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第39回中部地区英語教育学会 静岡大会
大会プログラム


−−−◇◆◇◆◇  第1日: 6月27日(土) ◇◆◇◆◇−−−

英語教育研究法セミナー1       10:30〜11:30  (本館601)
    コーディネーター:           浦野 研 (北海学園大学)
    (1)「よい研究」の条件と種類
                  提案者:   浦野 研 (北海学園大学)

    (2)研究論文の書き方・まとめ方
                  提案者:   田中武夫 (山梨大学)

受付                   11:00

司会者・事務局打ち合わせ     11:10〜11:20 (たちばなホール)
 
司会者・発表者打ち合わせ     11:20〜11:30 (たちばなホール)

開会行事・総会            12:10〜12:50 (1号館4階たちばなホール)

自由研究発表              13:10〜15:25

    @13:10〜13:40 A13:45〜14:15 B14:20〜14:50 C14:55〜15:25

    

第1室(本館801) 司会者:岡崎浩幸(富山大学)・岩本藤男(焼津市立大井川中学校)

発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 辻 直人(静岡大学非常勤) 大学生が大学英語教育に求めているもの Japanese
A 太田 洋(駒沢女子大学)・
本田 勝久(大阪教育大学)
教員研修における小中連携−英語教員への面談調査から− Japanese
B 清水 公男(木更津工業高等専門学校) 意志決定のプロセスから見た教員養成・研修に必要とされる視点 Japanese
C 岡崎 浩幸(富山大学) 英語教師の信念と変化のプロセス  −何が英語教師を変えるのか?− Japanese

第2室(本館802) 司会者:古家貴雄(山梨大学)・杉本博昭(伊東市立富戸小学校)

発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 足立 智子(浜松市立清竜中学校) 中学2年生にとって達成感のある活動について Japanese
A 伊藤 佳貴(大同大学大同高等学校) インプロを活用した英語コミュニケーション活動の実践 Japanese
B 藤田 卓郎(福井工業高等専門学校非常勤) 準備時間が学習者の発話に及ぼす影響:習熟度の違いとタスクの違いに焦点を当てて Japanese
C 伊達 正起(福井大学) 学習者の気づきを考慮したペア・トーキング活動 Japanese
               

第3室(本館803) 司会者:佐久正秀(大阪信愛女学院短期大学)・大野千鶴(静岡大学非常勤)

発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 種村 綾子(静岡大学大学院生) Humanistic Language Teachingの遺産とその今日的意義 Japanese
A 包 成喜(名古屋外国語大学院生)・巽 徹(岐阜大学) 英語学習者のフォーカス・オン・フォームの効果に関する研究 Japanese
B 永倉 由里(常葉学園短期大学英語英文科) メタ認知ストラテジーの積極的使用を促すストラテジー・トレーニング Japanese
C 松尾 眞志(和歌山市立和歌山高等学校) 英米語彙の頻度差---COBUILDの辞書を比較して--- Japanese
             

第4室(本館805) 司会者:酒井英樹(信州大学)・亘理陽一(静岡理工科大学)

発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 関 静乃(静岡大学非常勤) An effective writing assignment―developing good communication between a teacher and students by email English
A Quinn, Kelly(名古屋工業大学) Using TOEIC Scores to Assess Program Performance English
B HOWREY, JOHN(南山大学) Building a writing community through low stakes writing English English
C Jarrell, Douglas(名古屋女子大学) The Benefits of Reading an Email Magazine English English
 
