発表要旨（３）：さ行～な行

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発表要旨（３）：さ行～な行

発表要旨１（あ行） // 発表要旨２（か行） // 発表要旨３（さ行～な行） // 発表要旨４（は行～わ行）

発表者（所属）	酒井志延（千葉商科大学）、石田雅近（清泉女子大学）、緑川日出子（昭和女子大学）、久村研（田園調布学園大学短大部）、笹島茂（埼玉医科大学）
題目	平成１５年度英語教員集中研修アンケート調査結果報告
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１（JA 12A） - 第 1 番目
発表要旨	昨年全国で実施された英語教員集中研修の受講者を対象に研修直後と研修2ヶ月後のアンケート調査を実施した。直後アンケートは，英語運用能力の向上，授業方法の工夫，授業の反省・評価・計画・準備の工夫，専門知識や指導技術，研修の自己評価の25項目，研修2ヶ月後のアンケートは，授業外の英語使用量，授業方法の工夫，授業の反省・計画・準備の工夫，自己・協同研修の23項目。直後のアンケート回答数は2,292通，2ヵ月後のアンケート回答数は1,082通であった。集計の結果，集中研修は好評であったと推察できる。

発表者（所属）	佐久正秀（大阪信愛女学院短期大学）、本田勝久（大阪教育大学）
題目	小学校英語教育における語彙教材の開発に向けて
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 8 番目
発表要旨	平成14年度からの「総合的な学習の時間」おいて、小学校では本格的な英語活動が始まっている。小学校での英語学習は外国語学習の入門期としてきわめて重要である。しかしそれは、中学校や高等学校とは異なり明確な基準がなく、教える学習内容が定まっていない。また、教科書はなく教師は自ら教材を作成しなければならない。ゆえに教材開発の指針となるような指導語彙リストの選定が必要である。基本語彙を確定するため、小学校での英語学習を想定し、様々な英文テキストデータを集め、それらを元に基本語彙の選定を試みた。

発表者（所属）	佐々木ゆり（宮城教育大学）
題目	実践を通して学なぶ「小学校英語活動」教員養成プログラム
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 4 番目
発表要旨	宮城教育大学では、2003年11月より発表者（教官）と学生による公立小学校への「英語活動出張授業」を開始した。これは、発表者が本学着任前に津田塾大学の仲間たちと実践してきた活動を土台としており、英語活動の提案と教員養成の2つの側面を持つ活動である。本発表では教員養成の側面に焦点をあて、参加した「教員予備軍」である学生たちの声から見えてくる今後の教員養成のあり方、方向性について提言したい。課程や専門が違う学生たちが「小学校英語」という共通の関心事に情熱を持って取り組む姿からは、計り知れない可能性とパワーを感じている。

発表者（所属）	佐藤和彦（宮城工業高専）
題目	完了形をめぐって
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 4 番目
発表要旨	完了形であらわされる意味自体はそれほど学習困難なものではないように思われる。しかしながら、いっしょに使われる副詞の使い分けや、過去完了形のその他の用法が付け加わると混乱が生じ、理解しにくいものになってしうようである。本発表では、完了形を学習する際に区別されるべき副詞的語句の二つの分類を中心に、学習者が注意すべき点を指摘しその解決策を論じてみたい。この分類法は完了形の用法の本質把握にも役立つように思われる。

発表者（所属）	佐藤臨太郎（北海道七飯高校・筑波大学大学院）
題目	Effects of Output on Japanese High School Students' Foreign Language Learning
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 1 番目
発表要旨	Swainのthe Output Hypothesisを指示する立場から、Outputの伴うCommunication活動が、伝統的な英文和訳や内容理解等のComprehension-basedの活動よりも、日本の高校生にとってより効果的であるかを、文法習得を第一義として多面的に分析・検証した。その結果、両活動ともに文法習得等に効果的であり、その効果の差に統計的な有意差はみられなかった。しかしながら、生徒に、Output-based活動を好む傾向があるということが明らかになった。

発表者（所属）	鹿野緑（名古屋大学）
題目	英語で行なうリーディング授業：Ｌ２使用を促す工夫と学生の姿勢変化
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 1 番目
発表要旨	大学の「英語リーディング」授業において学習者の母語L1を介さずにそのほとんどをL2で運ぶための方法と、学期前後に行なったアンケート調査から示唆される学習者の姿勢の変化について報告する。L2使用を促す方法としてrephrasing（definition, context, example）, paraphrasing, making inferences, making diagrams & chartsなどによる読解を試みた。アンケートの結果から、主にリーディング授業の指導や活動にL2を使用することに肯定的姿勢の増加が見られた。本発表では結果を解説し、授業への示唆について論じる。

