれぞれの教授法が持つ発話の正確さ、流暢さ、反応時間への影響も考察した。

発表者（所属）	宮崎操（舞鶴高専）
題目	通訳法の授業
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場９（JA 12I） - 第 1 番目
発表要旨	通訳訓練の授業を紹介する。DW校での指導はA:　逐次通訳（テクストなしで聞いただけで訳出する）→セミシャドーイング（テクストを見ながらのシャドーイング）→シャドーイング→同時通訳B:　新聞記事を前から訳す→サイトトランスレーション（クラス→ペアワーク）→同時速訳C:　新聞社説のオンライン版対訳による同時速訳。KK校ではスクリプト・テープつき教材で前からの訳→逐次通訳→サイトトランスレーション→シャドーイング→同時通訳を実施。学生の士気は高くアンケート結果等も紹介する。

発表者（所属）	宮迫靖静（岡山県立岡山南高等学校・兵庫教育大学連合大学院）
題目	CBM（カリキュラムに基づく評価）を導入した音読重視の読解指導
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 7 番目
発表要旨	この発表では，CBM（カリキュラムに基づく評価法）を導入した音読重視の読解指導が高校生の読解力に及ぼす影響に関して報告する．参加者の高校2年生（40名）は，約6週間音読重視の授業を週2回受け，授業外でも音読練習を行った．この影響に関して，事前・事後の読解力を比較すると共に，CBMとして読解力の指標となりうる音読速度（内容重視の音読）を定期的に測定し変化を観察した．また，CBMを導入した音読重視の読解指導に関する参加者の認識も調査した．

発表者（所属）	宮曽根美香（東北工業大学）
題目	模索する小学校英語活動ー地域の人材活用の可能性をさぐってー
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 3 番目
発表要旨	本研究では、地域ボランティアを活用した小学校の英語活動の取り組みを紹介し、ボランティア活用の効果と課題を考察する。方法は、児童、学級担任、ボランティア、ALTへのアンケートの実施である。アンケートでは、活動前後の児童のコミュニケーション姿勢及び関係者の活動の感想を調べ、前述の点を探った。結果、ボランティア活用の効果として、児童の活動への積極的参加を促す、英語を話しやすい雰囲気作り、児童の理解を助ける点が明らかになった。一方、英語音声や異文化理解教育に関する貢献度には課題が残り、改善のための提案を行う。

発表者（所属）	宮本節子（兵庫県立大学）、島田浩史（河合塾）
題目	文法学習のための手書き電子板書システムの有効性に関する研究
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 4 番目
発表要旨	文法教授においては、教師が板書で文構造を表示しつつ解説を行うことが、経験的にも理論的にも理解を促進させると考えられている。そこで、こうした教授スタイルをＰＣモニター上で実現する電子板書システムを開発した。この電子板書システムは２つの特徴をもつ。一つは学習者の興味付けのためのヒューマンな雰囲気を与える手だてである。これは手書き文字と解説音声で実現される。もう一つはこの手書き文字と音声の同期提示である。本発表ではこれらの有効性を検証するために行った２つのパイロット実験の結果を発表する。

発表者（所属）	室伏秀元（兵庫教育大学）
題目	ビデオレコーディングによる中学生のスピーキング指導
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 6 番目
発表要旨	ビデオレコーディングによるスピーキング指導について考察する。先行研究ではスピーキング活動をビデオ録画することが学習の動機づけとなるだけではなく、自分のパフォーマンスを見ることでメタ認知力がつきモニターしながら話せるようになると述べられている。本研究では日本の中学校の授業においてビデオレコーディングの効果を最大限に引き出す指導法を理論と実際に基づいて提案する。

発表者（所属）	望月正道（麗澤大学）
題目	語彙ネットーワークの解明：コンピュータ・シュミレーションによる予測
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 6 番目
発表要旨	語彙は構成要素である語どうしがつながり合い，ネットワークをなしていると考えられることから，語彙ネットワークというメタファーが頻繁に用いられている．語彙ネットワークを解明する試みとして，1000語という小さな語彙の中で，構成要素の語が他の語とどのようにつながりを持っているかをコンピュータ・シュミレーションにより予測する．その予測を英語母語話者，英語学習者の語のつながりを調べることで検証する．