第5室(本館703)司会者:佐藤臨太郎(奈良教育大学)・大上和彦(静岡県立浜松湖南高等学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 山本 志保美(静岡県立浜松工業高校) 発信型の英語教育(TEFL) Japanese
A 石渡 雅之(桜花学園大学) Deixisを意識したスピーキング指導の可能性一考 Japanese
B 谷口 雅英(岐阜県立揖斐高校) パワーポイントを使った英語によるプレゼンテーション活動 Japanese
C 石川 有香(名古屋工業大学) スピーチ・プレゼンテーションにおける評価の問題 Japanese
第6室(本館708)司会者:横田秀樹(金沢学院大学)・ 木村 仁(三島市中郷西中学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 稲倉 佑真(福井大学教育地域科学部附属中学校非常勤) 英文読解における下線とノート・テイキングが学習者に及ぼす影響 Japanese
A 伊藤 高司(名城大学附属高等学校) 多読アプローチによるLearning Communityの形成 Japanese
B 山田 邦子(福井県立丸岡高等学校) Tips for improving students' fluency and accuracy in reading through 'Rapid Reading' English
C 恩澤 幸代(東京大学大学院生) 英文読解における著者性の探究の意義と方法 Japanese
第7室(本館601) 司会者:江利川春雄(和歌山大学)・ 小林茂樹(常葉学園大学教育学部付属橘小学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 渡部 健介(信州大学大学院生) 小学校教員の英語力と外国語活動に必要な英語力に関する自己評価 Japanese
A 安達 理恵(名古屋外国語大学非常勤) 小学校英語活動における動機づけの変化―担任による活動時間増加による変化を中心に Japanese
B 東 悦子(和歌山大学) 英文読解における著者性の探求の意義と方法 Japanese
C 本田 勝久(大阪教育大学)・山本 長紀(大阪教育大学) 小学校外国語活動を担う人材育成−教員養成課程における海外教育実習− Japanese
第8室(本館602)司会者:荒尾浩子(三重大学)・平野美津子(聖隷クリストファー大学)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 池田 周(愛知県立大学) EFL読解における論理関係の把握 ―Causal関係の向きとlinguistic markersの影響 ― Japanese
A 木村 啓子(尚美学園大学総合政策学部) 英語ディベート実施を目標とした授業を通しての英語力と学習意識の変化 Japanese
B 野呂 忠司(愛知学院大学) 読解における単語認知力の働き Japanese
C 浅野 敏朗(明治国際医療大学) 英語音読メタ認知の考察:学力下位者に焦点をあてて Japanese
第9室(本館605))司会者:川畑松晴(金沢学院大学)・植松宗一郎(富士市立大富士中学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 河田 浩一(愛知県立熱田高等学校) 学習者のやる気を高め授業を活性化する語彙指導:英語能力の低い生徒に対する取り組み Japanese
A 近藤 泰城(三重県立桑名高等学校) 高校生の語彙学習に関する考察 Japanese
B 駒井 健吾(信州大学教育学研究科大学院生) Involvement Load Hypothesisによるタスクの分類に関する質的研究 Japanese
C 青木 藤禎(米沢中央高等学校) 受容・発表的語彙指導‐単語の意味と形式の保持への効果‐ Japanese
第10室(本館408)東 正一(金沢二水高等学校)・山崎晴久(静岡県立浜松西高等学校中等部)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 宮崎 直哉(掛川市立東中学校) 学習指導要領の変遷から見る日本の英語教育の性格と新学習指導要領についての一考察 Japanese
A 藤田 賢(三重県立飯野高等学校) Successful Learnerを育てる試み〜セルハイ校におけるシラバス開発・実践と学習者支援の取り組み〜 Japanese
B 宮本由美子(長野県上田染谷高等学校) 英語学習に和訳を用いることについての信念に関する調査 Japanese
C 塩谷 三徳(沼津工業高等専門学校) Moodleを利用したweb教材の作成と効果の検証 Japanese



シンポジウム               15:35〜18:00  (1号館4階たちばなホール)
  「日本の英語教育が目指すべき『英語力』とは何か」


  司会者: 大下邦幸 (福井大学)・三浦 孝 (静岡大学)
  パネリスト:
          
犬塚章夫   (愛知県総合教育センター)     「小中で目指したい『英語力』」
          寺島隆吉   (岐阜大学教育学部)          「日本の英語教育が目指すべき『英語力』とは何か」
          三森ゆりか (つくば言語技術教育研究所)   「英語学習の基礎としてなぜ言語技術は有効か」



―――◇◆◇◆◇  第2日: 6月28日(日)  ◇◆◇◆◇―――


受付                     9:00〜        

司会者・事務局打ち合わせ      9:00〜9:10    (本館5階502)

司会者・発表者打ち合わせ      9:10〜9:20    (各発表会場)

自由研究発表              9:25〜12:15
                       @9:25〜9:55 A10:00〜10:30 B10:35〜11:05 C11:10〜11:40 D11:45〜12:15


第11室(本館908)司会者:平野絹枝(上越教育大学)・ 内田 恵(静岡大学)

発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 輿水 以久子(山梨県立白根高等学校) 日本人高校生の単語発音効率と読解力との関係について-既知単語と擬似単語ではどちらが読解力を予測するか- Japanese
A 二五 義博(広島国際大学非常勤) 理解のための教科横断的指導を導入する利点と問題点―部分英語イマージョン校での中学生を対象としてー Japanese
B 米田 佐紀子(北陸学院大学)・Gavin Lynch(北陸学院大学短期大学部)・Craig Woods(Monash University) 小学校英語導入がもたらした中高生英語力への影響と課題-―金沢市内中高生へのアンケート調査と実用英語技能検定結果に基づく研究― Japanese
C 建内 高昭(愛知教育大学) 無声リハーサルと有声リハーサルとにおける脳科学的な知見について Japanese
D 石M 博之(上越教育大学) 小学校における35時間の「英語活動」が中学2年生の聴解力に及ぼす影響 Japanese
第12室(本館801)司会者:白畑知彦(静岡大学) ・辻直人(静岡大学非常勤)      
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 中嶋 愛美(信州大学大学院生) 英語科教育で文化を学ぶ意義ー異文化間トレーニングを利用してー Japanese
A 山本 孝次(愛知県立大府東高等学校) 新学習指導要領に対応した英語授業の作り方 〜国際理解教育の参加型手法を用いて〜 Japanese
B 伊東 武彦(大妻女子大学) 現行教科書に登場する異文化間コミュニケーション・トピック Japanese
C 木村 隆(椙山女学園大学)・樋口 謙一郎(椙山女学園大学) 韓国「英語村」の現状と今後の展望 Japanese
D 室井 美稚子(清泉女学院大学)・望月 美左子(清泉女学院大学卒業生) ALTとJTEのコミュニケーションにおける誤解 Japanese
第13室(本館802)司会者:田中武夫(山梨大学)・山田 登(静岡産業大学)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 亘理 陽一(静岡理工科大学) 大学英語教育における読解スキル指導とコミュニケーション活動の実践 ―論説型の形式スキーマに焦点を当てて― Japanese
A 種村 俊介(沼津工業高等専門学校) 英語の多読が初級英語学習者の読解不安に与える影響について Japanese
B 杉田千香子(筑波大学大学院生) テキスト難易度が日本人学習者の重要度判断と要約産出に及ぼす影響 Japanese
C 寺田 義弘(茨城県立藤代紫水高等学校) 日本人高校生EFL学習者の整序問題得点と英文読解力との関係についての一考察 Japanese
D 金田 浩人(富山県立氷見高等学校) 高等学校の英語授業におけるメインアイディアを捉える指導の効果について Japanese
第14室(本館803) 司会者:奥村信彦(長野工業高等専門学校)・足立智子(浜松市立清竜中学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 杉山 剛浩(名城大学附属高等学校) 視覚に訴える英語授業を目指して Japanese
A 田中 裕実(静岡大学非常勤講師) 携帯電話を活用した英語学習を考える Japanese
B 米崎 里(帝塚山中・高等学校) フィンランドの小学校の英語教科書分析―autonomyの視点から― Japanese
C 新村 知子(石川県立大学) オンライン上の英語コミュニケーション活動から何を学んだか―日米学生の比較― Japanese
D 巽 徹(岐阜大学) 英字新聞のプレゼンテーションとTV会議を活用したインターラクションの実践と応用 Japanese