発表者（所属）	島田勝正（桃山学院大学）
題目	多肢選択型クローズテストの選択肢の改善
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 3 番目
発表要旨	島田（2002）は、多肢選択型クローズテストにおいて、各テスト項目で正解できなかった者の多くが、削除タイプに関係なく、一律に文法処理をしており、文脈処理をしていないことを指摘した。そこで、本研究では、文法能力を測定する項目には文法処理を要求する選択肢のみを、テキスト能力を測定する項目には文脈処理を要求する選択肢のみを配置した改訂版を作成し、このテスト結果を島田（2002）の結果と比較した。前者の項目では、改善が見られたが、後者の項目では、改善が見られなかったという結果を得た。

発表者（所属）	島本たい子（関西外国語大学短期大学部）、門田修平（関西学院大学）
題目	日本人英語学習者の語彙ネットワークを探るー語彙知識の広さ・深さ・英語総合力を手がかりにー
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 5 番目
発表要旨	本研究の目的は、日本人EFL学習者の語彙ネットワークシステムを語彙知識の広さと深さの両面から探ろうとするものである。９３名の大学生を被験者に３０の目標語を用い、語彙知識の３つの要素ー語義、パラディグマティック（類義語、反意語、上・下位語）、シンタグマティック（コロケーション）について産出テストを実施した。また被験者の語彙サイズ測定にはVocabulary Levels Test(Nation, 2001)、英語力の基準としてTOEICスコアが用いられた。主な結果として、語彙のシンタグマティックな結びつきの方がパラディグマティックな結びつきより強いことが示唆された。

発表者（所属）	清水律子、久保田靖子、中野香（山陽学園大学）
題目	Self-Access Learning Programme
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１６（もんぜん Box3） - 第 7 番目
発表要旨	日本の大学英語教育における学習形態の一例として、「セルフ・アクセス学習プログラム」を紹介する。このプログラムは「学習体験」と「自律学習の指導」から成り、学習者は実際に学習体験を重ねながら自らの学習を制御する方法を学ぶことができる。本発表では、まずプログラムの理論的背景と期待される学習効果等について述べ、次にプログラムの内容を提示する。授業外の学習体験に必要な施設や教材等の環境作りをはじめ、フィードバックの方法やポートフォリオの作成など、プログラムの構成要素とその機能を具体的に紹介する。

発表者（所属）	清水真紀（筑波大学）
題目	推論質問が読解プロセスにおよぼす影響: 発話プロトコルの質的分析を中心に
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１５（もんぜん Box2） - 第 2 番目
発表要旨	読解する際、テクストに書かれている情報に基づいて、または背景知識に基づいて推論を生成することがテクストの意味構築に向けて重要である (Graesser & Kreuz, 1993; van den Broek, Fletcher, & Risden, 1993)。しかし、英文読解において、推論を生成した読み手としなかった読み手とのプロセスにどのような違いがあったのか、さらにそういった推論を促す質問が読み手のプロセスにどのような影響を与えるのか、詳細はこれまで明らかにされてこなかった。本研究では、それらを調べるため、大学生を対象に発話プロトコルを実施し、質的な研究を行った。

発表者（所属）	城座沙蘭（東京大学）
題目	教授法としてのコードスイッチングに関する一考察：英語母語話者の日本語使用に関する事例研究
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１３（もんぜん 303） - 第 5 番目
発表要旨	本研究の目的は、ケーススタディを通し、教師によるコードスイッチングの外国語教授法としての機能を考察することである。Guthrie(1984)、Ling(1988)に基づき、日本人学習者対象の英語授業における日英バイリンガル教師の発話を記述・分析した。その結果、目標言語を母語とする教師が学習者の母語に切り替えることは、教師と生徒との好意的関係の構築、ひいては目標言語の習得を促進する作用があることが分かった。特に初歩学習者対象の場合は効果的な教授手段になりうると考えられ、その有用可能性を議論する。

発表者（所属）	杉田由仁（山梨県立看護大学）
題目	区切り聞きによるリスニングの指導　－　実践とその効果
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 6 番目
発表要旨	本研究では、日本人学習者が英語による内容の聞き取りができない原因を「速度についていけない」すなわち、音声入力として知覚された内容を意味に結びつける音声処理が間に合わなくなるためではないかと考えた。そこで、内容理解の速度を向上させることを目的として、音声化された情報を意味のまとまりごとに順送りに理解することに重点を置く「区切り聞き」のトレーニングを行うことにした。このような考え方に基づき実践したリスニング指導の効果について報告する。

発表者（所属）	杉本学（栃木県立黒磯高校）
題目	ICTを活用した授業ー電子黒板のススメー
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 8 番目
発表要旨	①ICTを活用した普段の授業のデジタル化。デジタル化することにより、他の教員との共有化が容易に可能。時間短縮によるメリットを利用した授業の展開事例。イギリスでのデータによるICTを利用した授業の学習効果の考察。②生徒のコミュニケーション能力を高めるためのICT利用。ICTを利用した生徒によるコミュニケーション活動例。