発表者（所属）	望月昭彦、久保田章（筑波大学）
題目	意味中心のライティング指導が英作文の質及び量に及ぼす影響－中学生の場合
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 2 番目
発表要旨	15～16年度科学研究費補助金基盤研究（C）(2)の一部として、公立中学校の2年生３クラスを対象とし、第2学期に実施した研究の中間報告である。まとまった量の英語の文章を自己の発想により書かせる指導を、継続した場合、作文の質と量にどのような効果が産まれるかを調べることを目的として、①文章の一貫性、構成に注意して書かせる指導、②量的に多く書くことに注意して書かせる指導、③読む、話す、書くことを結びつけた総合的な指導の3つの指導法を実施し、これらの指導法の結果を一貫性、正確さ、語彙等の点で比較した。

発表者（所属）	森礼子（福岡県立大学）、山鹿真人（鹿児島大学教育学部附属小学校）、末盛正和（鹿児島大学教育学部附属小学校）
題目	コミュニケーション能力はいかに育生されるか：パイロット調査
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 7 番目
発表要旨	この発表は小学校においてコミュニケーション能力はいかに育生されるかを研究するために実施したパイロット調査に関するものである。この調査で授業観察した小学校３年のクラスの例を見ると、コミュニケーション能力の育生は国語や社会、総合学習を主とする全ての教育活動の中で行なわれいた。英会話では英語独特のコミュニケーションの仕方を学ぶわけであるが、英会話の授業は多くても１週間に１回しか行なわれないという状況においては、基本的な話す教育をする英語以外の科目が特に重要であると言える。

発表者（所属）	森和貴（兵庫教育大学）
題目	高校生の英語学習動機の変容　ーグループ学習・洋画を用いた活動を通してー
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 7 番目
発表要旨	英語学習に対して好奇心に満ち溢れていた学習者が数年間の学習経験により、この好奇心がかなり弱まっている者が見受けられる。これには教師と学習者とのコミュニケーションが多いとされる語学学習独特の学習不安が密接に関係していると考えられる。この学習不安を取り除く方略として、グループ学習を、また、学習に楽しさを与える活動として洋画を用いた活動を通して、質問紙による分析と、インタビューによる質的分析を用いて、学習者個人の心的変化を探る。

発表者（所属）	森永弘司（立命館大学）
題目	語彙力と読解力の相関性及び学習者の語彙力の伸びとテキストのリーダビリティとの関連性に関する一考察
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１６（もんぜん Box3） - 第 2 番目
発表要旨	語彙力と読解力の間にはかなり高い相関性が認められ、例えばOller はカリフォルニヤ大学ロサンジェルス校で学ぶ外国人留学生を対象におこなったプレースメントテストで語彙力と読解力の相関係数が0.85あったことを報告している。今回の発表では、学生の語彙力と使用されているリーディング教材のりーダビリティを調査することで、学生の語彙力と読解力およびリーダビリィの間にはどれ位の相関性があるかを考察し、学生の語彙サイズに応じてどれ位のリーダビリティの教材を使用するのが妥当かに関して私見を述べたい。

発表者（所属）	森本智（東京都立東大和南高校）
題目	関係詞節を含む構造の把握とL2英語の学習到達度
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 4 番目
発表要旨	６年間の英語教育を受けてきた高校３年生は, 日本語にはない英語の後置修飾をどの程度習得しているのか。習得の実態を測り, それが英語の学習到達度全体に及ぼす影響力を探った。また学習者による日本語訳が, 頭の中の構造把握をどの程度反映しているのかについても検討した。結果を踏まえて, 英語教育のプライオリテイーと後置修飾の教え方を考える。

発表者（所属）	森本由子（筑波大学）
題目	文脈から推測される未知語の意味についての段階的な検証と、その推測が英文和訳に及ぼす影響
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 2 番目
発表要旨	未知語の推測に関する研究は現在までに多く行われてきているが(e.g. Aizawa, 1998; Yashima, 2001)、そのほとんどは推測が成功したか否かについて述べたものである。しかし、学習者は意味を正確に推測できなくてもその単語の一部の知識をつかんでいる可能性がある（門田, 2003）ので、推測を成功と失敗に二分するだけでは不十分だと考えられる。よって、本研究では未知語の推測を可否だけではなく段階的に検証し、またその段階毎に推測された未知語が英文和訳の際にはどのように影響しているのかを調べる。