第15室(本館805) 司会者:大和隆介(京都産業大学)・山本志保美(静岡県立浜松工業高等学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 城野 博志(三重県立四日市南高等学校) 10分間多読による、高校生のリーディングに対する動機づけの高揚と流暢な読解力の育成―学習動機を高める学習者支援のあり方を求めて― Japanese
A 堀内 ちとせ(藤田学園藤田保健衛生大学医療科学部) Group Activityによる英語学習者の意識変化について Japanese
B 田中 真由美(長岡工業高等専門学校)・松井 市子(新潟県立松代高等学校) フィードバックがライティングのタスク・パフォーマンスとモチベーションに与える影響 Japanese
C 上原 義正(日本大学) スポーツ学生の英語に対する閾値の変化に関する調査 Japanese
D 吉村 紀子(静岡県立大学)・中山 峰治(オハイオ州立大学) 臨界期と化石化現象―日本語母語英語学習者からの考察 Japanese
第16室(本館602)司会者:島田勝正(桃山学院大学)・金子次好(静岡県立磐田南高等学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 梅澤 敏郎(岐阜市立女子短期大学)・牧 秀樹(岐阜大学)・後藤 健一(岐阜大学)・Jessica Dunton(メイン大学)・竹村 尚紘(岐阜大学)・吉村 純里(岐阜大学) A Preliminary Study on Word Initial Sound Identification of the Phonemes /b/, /v/, /m/, /n/, /l/, and /r/ by Japanese ESL Learners English
A 只木 徹(名城大学)・竹田 真紀子(金沢工業大学)・長尾 純(名城大学)・Minehane Greg(名城大学)・Venema James(名古屋女子大学) English Language Program at Japanese Universities: The End of the Era of Individual Performances? English
B Birch, Gregory(清泉女学院大学) Adapting Dictation for Use in Mixed-ability University Classes English
C 佐藤 臨太郎(奈良教育大学) Reconsidering the Suitability of PPP and TBL in the Japanese EFL Classroom English
D 長谷部めぐみ(岐阜大学大学院生)・笠井千勢(岐阜大学) The developmental change of cognition-the case of monolingual Japanese children English
第17室(本館605)司会者:柏木賀津子(大阪教育大学)・鈴木淑乃(静岡北高等学校)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 桑尾 めぐみ(埼玉大学大学院生) 文法用語の理解は英語力を高めるか Japanese
A 田並 正(筑波大学大学院生) 日本人英語学習者とformulaic sequencesの関係について Japanese
B 日吉 信秀(大井町立湘光中学校) 日本人英語学習者の単語認識処理における誤りの分析 Japanese
C 酒井 英樹(信州大学) 形式と意味への注意配分が第2言語のリスニング理解に及ぼす影響 Japanese
D 石川 慎一郎(神戸大学) 日本人英語学習者のly副詞使用 Japanese
第18室(本館703) 司会者:伊達正起(福井大学)・ 深澤 清(明星大学)
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 品原 健征(名古屋市立大学大学院生) 海外研修の実践報告ーライティング指導ー Japanese
A 吉川 実樹(愛知県立昭和高等学校) The Effectiveness of Process Teaching in Writing Lessons English English
B 杉田 由仁(山梨県立大学) コミュニケーションを志向した教材がライティングの不安感に及ぼす効果 Japanese
C 東郷 多津(京都ノートルダム女子大学)・田中 美和子(京都ノートルダム女子大学非常勤)・Jane Singer(立命館大学) 学習者がWritingの授業でパラグラフを構成するスキルと文法力とを自律的に高めるための教材開発に関する研究 Japanese
第19室(本館708) 司会者:亀山太一(岐阜工業高等専門学校)・中山兼芳(小学校英語指導者認定協議会) 
発表者氏名(所属) 発表題目 発表言語
@ 青柳 燈(大妻女子大学大学院生) 日本とフィンランドの小学校英語教科書におけるファンクション比較分析 Japanese
A 東川 直樹(大阪市立中央高等学校) トランスナショナルな視点で捉えたOC教科書の現状と課題 Japanese
B 占部 昌蔵(長岡工業高等専門学校) ALT活用試案 -ALTへの質問紙調査の結果から- Japanese
C 千田 誠二(和光大学) 中国人留学生初級英語クラスにおける質的リサーチ Japanese