発表者（所属）	鈴木渉（東北大学）、板垣信哉（宮城教育大学）、猪瀬文彦（宮城県向山高校）
題目	メタ的語りの実証的研究－文法課題の内省報告に基づいて－
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 4 番目
発表要旨	本研究の目的は、アウトプット仮説に基づいて、日本人英語学習者の文法課題 (英文和訳及び和文英訳) における内省報告を、「第一言語に関する」、「第二言語に関する」、及び「文法に関する」メタ的語りの観点から、分析及び考察することである。結果として、(1) 文法課題のタイプや実験参加者の英語力に関わらず、文法に関するメタ的語りが最も多い、(2) メタ的語りのタイプとその頻度は、実験参加者の英語力や文法課題のタイプに依存することが分かった。これらの結果を、アウトプット仮説及び第二言語習得研究の観点から議論する。

発表者（所属）	隅田朗彦（新潟青陵大学短期大学部）
題目	ライティング指導におけるフィードバックの明示性とエラー修正との関係
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 1 番目
発表要旨	自由英作文における文法・語法上のエラーに対する指導について、教師のフィードバック方法の違いによって、生徒がエラーを正しく修正できる度合いが変化するかを、初～中級学習者について検証した。本研究のパイロット・リサーチでは、多くの先行研究結果と同様、フィードバックの方法は作文全体のエラー修正率には影響しないという結果を得た。しかし、エラー種別に検証した結果、エラーの属性によってはフィードバックの違いが修正率に影響するという結果を得た。本研究はさらに参加者を増加し、調査を進めたものである。

発表者（所属）	高木浩志（宝塚市立高司中学校）
題目	中学校英語科における指導と評価の一体化の研究－生徒指導困難校における実践を通して－
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 7 番目
発表要旨	兵庫県においても、平成１７年度の高校入試より、内申書への絶対評価での記入を求められている。生徒指導困難校での実践を通して、指導と評価の一体化を求めての奮闘ぶりを、宝塚市の状況報告から、学校での実践までを報告したい。絶対評価における問題点や課題等も浮かび上がらせたい。

発表者（所属）	高田智子（学習院女子中・高等科）
題目	文字指導を含めた小学校英語学習の有効性ー小・中の連携をめざしてー
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１４（もんぜん 304&305） - 第 4 番目
発表要旨	小学校英語活動への文字導入について、現在意見の一致は得られていない。文部科学省(2001)によれば、文字指導は小学生にとって負担が大き過ぎ、英語嫌いを生み出すことにつながるという。しかし一方、小学校での文字指導の成功例を示す実践報告も少なくない。本研究は、文字指導を含めた小学校英語学習の有効性を、実証研究により明らかにした。本研究の特徴は、従来の実践報告が示唆する文字導入の効果を、科学的手法を用いて検証したことである。また、文字指導の是非をめぐる文献および過去の実践報告も整理し報告する。

発表者（所属）	高橋幸雄（盛岡大学）
題目	比喩から始まる音声学
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 6 番目
発表要旨	事態（の本質）を捉え、その内容を他者に伝えようとする時に、私たちは記号を用いることがある。言語音声の特性を表示するには殆ど例外なくIPA方式の発音記号が用いられるが、これは使用されうる記号のごく一部の可能性である。どのような記号を用いるかは、その脈絡に依るべきである。言語教育の脈絡を想定すると、発音の動的な特性を分かりやすく捉え説明するにはIPA方式の記号だけでは利便性に欠ける。私はOtto Jespersenの「きこえ」の階層を教育の場面において応用する可能性を提起したい。

発表者（所属）	高橋寿夫（関西大学）
題目	異文化理解ー「よろしく」に内包される日本人の心
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 2 番目
発表要旨	「侘び」「寂び」のような深遠な日本文化を代表する言葉とは別に、英語にならない日本語に「よろしく」がある。これは簡潔で丁重な「依頼」の表現として、また、座りのよい「結び」の言葉として日本語では多用されているが、英語では同等の表現は見当たらない。「よろしく」の使用心理をつぶさに見ていくと、対人関係における心的態度、すなわち、日本人の心が読めてくる。そして、いわゆる「よろしく」表現を避ける英語圏の人々の思考姿勢や文化的背景を観察し、対比すれば、異文化理解を深めるヒントを見出すことができる。

発表者（所属）	瀧口均（東京都世田谷区立八幡中学校）
題目	指導と評価の一体化を目指した観点別評価の工夫　～　ポートフォリオを活用して　～
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 5 番目
発表要旨	絶対評価に基づく観点別評価は利点も多い反面、課題も少なからず露呈している。その評価・評定に関する客観性・信頼性や評価方法の妥当性・実用性が問題になってきている。観点別評価では「説得」より「納得」と言われることがある。この「納得」を無理なく得るにはポートフォリオを活用した4観点の自己評価・相互評価、及び教師評価が有効であると考える。また、その利用は教師の指導法改善にも大いに有効で、指導と評価の一体化促進にも効果が高い。今回は東京都新宿区立牛込第一中学校でのこの1年間の研究実践を実践報告という形で紹介していく。

発表者（所属）	滝沢謙三（白鴎大学）
題目	英語教育における社会言語能力の育成について
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 1 番目
発表要旨	コミュニケーション能力には、文法能力、社会言語能力、談話能力、方略的能力が求められているが、ここでは社会言語能力の育成を取り上げる。