発表者（所属）	屋嘉比盛哲（日本大学豊山高等学校）
題目	単語認知過程　～３言語間における比較～
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 7 番目
発表要旨	本研究は、第一言語の異なる集団における単語認知過程の違いを特定するために、3つの群の計404名の中学生から高校生を対象に行なわれた。各群の被験者は、表音文字群（英語を母語とするネイティヴ）、表音・表意文字群（仮名と漢字を使用する日本人）、そして表意文字群（中国語を使用する中国人）の代表であり、Phonics Comprehension Test (PCT)、英語の無意味語認知テスト（Test I）、サンスクリット語認知テスト（Test II）を受けた。調査の結果比較から、3つの言語間では単語認知過程が異なっている可能性が考えられた。その他、考察等の詳細は当日発表する。

発表者（所属）	矢亀尋美（信州大学）
題目	ライティング指導におけるピア�フィードバックの効果に関する研究
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 5 番目
発表要旨	ライティング指導においてプロセス・アプローチを援用し、グループ�ワークによる学習者間のピア・フィードバックを活用したライティング活動は、学習者に読み手をさらに意識させ、より学習者中心型の授業を展開するための有効な方法の一つである。本研究では、大学生の自己紹介文作成過程における下書き（first draft）と修正文（second draft）の質・量の変化について、学生が得たピア・フィードバックの内容と活動後の学生の感想に基づいて、その関連を分析する。

発表者（所属）	八島等（東京都立晴海総合高校）
題目	日本人英語学習者のための新しい語彙サイズ推定テストの開発
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 3 番目
発表要旨	昨年度発表したLDOCEによるデータをJACET8000に基づいて再検討し、3,000、4,000語レベルは昨年のデータに追加をして再調査をした後に、すべてのデータを基に、被験者の「知っている」率が高い順に並べた1,000～4,000語までの語彙サイズ推定テストを開発し、高校1～3年生及び大学2年生を被験者にして実際にテストを実施し、語彙サイズを測った。その結果、従来の語彙サイズテストによる結果よりも教師としては納得できる数値となった。このデータを基に、テストの配列などを再検討したい。

発表者（所属）	安川佳子（関西国際大学）
題目	大学における多読授業の課題とその改善
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１６（もんぜん Box3） - 第 4 番目
発表要旨	近年、英語学習における多読の効果が多くの実証研究により報告されている。しかし、先行研究の多くは特に、自主的に参加した学習者を対象に授業外活動の一環として実施されているものとなっている。では、多読を授業科目として位置づけることは可能だろうか。その場合、どのような課題が発生するだろうか。本発表は、大学の授業を事例とし、発生している問題点を挙げながら、学習者の興味・関心を高めるための多読授業の設計について提案する。

発表者（所属）	柳瀬陽介（広島大学）
題目	アレント『人間の条件』による公立中学校スピーチ実践の分析
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 5 番目
発表要旨	本発表では、DVD 6-way（バンブルビー）などに見られる公立中学校の英語学習の集大成としてのスピーチ実践を、ハンナ・アレント(Hannah Arendt)が『人間の条件』(On Human Conditions)で示した枠組みを通じて分析する。アレントによれば人間の＜活動的生活＞(vita activa)は、＜労働＞(labor)、＜仕事＞(work)、＜活動＞(action)に分けられる。本発表はスピーチ実践を＜活動＞として捉え、その意義を解明する。

発表者（所属）	籔内智（京都精華大学）、里井久輝（摂南大学）、吉村満知子（京都教育大学）
題目	日本人英語学習者による弱化母音の産出
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 5 番目
発表要旨	本研究の目的は日本人英語学習者の産出する弱化母音の特徴を捉えることである。具体的には、英語母語話者と日本人大学生を被験者として、その発話サンプルを音響分析し、schwaなどの弱化母音の第１フォルマントと第２フォルマントの分布を調査した。その結果、英語母語話者の弱化母音のパターンがＦ１/Ｆ２分布図の中心付近に配置することが多いのに対し、日本人大学生のものはより周辺に配置する傾向を確認した。しかし、日本人大学生の完全母音と弱化母音の分布を比較してみると、弱化母音のほうが完全母音よりも中央付近に近いことが判明した。

発表者（所属）	山岡俊比古（兵庫教育大学）
題目	項目学習から範疇学習へ　―手続的文法規則の学習過程―
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 5 番目
発表要旨	外国語のコミュニケーション能力を身につけるための必須の過程である手続的な文法規則の学習について、ACT-R理論とUsage-based Modelに基づいて議論する。学習目標となる文法規則の学習は、規則が作用した証としての事例を項目学習（item-learning）することから始まり、その規則を類似した別個の事例を通して経験する範疇学習（category-learning）することによって、その規則の個別項目的な限定性を解き、一般化していくべきものであると主張する。項目学習を促進するものが、token-frequencyであり、範疇学習を促すものがtype-frequencyであり、規則学習における後者の重要性を強調する。