ポスターセッション (本館326)
プレゼンテーションは28日10:30〜13:00
ポスター掲示期間は27日13:10〜28日15:15

@ 戦前の英語教員養成史の研究(I) プレゼンテーションは10:30〜11:00              (本館326)
  −英語教員の免許要件と要請機関の種類についてー
  発表者: 古家貴雄 (山梨大学)

A 『英語ノート』を踏まえた多様な小学校外国語活動 プレゼンテーションは11:10〜13:00    (本館326)
  発表者: 高橋美由紀(愛知教育大学)・柳 善和(名古屋学院大学)・清水万里子(愛知淑徳大学)・
        米田尚美(岐阜聖徳学園大学)・柴田里美(常葉学園大学)
  

英語教育研究法セミナーU  12:20〜13:10 (昼食と共にお聞きください)
    
    コーディネーター: 浦野 研(北海学園大学)
    セミナー2A:  英語教育の実験研究とエクセルを使った統計処理  提案者:酒井英樹(信州大学)       (本館703)

    セミナー2B:  英語教育の質的研究デザインの方法          提案者:高木亜希子(大阪教育大学)  (本館708)

課題別研究プロジェクト発表  13:15〜15:15

@リーディング指導における生徒の読みを深める発問づくり     (本館601)
    司会者: 田中武夫  (山梨大学)
    提案者: 東 正一  (石川県立金沢二水高等学校)
          伊佐治恒久 (岐阜県立多治見高等学校)
          奥村信彦  (長野工業高等専門学校)
          紺渡弘幸  (仁愛大学)
          島田勝正  (桃山学院大学)
          田中武夫  (山梨大学)
          森 暢子   (愛知工業大学非常勤)


A 第二言語習得研究の成果とその英語教育への応用        (本館602)
     司会者: 横田 秀樹 (金沢学院大学)
     提案者: 浦野 研   (北海学園大学)
           大場 浩正 (上越教育大学)
           サルバション 有紀 (名古屋女子大学中学校)
           上原 義正 (日本大学)


B 基礎的語彙知識の拡張と深化に関する実証的研究        (本館605)
     司会者: 杉野直樹  (立命館大学)
     提案者: 亀山太一  (岐阜工業高等専門学校)
           青谷法子  (東海学園大学)
           杉野直樹  (立命館大学)
  
問題別討論会         13:15〜15:15

@ 第1会場: 「外国語活動」を中学校英語とどう区別し、関連づけるか (本館414)
     司会者: 渡邉時夫  (清泉女学院大学)
     提案者: 幸田明子  (常葉学園大学)
           唐崎珠実  (福井市立大安寺中学校)
           中村典生  (岐阜市立女子短期大学)

A 第2会場: 生徒の英語学習成否の鍵をにぎる文法事項3つとは何か (本館408)
     司会者: 酒井英樹 (信州大学)
     提案者: 岩本藤男 (焼津市立大井川中学校)
           佐藤正俊 (山梨県立市川高等学校) 
           飯野 厚 (法政大学)  

B 第3会場: How to design integrated activities that incorporate the four language skills  (本館418)
     司会者: 岡崎浩幸 (富山大学)
     提案者: 藤沢 英  (静岡市立西奈中学校)
           前田昌寛 (金沢桜丘高等学校)
           庄司博宣  (富山国際大学付属高等学校)

閉会行事 15:20〜15:30 (1号館4階たちばなホール)




発表要旨


第1日(6月27日Saturday)



英語教育法セミナーT  27日(土)10:30-11:30(601室)

(1).「よい研究」の条件と種類
浦野 研(北海学園大学)

 英語教育に関わる研究を行うとき、まずはその研究を何のために行うのかを明確にする必要がある。その上
で、その目的を達成するために適切な研究課題を設定し、さらにその課題に対して適切な研究手法を選択、決
定することが重要である。
 本発表では、特に実証研究(何らかのデータ・情報を集めることによって研究課題に対して答えを導き出す
研究)を中心に取り上げ、英語教育研究の文脈における「よい研究」の条件について具体例を交えながら提案
する。同時に、研究の種類として考えられる主な手法を紹介し、研究立案の段階で研究課題にふさわしい研究
手法の選び方についても議論したい。



(2).研究論文の書き方・まとめ方
田中 武夫(山梨大学)