発表者（所属）	田口直子（国際教養大学）
題目	The Analysis of Oral Communication Textbooks for Upper Secondary Schools
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 5 番目
発表要旨	新学習指導要領において実践的コミュニケーション能力の指導が英語教育の課題となっている。本研究では文部科学省の指定する高等学校のオーラルコミュニケーションの教科書がどの程度実際のコミュニケーション活動に即したものであるか分析した。高等学校において採用数の多い教科書を５つ選び、その中のエクササイズを３つの観点から評価した　１）エクササイズがどのような言語活動を目的としどの程度コミュニカテイブであるか、２）使用されているコミュニケーションの場面に多様性があるか、３）教科書に表れる英語の言い回しが実際の英会話に表れる言い回しをどの程度反映したものであるか。

発表者（所属）	竹内春樹（近畿大学工業高専）
題目	Analysis of a Learner's Essay from Linguistic Perspectives -Genre and Schematic Structure to Be Taught in English Communication-
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場６（JA 12F） - 第 5 番目
発表要旨	学生に文章を書かせる時、どのようなジャンルの文章を書かせればいいのだろうか。もっとも望ましいのは、ある主題に関して意見を述べるエッセイであるかもしれない。この研究では、学生が書いた上手と思われるエッセイを分析し、その言語学的特徴を明らかにし、教室での指導方法を考える。分析レベルとして、Schematic Structure, Themeを想定している。それらが、効果的なエッセイを書くためにいかにrealizeされるべきかを述べる。

発表者（所属）	武田淳（宮城工業高専）
題目	電子辞書導入時の具体的指導例ー辞書を引かせる指導と引かせない指導ー
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 3 番目
発表要旨	学生たちの机上に電子辞書を見かけるようになって久しい。かつての「書籍版辞書か電子辞書か」という論争も一段落し、我々の現在のテーマは電子辞書導入時の指導をいかに工夫するか、という点に移行している。圧倒的な検索スピードやクロス検索、コンパクトな筐体といった書籍版辞書にはないメリットをもつ電子辞書ではあるが、その利便性に起因する電子辞書ならではの問題点もいくつか見えてきた。ここでは学生たちと共に電子辞書を使い続けてきた経験を通して得られた導入時の具体的指導内容について、そのいくつかを紹介させていただく。

発表者（所属）	立花千尋（神戸大学発達科学部附属住吉中学校・神戸大学大学院）
題目	教師のためのリフレクティヴな教室談話の分析：ＳＥＴＴ（Self-Evaluation of Teacher Talk)処理を用いて
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 7 番目
発表要旨	学習者の教室での英語学習は、基本的には教師と学習者のインターラクションを通して発生するといわれている。本研究は、Walsh,S(2001)のSETT処理を用いて、教師と学習者のインターラクションに焦点を当てた教室談話の分析を試みる。SETTモデルは（１）支配モード、（２）題材モード、（３）技能と形式モード、（４）教室文脈モードの４つの異なったモード、すなわちトーク形式に基づいて分類されている。異なったモードの観察によって、教師がティーチャー・トークの使用を教育目標に合わせることの必要性を提案する。

発表者（所属）	伊達正起（福井大学）
題目	作文中のエラー検索におけるメタ言語知識・フィードバック・言語形式の影響
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 2 番目
発表要旨	学習者のメタ言語知識が作文中のエラー検索に与える影響について発表する。特に、「メタ言語知識の有無」・「フィードバックのタイプ」・「形式の種類」という３要因の関係に焦点をあてる。そして、プリテスト（エラー検索とメタ言語知識）、トリートメント（フィードバックに対するアップテイク）、直後テスト（エラー検索）における結果をもとに、次の２点に関して述べる。（１）メタ言語知識のある形式に対するフィードバックの効果と形式の種類の関係（２）メタ言語知識のない形式に対するフィードバックの効果と形式の種類の関係。

発表者（所属）	田中正道（広島大学）
題目	韓国・中国の大学入学試験問題（英語）の特徴─リスニングに焦点をあてて
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 1 番目
発表要旨	日本の大学入学試験（英語）においてリスニングの試験は時代の要請となっている。韓国ではずいぶん前から、また、中国では２００１年から統一試験にリスニングを導入した。両国がどのような学力をいかなる形式で評価しようとしているかを知ることは、日本のリスニングの試験問題作りに役立つものと考える。本発表において、両国のリスニングの試験の特徴を浮き彫りにしたい。

発表者（所属）	田中博晃（広島大学）
題目	どのような授業が英語学習に対する積極的な取り組みを促すのか？：学習者の動機づけを促進する方略の効果の検証
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 1 番目
発表要旨	学習者の英語学習に対する積極的な取り組みと英語学習への動機づけは密接な関係にあり，教育現場において，いかにして学習者の動機づけを促進し，学習活動への積極的な取り組みを促すかが重要な課題になっている。本研究では英語学習における動機づけに焦点を当てて，自己決定理論を基に英語学習の動機づけを促進する方略として「英語でのグループ・プレゼンテーション活動」を提案する。そして高等学校での実践研究を通してその効果を検証し，どのような授業が学習者の英語学習に対する取り組みを促すのか，という点に関して考察を行う。