発表者（所属）	山岡賢次（広島大学）
題目	実践的コミュニケーション能力育成をめざした新しい高校英語教科書と国際理解
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 4 番目
発表要旨	平成11年改定の高等学校学習指導要領で標榜されている「実践的コミュニケーション」能力育成をめざして改訂された高校英語教科書「英語I」全35冊・「英語II」全37冊及び「リーディング」他の教科書の内容や題材について，移行措置によって１年生用と２年生以上用のものが１年おいて刊行された教科書の現場採択用見本を用いて行った２年間にわたる調査研究の結果を，実践的コミュニケーション能力育成と国際理解教育の視点から加えた考察について発表させて頂きます。

発表者（所属）	山倉晃二（奈良県立二階堂高校・兵庫教育大学大学院）
題目	Contextualized Pattern Practice Based on Usage-Based Models of English--Use it, or lose it
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 5 番目
発表要旨	Usage-Based Modelにおける、言語使用と言語習得の間の密接な関係という観点から、日本のEFL環境におけるその教授的適用の可能性を理論考察する。UBMにおける使用事例、頻度、文脈などの概念に基づき、教室の現状を勘案すれば、かつての構造主義と行動主義心理学に動機づけられたPattern Practiceではなく、文脈を与え認知的に意味と形式のつながりを学習者に意識させ、体感させることを狙ったContextualized Pattern Practiceが有効である。

発表者（所属）	山崎友子（岩手大学）、ジェームズ・ホール（岩手大学）
題目	「発見型」の教師教育－小学校英語活動における実習を通して
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 6 番目
発表要旨	教師を目指す学生にとり、「現場」は魅力的である。主に２年生を対象とする教科教育法の授業で、地域の公立小学校において、学級担任とのTTで英語活動を行う実習を取り入れ、「現場」から学ぶ機会を創った。事前準備の段階でも、ピア�フィードバックを活用し、学生が受身で「教わる」のではなく、自ら課題と解答を「発見する」よう授業を構成した。本研究ではこの授業のリフレクション・ペーパーの分析を行い、学生が内省を深め、英語教師として望ましい資質を模索する方向付けがなされたこととその要因を示す。

発表者（所属）	山下純一（北海道教育大学）、横山吉樹（北海道教育大学岩見沢校）
題目	第二言語学習者が用いるリーディングストラテジーの発達についての考察
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１５（もんぜん Box2） - 第 7 番目
発表要旨	本研究は、日本人英語学習者が、第二言語で書かれたテキストを読む際に使うリーディングストラテジーが、どのように変化し、発達するかを調査する。被験者は、英語教育を専攻している日本人大学生5名で、データは昨年度と本年度(一年後)の二回、収集した。調査方法は、説明文のテキストを用い、発話プロトコルとインタビューを併用して読解プロセスを記録し、使用されたリーディングストラテジーの分類(Block, 1986; Upton & Lee-Thompson, 2001)を行った。

発表者（所属）	大和真澄（兵庫県立香寺高校）、中田賀之（兵庫教育大学）
題目	高校生の英語学習動機の発達 ―量的・質的側面における縦断的研究―
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 8 番目
発表要旨	本発表は、自己表現活動の経験を通して、高校生の英語学習動機がどう発達するのかを明らかにすることを目的として、ある公立高校英語コース1クラスを対象に行った1年5ヶ月にわたる縦断的研究に基づいたものである。研究は量的研究と質的研究から成っている。量的研究は、3回の質問紙調査を基に、英語学習動機の発達について集団に焦点をあてている。質的研究は、自由記述質問紙と面接を基に、学習者個人の英語学習動機の発達、及び自律性に焦点をあて分析している。

発表者（所属）	大和隆介（岐阜大学）
題目	学習ストラテジーを取り入れた英語の授業
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 4 番目
発表要旨	本発表は、中学・高校における学習ストラテジーの指導を取り入れた英語の授業実践の可能性と方法論について、以下の３点に焦点を当てて報告します。①中学・高校の英語教員の学習ストラテジーに対する認識：岐阜県内の中・高の英語教員を対象に実施したアンケート結果の報告。②中学・高校における学習ストラテジーの指導を取り入れた授業：検定教科書のレッスンを題材とした授業実践の報告。③授業実践に対する反応と今後の課題：②の授業実践に対する生徒と教師の反応を報告。