 どのような研究であれ、最終的には研究論文の形にまとめることになる。この論文作成は、研究プロセスの
最終段階とも言え、内容が優れた研究であっても最終段階の論文作成がまずければ良い研究にはならない。本
発表では、英語教育に関する研究論文をどのようにまとめればよいのか、どのように研究論文を書くべきなの
か基本的な事柄についてポイントを提示する。
 具体的には、(1) 研究論文によくあるケースにはどのようなものがあるのか、(2) 良い研究論文の規準とは
どのようなものか、(3) 良い研究論文の構成とはどのようなものか、(4) 読者にとって読みやすい論文をどの
ようにして書けばよいのか、について、これまでの個人の経験や大学院等での指導経験をもとに、自分の反省
をも含めて提示することにする。

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自由研究発表



第1室(801教室)

@大学生が大学英語教育に求めているもの
                                   辻 直人(静岡大学非常勤)


 大学の英語教育では、それぞれの教員により、さまざまな指導が行われているが、実際に学生側は、大学の
一般教養英語に何を求めているのだろうか。2大学の学生を対象に調査を行い、文法、語彙、TOEIC等の指
導についてそれぞれ回答を得た。その結果を比較しながら、教員側が、大学英語を指導するうえで、どのよう
な点に留意していくべきなのかについて、考察していく。


A教員研修における小中連携-英語教員への面談調査から-

                                   太田 洋(駒沢女子大学)本田勝久(大阪教育大学)
 文部科学省は、平成20年2月15日に『小学校学習指導要領』及び『中学校学習指導要領』の改定案を公表
した。新しい学習指導要領における主な改善事項の一つとして、小学校高学年に外国語活動が導入されること
になる。平成21年度からの移行措置を踏まえ、平成23年4月1日からの小学校学習指導要領施行に向けて、
小学校で外国語活動を担当する教員の研修は急務の課題である。また、平成14年5月の「教育職員免許法」
の改正により、中学校・高等学校の英語教員が小学校の英語活動で英語を指導することができるようになった。
Benesse® (2007) によると、小学校の英語活動に関わっている人材のうち中学校や高校の教員が占める割
合はわずか2.3%であり、小学校での英語活動実施率から考えると、ほとんどの公立中学校英語教員は小学校
で英語活動を経験してきた生徒を受け持っているにもかかわらず、英語活動の実態を知る教員は3%にも満た
ないことになる。このような状況において、英語活動に関する中学校英語教員の意識改革と啓蒙活動の必要性
が高まっていることは明らかであり、近年汎用性の高い教員研修プログラムの開発が進められている。そこで
本研究では、中学校英語教員が英語活動に関してどのような(または、どの程度の)知識を持ち、英語の授業
にどのような影響があると考えているかを明らかにするため、面談調査を実施した。面談調査には「小学校に
おける英語活動」「小学校で英語活動を経験した生徒」「小学校の英語活動と中学校の英語授業の連携」という
3領域が含まれ、英語活動の実施率や実施内容がほぼ同程度の東京都A市ならびに大阪府B市に所属する中学
校教員およそ10名を抽出し、半構造化面接を行った。面談調査によって得られたデータは、Content Analysis
を用いて解析した。本発表では、小学校での外国語活動の必修化を目前にしての中学校教員の意識を検証し、
その結果から小中連携を目指した教員研修プログラムの策定を試みる。

B意志決定のプロセスから見た教員養成・研修に必要とされる視点
                             清水 公男(木更津工業高等専門学校)


 学習者の多様化に伴い、型にはまった教員実習や教員研修が機能しなくなっている現実がある。本発表では
教育実習生・新任教員・ベテラン教員の意識の中で「何が起こっているのか」、「何に困っているのか」、「何を
求めているのか」などを調べた基礎調査のデータをもとに、教師の意志決定のプロセスにフォーカスしながら、
教師を成長させる判断・経験・知識の基盤になる構成要素を解明し、これからの教員養成や教員研修に必要な
視点を考察する。教師の意志決定とは授業実践において常にその核となる認知のプロセスであり、授業に関す
る知識・技能などとともに授業活動を構成する重要な構成要素(能力)でもある。それは授業の個々の場面に
おいて、授業に関するそれぞれの情報を認知し、それに基づいて多くの選択肢の中から的確な選択肢を選び、
実践を進めていく(=授業を進めていく)根拠や理由を説明できる能力である。英語教師を目指す学生、これ
から成長していく教員をとってどのような方向に導くかを研究することは教員養成・教員研修にとって大きな
課題の一つと考える。

C英語教師の信念と変化のプロセス  -何が英語教師を変えるのか?-
                                    岡崎 浩幸(富山大学)