発表者（所属）	田中清美（Temple University）
題目	大学生のためのグローバル教育
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 3 番目
発表要旨	社会、経済、文化のグローバル化に対応して、今日、英語の運用能力重視の教育が強調されている。が、同時にグローバル化時代に必要な知識と概念の教育の必要性も高まってきている。本研究は大学英語教育にILC教授法を採択し、英語教育におけるグローバル教育を提唱するとともに、どのような活動が生徒の楽しみに関連し、グローバル問題への関心や、言語学習への興味および自信に関与するのかを分析する。Factorial ANOVAの分析はより複雑な作業を要求する活動のほうが生徒の内容に関する興味を高める一方で、取り組みやすい活動は言語学習に関する興味と自信をより高めることを示し、また男女による活動への著しい志向差はないことも明らかとした。

発表者（所属）	田中順子（神戸大学）
題目	L2学習者のEQデータ収集における実施モードの影響
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 8 番目
発表要旨	第二言語学習における個人差データの収集では紙と鉛筆を使って答える調査紙や検査の使用が通常であるが，収集や採点に要する時間や入力エラー等の問題があった．個人差に関わる情報をより迅速に正確に入手し，授業や研究に活用できることを目指し，調査紙や検査をコンピュータ化することを試みた．本発表ではEQSという情動知能検査を用い，紙と鉛筆版とコンピュータ版との間の実施モードの違いが及ぼす影響や，紙と鉛筆版とコンピュータ版間の構成概念が同一であるかどうかを，成人英語学習者５０名を被験者として検討した結果を報告する．

発表者（所属）	田鍋敦子（大阪市立玉造小学校・兵庫教育大学大学院）
題目	小学校英語活動における教材開発に関する一考察－表現力を育てる英語絵本の効果的な使用について－
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１０（アクティ 2A） - 第 7 番目
発表要旨	小学校英語活動では、歌・ゲーム・モデル・ダイアローグを使ったロールプレイなどが行われている。英語に対する興味・関心をさらに喚起し持続させるためには、これらの活動を基にして、児童が発達段階相応の言語感覚を身につけ、創造的な言語使用ができるような課題解決的な活動を進めていくことが必要である。このような活動を充実させるための英語絵本を使用した指導法と、絵本の教材としての有効性を授業実践を通して論じる。

発表者（所属）	田畑光義（栗源町立栗源中学校・千葉大学大学院）
題目	中学校における文章構成を意識した「まとまった」文章を書く活動の研究
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場３（JA 12C） - 第 4 番目
発表要旨	現在中学校学習指導要領では音声によるコミュニケーション能力の育成が重視されている。一方情報化社会の進展で，情報を読みとる力とそれに対応し自分の意見や考えを発信する書く力の育成も重要となってきている。そこで本発表では，思考力の育成を図るための中学校における「書く活動」を提案する。発表内容は以下の3点。１）自分の意見を明確にするための，文章構成を意識した「まとまった」文章を書く活動を紹介。２）検証授業を通しての学習者の変容の報告。３）検証授業の分析・考察・課題

発表者（所属）	千葉宏之（ジオスランゲージシステム）
題目	Systemic-Functional Perspectives in TOEFL Writing Test
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 2 番目
発表要旨	北米の大学や大学院などが英語を母国語としない留学生の英語力を判定するための基準として採用するTOEFLの中からライティングテストをとりあげ選択体系機能言語学の観点から分析する。問題文が作り出すライティングテストのジャンル、状況のコンテクストを明らかにし、アカデミックライティングテストとしての問題文の言語的選択の適切性を検証する。分析結果を通して、オーストラリアなどで一部採用され成功しているジャンル・アプローチの概念を日本の英語教育のコンテクストの中でどのように応用できるかも探っていきたい。

発表者（所属）	千葉元信（宮城工業高専）
題目	検定済教科書と「言語の使用場面と働き」
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 3 番目
発表要旨	現行の高等学校学習指導要領は平成11年3月に告示された。その第2章第8節第2款第3 英語Ⅰの目標は「日常的な話題について、聞いたことや読んだことを理解し、情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える基礎的な能力を養うとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる」であるが、この学習指導要領に基づいて編集され平成15年4月から使用されている外国語科用（英語）検定済教科書は学習指導要領の内容をどのように表現しているのだろうか。検定済教科書を数点取り上げてこれらを実証的に考察する。

発表者（所属）	中條清美（日本大学）、内山将夫（情報通信研究機構）
題目	CNNを利用した語彙のカバー率計測のためのサンプルサイズに関する研究
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 5 番目
発表要旨	英語教育を効率的に行なうための具体的な客観データのひとつに「語彙のカバー率」がある．本研究では，音声言語の言語資料（CNNニュース）を用いて，安定したカバー率を得るのに必要な３変数「サンプルサイズ，テキスト長，基本語彙サイズ」の関連について，コーパス言語学・自然言語処理の手法を用いて本格的な検討を行なった．結果，最適な３変数の関係を考慮に入れて，英文テキストのカバー率を計算することが可能となった．