発表者（所属）	山西博之（広島大学）
題目	高校生の説明型自由英作文のライティング・プロセス：発話プロトコル分析による探索的調査
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 7 番目
発表要旨	本発表では，日本人の高校生が「自由英作文」を書くという活動を分析することで，彼らの英語ライティング・プロセスを探索的に調査することを目的とした。調査では，16名の高校生が大学入試問題に模した説明型の自由英作文課題を書く様子がビデオ撮影され，直後にその映像を見ながら方略の使用を聞き出すことで発話プロトコルが収集された。また，プロダクトとしての書かれた文章や，語数，かかった時間，書き方の様式なども分析の対象となった。このように結果を多角的に検討することで，探索的な知見を得ることが目指された。

発表者（所属）	山本淳子（新潟県立看護大学）、仲川浩世（関西外国語短期大学）
題目	映画を利用した看護学生のためのパラグラフライティング指導
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 6 番目
発表要旨	看護学生のためのEGSP（English for General Specific Purposes）を目指した実践研究である。看護学生も専門職、研究者として英語論文作成機会が増えつつある。その基礎となるパラグラフライティング習得のために、医療に関連した映画を利用した。パラグラフライティングのそれぞれの談話モードに合う映画のシーンを使って指導することで、より具体的なイメージを描くことができ、アイデアが活性化され、その結果writing fluencyにつながると考えられる。最終的にはパラグラフライティングの能力の発展を検証する。

発表者（所属）	山本昭夫（学習院高等科）
題目	マイクロスリップと英語学習
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場９（JA 12I） - 第 6 番目
発表要旨	本発表は、マイクロスリップという現象の概念を英語学習の文脈で応用することにより、英語学習における言い誤りの原因とその対策について考えるものである。マイクロスリップ(microslip)は、Edward S. Reed と D. Schoenherrが1992年に大学生のコーヒーカップを手に取る動作の観察により報告された。コーヒーカップを手に取る際、手は、微妙に軌道修正を行っている。外国語を話そうとするところから実際に話すまで、言い誤ったり詰まったりすることと結びつけてみたい。

発表者（所属）	山森直人（鳴門教育大学）
題目	学校英語教育における英語科経営の必要性と方向性について
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１（JA 12A） - 第 3 番目
発表要旨	近年の学習指導要領にみられる規制緩和の流れの中で、学校英語教育の現状は多様化し、同時に英語教員が抱える問題点も学校によって多様化しているように思われる。このような状況を考慮すれば、各学校で英語教育を担当する教員同士が協働することを通して、学校独自の問題を解決したり、状況に応じた学校独自の英語教育を創造したりすることが求められる。本発表では、各学校の英語科を母体としてなされる組織的な活動を「英語科経営」と呼び、学校英語教育における英語科経営の必要性と具体的な方向性を検討する。

発表者（所属）	横川博一（神戸大学）、籔内智（京都精華大学）、谷村緑（近畿大学）
題目	単語認知プロセスにおける語彙の生起頻度・親密度情報の影響―語彙性判断課題・意味性判断課題による検討―
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 8 番目
発表要旨	人間は、言語理解・産出のプロセスにおいて、脳内にあるメンタル・レキシコンにアクセスし、検索し、語彙情報を引き出すと仮定されているが、単語認知にはさまざまな制約が関与する。本発表では、語彙アクセスおよび意味アクセスのプロセスにおいて、単語の生起頻度および親密度がどのように影響するかについて、日本人英語学習者を対象に語彙性判断課題および意味判断課題を行った結果を報告する。これらの結果に基づき、日本人英語学習者のメンタルレキシコンの構造と語彙処理のメカニズムについて考察する。(237字)

発表者（所属）	横山知幸（広島市立大学）
題目	英文和訳における語順
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 3 番目
発表要旨	英文和訳においては、古くから出来るだけ原文である英語の語順に近い訳し方をするのが良いとする主張がある一方で、実際には後ろから訳し上げる方法が多用されてきたとも考えられる。しかし、どの程度まで訳文の語順が原文の語順に近いのかを示す方法は、ほとんど考慮されなかったのではないかと思われる。本発表では、主として日本語の文節レベルでの対応関係に順位相関係数を用いるという概略的ではあるがそれなりに実用的な方法を検討し、それに基づいて英文和訳における語順の問題を論じる。