 言語教師認知の分野が近年注目を集めてきているが、日本の英語教師に関する認知研究はまだ少ない(笹島
&ボーグ、2009)。これまで多くの現職英語教員研修が実施されてきたが、英語教師が何を信じ、どのように
指導しているか、どのように成長変化するのかについての研究が十分になされないまま実施されてきたために、
教師のニーズを満たし、教師の変化や意欲、授業改善に結びつく研修であったとは言い難い状況にあると思わ
れる。本研究は、中学英語教師が何を信じ、何をきっかけに成長・変化し、何を悩んでいるのかを明らかにす
ることを目的とする。質問紙はRichards Gallo and Renandya (2001)で使用された自由記述質問紙を参考にし
て作成した。T市に勤務する72名の中学英語教員に対して、1.教え方について何を信じ(belief)、2.ど
のように変化・成長してきたか(change)、3.何をもとに変化したのか(source of change)、4.英語教師
としての悩み(teacher’s concern)について質問し、選択(3のみ)および自由記述で回答を得た。各回答
をもとにカテゴリーに分類した。その結果、教え方についての信念として「動機づけの重要性」「基礎基本定着
のための練習」「コミュニケーションの場設定」「学習者中心」などのカテゴリーが抽出された。教え方の変化
については、「生徒中心の指導」「指導法に関する基本的考え方」「活動」「長期的な目標設定」などのカテゴリ
ーに分類された。変化の源は、「生徒からの反応」「試行錯誤」「自主的な研修への参加」「先輩教師からの助言」
「同僚教師との協働」「変化の火をつけてくれた人との出会い」などのカテゴリーを得た。英語教師としての悩
みは、「指導法に関する自信のなさ」「多様な生徒への対応(意欲・学力格差)」「教材研究の時間不足」などが
抽出された。詳細な考察は発表当日に行う。
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第2室(802教室)

@中学2年生にとって達成感のある活動について
                                足立 智子(浜松市立清竜中学校)


 中学校の英語教科書をもとにした指導計画では、プログラムの最初に、意味内容に焦点があてられ与えられ
た英文の一部を換えれば表現できる活動を設定し、プログラムのまとめとして、言語形式にも意識を向けさせ
る活動を設定することで、生徒に達成感をもたせることができると考えた。学期毎に実施した校内の学習意識
調査の結果を踏まえ、昨年度の実践を紹介したい。


Aインプロを活用した英語コミュニケーション活動の実践
                               伊藤 佳貴(大同大学大同高等学校)


 インプロとはimprovisationの略で、日本語では「即興」といわれる。これは、演劇界におけるトレーニン
グ方法の一つであり、俳優の表現力や創造力を高めるための一手段として用いられる。また、インプロは「チ
ームワークの養成」という観点からも有用であるとされ、最近では、社員教育や学校教育の場でも注目されて
いる。発表者は、このように表現力やチームワークを豊かにするために行われるこの演劇的手法が、英語の授
業における学習活動においても、豊かな英語表現力やコミュニケーション能力を養うのに、十分にその効果を
発揮してくれるものと期待し、この手法を活用した英語コミュニケーション活動の実践を行っている。本発表
はその実践報告である。
 発表では、まず、インプロのルールやねらい、インプロゲームの内容について解説をする。次に、実際にイ
ンプロを活用した英語コミュニケーション活動の報告をする。そして、実践を通して得られたインプロの学習
効果や指導上の留意点などについて考察し、英語コミュニケーション活動におけるインプロの役割について検
討する。また、時間が許されれば、発表者がインプロと合わせて活動に取り入れているその他の演劇的手法、
「サブテキストの活用」や「スタニスラフスキーシステム」などについても紹介し、これらの手法の統合的活
用による発展的な英語コミュニケーション活動の可能性についても言及したい。


B準備時間が学習者の発話に及ぼす影響:習熟度の違いとタスクの違いに焦点を当てて
                              藤田 卓郎(福井工業専門学校非常勤)


 本研究では、スピーキング活動における2種類の準備時間(プリタスク・プランニングとオンライン・プラ
ンニング)が学習者の発話に及ぼす影響を、学習者の習熟度の違いと、タスク自由度の違いの観点から分析す
る。工業高等専門学校の1年生を対象とし、物語タスクと、あるトピックについて自由に話すタスクを4つの
異なる条件(プランニングなし、プリタスク・プランニングのみ使用、オンライン・プランニングのみ使用、
2種類のプランニングを使用)で行なった。学習者の発話は生産性、流暢さ、統語的複雑さ、語彙的複雑さ、
正確さの観点から分析された。この実験の結果をもとに、異なった準備時間がどのように学習者の発話に影響
を与えるか、タスクの違いによる準備時間の影響の違い、そして、学習者の習熟度による準備時間の影響の違
いについて述べる。


C学習者の気づきを考慮したペア・トーキング活動
                                    伊達 正起(福井大学)


 本発表では、次の2点に焦点をあてる:(1)どのようにして学習者自身に自分が知らない形式に気づかせる
のか。(2)気づいた形式に対して、学習者にどのように対処させるのか。
 まず、気づきに関する先行研究において主張されている点をあげる。そして、そうした主張を組み入れたペ
ア・トーキング活動の内容と工夫とはどのようなものになるのか、実際に学習者が活動している映像を使いな
がら提案する。具体的には、1つのトピック(food等)について行うペア・トーキング中とトーキング後にお
けるノートの使用方法等を紹介しながら、ただ学習者にアウトプットさせるだけではなく、学習者の気づきを
考慮した活動とはどのようなものであるのかについて報告する。
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第3室(803教室

@Humanistic Language Teachingの遺産とその今日的意義
                                 種村 綾子(静岡大学大学院生)