発表者（所属）	Jung, Hyun Sun（鳴門教育大学）
題目	韓国の現行初等英語科教科書の分析―コミュニケ－ションの機能を中心にー
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 6 番目
発表要旨	本研究は、韓国の小学校３年から６年までの現行教科書をコミュニケ－ションの機能面と過程面の２つの基準で分析し、学年別コミュニケ－ション能力の伸長のためにどのように教科書を構成しているか検討したものである。分析の結果、以下の２つのことが分かった。（１）コミュニケ－ションの機能面においては３学年と４学年はinterpersonalな活動、５学年はfactualな情報交換、６学年はintellectualな態度の表現が中心である。（２）Dublin & Olshtain(1986)による７段階のコミュニケ－ション過程面においては第１次には新情報の提示が多く、第４次時は創意的な情報の適用が中心である。これらの結果からEFL環境での初等英語教科書のあり方について、提案をする。

発表者（所属）	土屋唯之（東京理科大学）
題目	『決定版！　授業で使える英語の歌20』をより決定版に！！
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場９（JA 12I） - 第 3 番目
発表要旨	『決定版！　授業で使える英語の歌20』の著書をより正確にして、さらなる決定版にするための研究。

発表者（所属）	戸川定昭（兵庫教育大学）
題目	Reception strategyを用いたリスニング活動の実践とその効果
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 7 番目
発表要旨	本研究は、学習者に、聞き取りの際の、理解の促進につながるreception strategyの指導とその効果に関する研究である。被験者（中学二年生４５名）に３種類のreception strategyを指導し、リスニング活動を通して学習者に実践させることにより、（１）学習者のコミュニケーションに対する関心、意欲を高めることができるか、（２）活動の会話を観察し、学習者の聴解力と、そのストラテジー活用になんらかの関係や特徴があるのか、その結果をもとに、学習者のlistening comprehensionが向上するか検討した。

発表者（所属）	戸田征男（東北学院大学）
題目	前置詞目的格補語概念導入とその効用
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 3 番目
発表要旨	「使える英語力育成」は、単に習得した表現をそのまま使用する能力の育成ではなく、新しい文を分析・産出できる能力の育成である。英語理解の前提となる構造記述のために、(1)の付帯状況のwith句内の構造記述を試みる。これは、It...for...to...構文、独立分詞構文の理解にも新たな一光を投じる。(1) We proceeded with Mr. So chairperson of the committee. It is rude to speak with your mouth full. What a lonley world it would be with you away!

発表者（所属）	富永裕子（順天中学高等学校・早稲田大学大学院）、田邉祐司（専修大学）
題目	英語発音成功者分析：学習履歴の語るもの
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場７（JA 12G） - 第 7 番目
発表要旨	EFL環境にある学習者にとって、英語の発音を習得するのは難しい状況にある。しかし、英語を話す環境下での長期滞在経験がないのにもかかわらず、「うまい発音」をする学習者に出会うことがある。そのような学習者たちは、どのように英語の発音を学習し、習得したのであろうか。それを解明するため、これまでの先行研究をもとに、さらに英語発音成功者の学習履調査を学年層を越えて行い、結果を細かく分析することにより、今後の発音指導における建設的な見解を見い出し、「指導法への示唆」及び「学習者への示唆」へとつなげていく。

発表者（所属）	中島多美子（鹿児島県立大島北高校）
題目	コミュニケーション能力の育成を目指した英語Ⅰの指導
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場５（JA 12E） - 第 7 番目
発表要旨	Humanistic Approachの観点から，英語Ⅰの授業をとらえ，その中で，まず，読解活動を中心に話の概要や要点を把握させ，筆者の立場に共感し，筆者の伝えたいメッセージを理解させる。それによって，生徒が筆者の立場に立って，自分自身の意見や考えなどをまとめて簡単な英語で書き，グループ内でそのことについて英語で話し合い，その後グループの代表者がグループ内の意見を全体で発表する。生徒は，それぞれの意見や考えを共有しながら，お互いの内面や価値観に触れ，また，自分自身の価値観に新たに気づくことが自己発見へとつながり，この活動を通して，生徒のコミュニケーション能力が育成されると考える。

発表者（所属）	中西弘（関西学院大学）
題目	数字・計算・文における記憶域はどのように日本人英語学習者の英文読解力に関連しているのか
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１６（もんぜん Box3） - 第 3 番目
発表要旨	日本人英語学習者のワーキングメモリ容量を測る指標としてリーディングスパンテスト(RST：次々に提示される短文を読み、文末単語を覚えるテスト)・数字スパンテスト(DST：次々に提示される数字を提示順に覚えるテスト)・計算スパンテスト(CST：次々に提示される数字を足していき、その和を覚えるテスト)を用いて、英文読解力との関係を調べた。その結果、RST－読解間の相関は比較的高かったが、CST－読解間の相関はDST－読解間とほぼ同程度に弱かった。スパンテスト間の処理情報の違いに着目して考察を行った。