発表者（所属）	吉川正美（広島大学）
題目	期待される２種類のスピーキング力に関する実証的研究－同時方程式モデルによる説明構造解明の一考察－
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 7 番目
発表要旨	本研究は、心理言語学的枠組における言語の使用場面に基づく２種類のスピーキング力の定義を試み、その説明構造の解明を目的とする。日本人大学生３５名を被験者としたパフォーマンス・テスト、英語熟達度テスト、質問紙法によって得たデータを回帰分析した結果、スピーキング力を従属変数とし、言語能力要因を介入変数、情意要因、認知要因を独立変数とする仮説モデルを得た。そのモデルを基にしたパス解析により、その各要因間、下位変数間の因果連鎖を考察し、それぞれの説明構造が共通点を有しつつも異なることを実証した。

発表者（所属）	吉田一衛（福山大学）
題目	低学力学習者のリーディングにおける認知的特徴ー目的構文の理解度を中心にー
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 7 番目
発表要旨	低学力学習者のリーディングにおける認知的特徴について５年目の継続研究である。前回は、使用テキストにおける目的構文の種類と頻度から、学習困難度について明らかにした。今回は、学習者にとって易しいテキストへ兼行することにより、あらためて使用された目的構文の種類と頻度を明らかにし、学習の難易を決定する要因を分析する。もれをもとに、目的構文の学習困難点を実証的に明らかにし、低学力学習者の認知的特徴を探る。この結果をもとに、低学力学習者のリーディングの学力を伸ばす意義と目的について考察する。

発表者（所属）	吉留文男（大島商船高専）
題目	医療関係者の視点に基づくＥＳＰ教材分析について
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 3 番目
発表要旨	医療関係者とその患者とのコミュニケーションの役割は重要である。しかし、医療現場における医療関係者と患者との言語資料を収集することは難しい。よりオーセンティクなESP教材を提示するために言語機能、学習者ニーズ、治療的コミュニケーションの三つの観点からテレビ番組の自然な会話を題材に教材分析をおこない、その意義を考えてみたい。

発表者（所属）	吉村宰、荘島宏二郎（大学入試センター）、杉野直樹、野澤健、清水裕子（立命館大学）、齋藤栄二（関西大学）、根岸雅史（東京外国語大学）、岡部純子（愛知県立大学）、サイモン・フレイザー（呉大学）
題目	大学入試センター試験既出問題を利用した共通被験者計画による英語学力の経年変化の調査
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 4 番目
発表要旨	５つの大学の１年生を中心に約450名を対象とし，英語学力の経年変化についての調査を行った。調査にあたっては，平成2年から16年に出題されたセンター試験英語問題第２問の問題項目から，問題の難易度のばらつきを考慮しつつ識別力の高い100項目を抽出し，50項目からなる調査用テスト問題を２セット作成した。この調査用のテスト問題を用いて，共通受験者計画による等化を行った。調査結果をもとに，等化後のセンター試験受験者集団の平均値や標準偏差の推移に焦点をあてて，調査期間を通しての学力推移を考察する。

発表者（所属）	依田みづき（東京学芸大学）
題目	ライティングの発達と語彙習得の関係
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 3 番目
発表要旨	語彙が豊富であることは英語学習者にとって不可欠な要素の一つである。では実際に英語でのパフォーマンスに優れている学習者はどのくらい語彙を知っているものなのだろうか。また、学習者のライティングの技能や質が上がっていくとき、学習者の語彙はどのように増えているのだろうか。本研究では、日本人大学生を対象に語彙サイズテストと自由英作文タスクを実施し、学習者のライティングの技能の発達と語彙習得の関係について調査を行った。研究方法についての詳細、結果と考察については当日口頭で発表する。

発表者（所属）	渡部良典（秋田大学）、吉田研作（上智大学）、根岸雅史（東京外国語大学）、長沼君主（清泉女子大学）
題目	東アジア圏高校生の英語力到達度ー日本・韓国・中国における英語力調査をもとに指標を設定する
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 7 番目
発表要旨	これまで英語到達度に関して様々な基準（criteria）および規準（standard）が設けられている。わが国の文部科学省による４つの観点別評価規準、米国のACTFL、ヨーロッパ諸国のDIALANGなど枚挙に暇がないほどである。しかし、どれもある特定の地域で作成されたものなので、一見普遍性を目標としていても、異なる教育環境、教育目標、教員の理念などにより、使用する際には多少なりとも改訂して使わなければならない。本発表では、日本、韓国、中国の高校生を対象とした英語力調査（ベネッセ・コーポレーション）の結果をもとに、実証的な「外国語としての英語」力の指標を提示する。

発表要旨１（あ行） // 発表要旨２（か行） // 発表要旨３（さ行～な行） // 発表要旨４（は行～わ行）