 20世紀後半に言語教育で話題にされたHumanistic Language Teaching(HLT)というアプローチがある。代
表的な提唱者は、Gattegno(1968)やCurran(1976)、Moskowitz(1978)、縫部(1985)、 Stevick(1990)らで、学
習者を単に認知的存在としてとらえるのではなく、身体的・情意的・社会的存在として全人的にとらえようと
するアプローチである。
 しかし、21世紀に入り、HLTという用語は学会や実践発表の場では殆ど聞かれなくなり、Language Teaching
Methodology(LTM)のテキストで目にするのみとなった。HLTはその後のLTMの進歩過程で、motivationや
learner types、learning strategyなどのLearner VariablesやAutonomous Learningの研究に発展解消され
たという説がある。しかし、HLTの全ての要素がLearner VariablesやAutonomous Learning研究へと受け
継がれたのだろうか。HLTの大切な部分が積み残されているのではないか。
 その大切な部分とは、学習者を単に英語を教える対象としてではなく、身体・感覚・情意・認知を備えた全
人的存在として見るという立場だと考えられる。この立場は、Carl Rogersの言うWhole Personという用語
を借りれば、Whole Person Oriented Approachesと呼ぶことができよう。「英語は道具である」という道具論
が広まる中でWhole Personの視点はますます存在意義を増している。
 本発表では、過去に提唱されたHLTの概要と定義、これまでにHLTに対して出された疑問や批判、HLT
の全盛期以後の展開をまとめ、HLTが変遷する中で積み残された Whole Personへの関心を見直したい。


A英語学習者のフォーカス・オン・フォームの効果に関する研究
                                  包 成喜(名古屋外国語大学大学院生)巽 徹(岐阜大学)

 
 本研究発表ではアウトプット活動を重視した「Group Work Reporting(以外GWRと呼ぶ)」と呼ばれる教
室指導方法が日本人英語学習者のライティング能力にどのような効果を及ぼすのかを調査した。GWRは学習
者が「聞いた内容を話して伝える」「聞いた内容を書いてまとめる」「読んだ内容を書いてまとめる」学習活動
であるがその活動を通して学習者が自分の第二言語能力の「穴」に気づいたり目標言語と中間言語のギャップ
に気づくことによって言語習得を促進させるのかまた気づきによりどのような言語処理を行っているかを明ら
かにした。
 具体的には,GWRによる指導方法で学習者がどのような言語形式に注意を向け,気づいた自らの誤りに対
しどのような言語処理を行っているかまたその言語形式がどの程度学習者に取り込まれ定着するのかを明らか
にした。


Bメタ認知ストラテジーの積極的使用を促すストラテジー・トレーニング
                                  永倉 由里(常葉学園大学短期大学英語英文科)


 本発表は、これまでの実践結果を踏まえ、学習方略の中でも、特に「メタ認知ストラテジー」の積極的使用を促すストラテジー・トレ
ーニングを提案するものである。
 第二言語習得研究の成果を日本の英語教育にどのように応用できるのかを探究する研究が盛んになる中、筆者は、モデルとするChamot
et al.(1999)が行った実証的学習ストラテジー研究に、日本人学習者の特性に配慮して、村野井(2006)のPCPP指導などを取り入れたスト
ラテジー・トレーニング(永倉2006 2007 2008)を実践してきた。そして、主に質問紙による調査から「自身の学習者要因および学習
プロセスを意識するようになり、各種のストラテジー使用に慣れては来ているものの、動機を維持し学習の自己管理能力を向上させるには
至っていないと感じている者が多い」という検証結果を得ている(永倉2008)。
 実際、限られた期間に教師主導の形で行われたトレーニングであるため、その後の学習状況は、学習者の以前からの学習習慣や情意にゆ
だねられ、教師としての限界を感じるのも事実である。しかし、それと同時に「メタ認知ストラテジーの使用能力」すなわち「学習に関わ
る様々な要因を常に意識し、自己管理し、自らを学習に向かわせる能力」の育成に着目したトレーニングを立案・実行してみようと考えた。
 幸い、第二言語習得研究の他に、心理学分野の知見を積極的に取り入れることや、今まで以上に細密な動機づけに関するアンケートを実
施・分析することにより、これまでのトレーニングに改正を加えることができた。これらを対象である短大生と共有することにより、メタ
認知ストラテジーの重要性を確認し合いながら、現在、実践中の「メタ認知ストラテジーの使用を促す改正版ストラテジー・トレーニング」
のシラバス・デザインを紹介する。


C英米語彙の頻度差---COBUILDの辞書を比較して---
                                      松尾 眞治(和歌山市立和歌山高等学校)