発表者（所属）	長沼君主（清泉女子大学）、��塚成信（岡山大学）
題目	SELHi指定校の指導実践と英語能力・モティベーションに関する中間報告
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 2 番目
発表要旨	SELHi指定校における全国の取り組み状況の中から、いくつかの協力校との共同研究を通して、その指導と成果検証のケーススタディを行う。研究協力校での具体的な研究テーマ、指導方法の事例紹介するとともに、検証ツールとしての英語習熟度テスト（GTEC for STUDENTS）の実施、および、生徒モティベーション調査や先生へのインタビュー調査等を通して、SELHi指定校における指導や活動と、生徒の英語力プロフィール（技能・意欲など）の関係を時系列で検証・報告する。

発表者（所属）	中野研一郎（京都府立桃山高校・関西大学大学院）
題目	A Proposal of Grammaring based on a Retroactive Method: The Effectiveness of Metalinguistic-Consciousness-Raising Tasks and Internalizing Practices on Accuracy and Fluency
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場４（JA 12D） - 第 6 番目
発表要旨	英語教育に関わる多くの研究・実践発表おいて、日本の教育現場の諸条件の考察・分析をベースにしているものは少ない。例えば、1クラスの学習者数が40人を上回り、また、50分1週5回の条件下で、コミュニケーション能力と大学入試問題に頻出する英文和訳の学力の同時育成などの諸制約は、通常、研究の対象としては除外される。本研究は、日本の教育現場の諸条件を考察対象の第一とし、文法と語彙指導を4技能伸長の中心に据えることで得られる、外国語学習を習得に転化させる教授法の理論と実践の実証を目的としている。

発表者（所属）	中舛俊宏（広島県立呉三津田高校）
題目	高等学校英語科評価に関する考察～ライティングにおける評価を中心に～
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 4 番目
発表要旨	新学習指導要領では、評定全体を相対評価から絶対評価に改めた。目標基準準拠評価を行い、その結果を５段階で評価することになった。その際、４つの観点「関心・意欲・態度」、「表現の能力」、「理解の能力」、「知識・理解」を十分に踏まえることになった。前回の研究では、オーラルコミュニケーションⅠの対話活動を評価したが、４つの観点を短い対話の中で評価することが難しい面があった。今回はWritingの１学期間の総合評価について発表する。教師観察、定期考査、小テスト、ノート提出、自己評価等を総合的に判断する。定期考査（８割）＋平常点（２割）の１００点満点で１０点毎に評価の段階を定めた。

発表者（所属）	中山夏恵（東京電機大学）
題目	多義語の学習における手がかりの種類の有効性
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１２（もんぜん 302） - 第 3 番目
発表要旨	本研究の目的は、日本人英語学習者が、多義語を学習する際に、その複数ある語義のうち「中核的な意味」をヒントとして与えられた場合と、「意味的な距離が近い語」をヒントとして与えられた場合とでは、どちらのほうが効果的なのかを明らかにすることである。実験では、Verspoor and Lowie (2003)が使用した多義語の語彙テストの修正版を準備し、大学生の複数クラスで実施した。与えられたヒントの種類により、「推測の正確さ」・「語義の保持」にどのような違いが生じるのかを明らかにするため、現在、実験の結果を分析中である。

発表者（所属）	夏刈佐宜（多摩大学、昭和女子大学大学院）
題目	英語授業におけるワークスタイルの好み
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 5 番目
発表要旨	本研究は学習スタイル、特に英語授業での日本人のワークスタイル（個別、ペア、グループ）の好みを調査したものである。この問題は、Reid(1987)においてSocial Learning Style Preferencesとして研究されて以来、数々の研究で�日本人は強い好みを示さない�と結論付けられてきた。しかし今回の調査では、約２６０名の大学生、高校生のデータが量的、質的に分析され、日本人学習者が好むワークスタイルが、多様であることを明らかにした。また、学習者の好みはその学習経験、学習信念、さらに短期的学習ニーズとかかわりがあることが発見された。

発表者（所属）	西尾由里（中京大学）
題目	マルチメディアの初回形成評価による学習者傾向と総合的英語力、内容要約、単語、文法タスクとの相関
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 5 番目
発表要旨	マルチメディアを大学の語学教育に積極的に取り入れるという傾向があるが、大学の授業として、学生はマルチメディアに対し、どう取り組んでいるか、また英語力との関係を調べた研究は多くは無い。本研究では、マルチメディアの英語学習を初めて行った学生の印象、満足度、使用順などの全23項目のアンケートに答えさせ、その回答と、総合的英語力、内容把握、単語、文法タスクとの相関を検証する。使用教材は、動画、音声、テキスト、語彙、文法ポイント、文化的背景などを含んだアメリカ社会をテーマにしたマルチメディア教材である。

発表者（所属）	西原貴之（広島大学）
題目	工業英検3・4級レベルの学習項目に対する学習者のニーズ分析
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場８（JA 12H） - 第 2 番目
発表要旨	工学部の学生は、一般英語に加えて、工業英語も身につける必要がある。しかし、工業英語3・4級の学習項目には、方程式の読み方といった学習者にとっての新出事項がある一方、高校で既習済みの内容（例えば比較級など）も多い。授業時間には限りがあるため、すべての項目を平等に取り扱うことは不可能である。そこで、学習者にそれぞれの学習項目を授業でどの程度扱ってほしいかということに関するアンケートを実施し、彼らのニーズを分析した。本発表では、その分析結果を報告する。

発表者（所属）	西本有逸（京都教育大学）
題目	「言語活動」の再構築
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場９（JA 12I） - 第 5 番目
発表要旨	本発表では英語科教育の温故知新として「言語活動」をとりあげる。「言語活動」は昭和２６年の学習指導要領に初出、昭和３３年の学習指導要領では姿を消し、昭和４４年の学習指導要領で再登場し、現在に至っている。「タスク」という用語に比べると地味ではあるが、日本の英語科教育では重要な概念である、と考える。本発表では、①学習指導要領における変遷を概観し、②Ａ.Ｎ.レオンチェフの活動理論とＡ.Ａ.レオンチェフの言語活動理論を参照しながら、③言語活動の新しいモデルを再構築する。

発表者（所属）	西山正秋（神戸市立工業高専）
題目	英語学習者による外来語のイメージ性評定と偶発学習
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 6 番目
発表要旨	心理学実験において単語刺激の持つ属性を変数とする場合に、通常は、これまでに得られた連想基準表などのリストが用いられる。しかし、日英二カ国語不完全バイリンガル（英語学習者）のメンタルレキシコンに関する実験研究のためには、英語の母語話者から得られた基準表をそのまま用いることはできない。本研究では、実験用材料の選定と外来語が持つ特殊性を明らかにすることを目的として、日英単語のイメージ性評定を実施した。あわせて、偶発学習手続きによる自由再生課題結果から、単語処理過程に関する考察も行った。

発表者（所属）	根岸雅史（東京外国語大学）
題目	日本における英語能力記述の枠組みの開発
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 6 番目
発表要旨	この発表では、日本における英語能力記述の枠組みの開発経緯を報告する。ここでは、基本となる尺度として、GTEC for STUDENTS（ベネッセコーポレーション）を用いる。まず、このテストが測定している能力そのものを記述し、次に、テスト・スコアとcan-do statementとの関連づけを行う。受験者が英語で何ができるかを問うことにより、そこから受験者の能力ごとのパフォーマンスを推定する。さらに、これらから作成される英語能力記述を元に、諸外国の既存の枠組みを参照しながら、日本独自の枠組みを開発する。

発表者（所属）	猫田英伸（広島大学）、猫田和明（山口大学）、三浦省五（広島大学）、小橋雅彦（岡山県立岡山城東高校）、梅地哲郎（山口県立華陵高校）、赤松猛（広島大学附属中学・高校）、幸建志（広島大学附属福山中学・高校）
題目	パフォーマンス・アセスメントに基づく「発音の質」に関する評価尺度の開発
発表日	第２日目（８月８日）
会場＆発表順	会場２（JA 12B） - 第 6 番目
発表要旨	本発表においては、実際のパフォーマンス・アセスメントの結果をデータとして用いることで、妥当性、信頼性の高い評価尺度（rating scales）の開発が可能であることを示す。この研究はある大学の英語教員養成課程において、英語の「発音」についてのより客観的な評価尺度の開発を目指して行われたものである。具体的には、被験者に課題を与えてそのパフォーマンスを録画し、これを高等学校英語教員がさまざまな記述子に基づいて評価した。そして、この実際の評価を項目応答理論によって分析し、記述子の尺度化を図った。

発表者（所属）	野村真理子（新居浜工業高専）
題目	日本人英語学習者の発表語彙の発達―スピーチ原稿の語彙分析をとおして
発表日	第１日目（８月７日）
会場＆発表順	会場１１（もんぜん 301） - 第 4 番目
発表要旨	本研究は、英語教育研究の「考古学的方法」（学習の記録を掘り起こし、英語学習過程を解明しようとする）を用い、日本人英語学習者のスピーチに関する学習記録（スピーチ原稿）を掘り起こし、語彙使用の実態を明らかにし、発表語彙の発達を探るものである。高等学校１年次から３年次にかけて同じ学習者が書いた３回分のスピーチの原稿をデータとし、分析ソフトウエアを用いて、語彙の豊かさ（語彙の多様性、語彙頻度プロフィール）及びコロケーションの使用を分析した結果に基づき、学習者の発表語彙の発達について考察を加える。

発表要旨１（あ行） // 発表要旨２（か行） // 発表要旨３（さ行～な行） // 発表要旨４（は行～わ行）