 コーパスを利用した辞書が作られるようになり、その頻度表示から、学習者は重要な語彙を特定しやすくなった。しかし、その頻度の実
態はどうなっているのだろうか。イギリスとアメリカの英語では語彙の頻度がどれくらい違うのだろうか。このような疑問から2006年、
イギリス英語系のLongman Dictionary of Contemporary English 3・4版とアメリカ英語系のLongman Advanced American Dictionary
の高頻度語彙を比較して実態を明らかにした。頻度の高い語彙の方が重複する割合が高く、書き言葉の方が話し言葉より重複する語彙が多
い。語彙の頻度差は、イギリスにおける8年の経年変化よりもアメリカ英語との差の方が大きいことが明らかになった。今回、イギリス英
語系のCollins COBUILD Advanced Dictionary(2008)を中心に、アメリカ英語系のCollins COBUILD Advanced Dictionary of American
English (2007)の高頻度語彙を比較した。頻度表示に定評のあるCOUBILDの辞書では、どのような差があるのだろうか。この語彙と頻
度の違いを知っていれば、教師としてきっと明日の授業に生かせるはずだ、と思いながら調べた結果を報告する。


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第4室(805教室)

@An effective writing assignment-developing good communication between a teacher and students by email
                                   関 静乃(静岡大学非常勤)


The presenter will introduce a writing assignment which was given to the students in the content-based
English classes at a university. The purpose of the writing assignment was to encourage students to
realize their strengths and be more aware of their career and to give meaningful feedback to each student
from the teacher. In the assignment, the students imagined that they would use the writing assignment
for their job hunting. Students wrote about their strengths from several perspectives such as their major,
academic interest, club activity, personality, experiences, skills, part-time job, future goal and so on. They
submitted their writing by email to the teacher and the teacher (the presenter) replied to each student
giving comments on his or her writing by email. As a result of a questionnaire about the writing
assignment, 93% of the students thought that the assignment was useful for improving their writing skills
and most of them had positive opinions about having the opportunity to express their ideas in writing
individually. The presenter will discuss the merits and demerits of the assignment, and suggest that
teachers help students relate the content of the class to their life and provide feedback to each student.

AUsing TOEIC Scores to Assess Program Performance
                                 Quinn, Kelly(名古屋工業大学)


That the Educational Testing Service (ETS) in the USA created the TOEIC test at the request from the
Japan Federation of Economic Organizations and the Ministry of Economy, Trade and Industry is well
known. What is less well known is that one of the original goals of the test and the most common use of the
test today have diverged. The most common use of TOEIC scores today is to gauge individual language
ability. However, one of the uses for the test when it was first designed was to determine the effectiveness
of the curriculum and program where students were studying. The amount of study time required to
improve in an effective program was estimated by ETS. By testing students at the beginning of a
program and at the end of the program and then taking the number of hours students study in the course,
coordinators could compare student improvement to the ETS estimates and evaluate the effectiveness of
their program. This presentation will explain the background of the ETS estimates of study and then
offer a case study of a Japanese university where the TOEIC has been used. The presenter will explain
the curriculum, the number of hours of study in the program, the students' levels and then explain how
TOEIC data could be useful in evaluating the effectiveness of the curriculum for each level of student.


BBuilding a writing community through low stakes writing
                                   Howrey, John(南山大学)


Students often struggle in writing classes because they do not get to write about topics they care about
and feel pressure to write correct English sentences. However by having students do low stakes writing
assignments ungraded free writing students can express themselves more freely and develop a positive
attitude toward writing. The presenter will explain the benefits of free writing in class and guidelines for
both students and teachers. The presenter will also explain how the use of free writing can create a more
positive and open writing community within the classroom.


CThe Benefits of Reading an Email Magazine
                              Jarrell, Douglas(名古屋女子大学)


Extensive reading (ER) has been claimed to improve learners’ language use, language knowledge and
writing as well as having a positive effect on learners’ attitude towards language learning (Nation 1997).
In the presenter’s teaching situation students are taught in one class using an ER approach with graded
readers while they are expected to read a daily English email magazine for another class. The email
magazine is written by the presenter to provide his learners with easily accessible regular comprehensible
input similar to that recommended by ER practitioners. An anonymous survey has been prepared to
investigate student views on reading an email magazine on a cell phone and their views on reading graded
readers. The presenter does not claim that one way of reading is better than the other but simply that
readers will show a preference for one style of reading over another.
The presenter hypothesizes that the email magazine will be favored for the following reasons: (1) it can be
read anytime anywhere on a cell phone (2) the email magazine is limited to approximately 80 words and
therefore can be read in a few minutes (3) the content is tailored to Japanese learners (4) the vocabulary
and grammar are adjusted to the level of the students (5) difficult nouns are glossed in Japanese (5) the
magazine is sent out on a daily basis and finally (6) students are comfortable reading on a cell phone, one of
the most common forms of reading among young adult learners in Japan. An analysis of the survey
results will help to determine the benefits of reading an email magazine.


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第5室(703教室)

@発信型の英語教育(TEFL)
                           山本 志保美(静岡県立浜松工業高等学校


 TEFLとして英語を教育をしている日本では、良い意味でもかんばしくない意味でも、依然として進学校で
は大学入試合格を最大の目的としており、専門高校では英語学習の動機付けが難しいというのが現状であろう。
様々な校種の六つの高校で教鞭を取ってきた体験に基き、幅広い英語力の生徒と関わってきた実践と考察を発
表したい。TBLの引き出しを多数用意して、日々同僚・ALT・担任と情報交換をして連携を深めて教科指導に
生かすのが肝要であろう。現在は専門高校の特性を生かし学校生活・学校行事・Summer Seminar・台湾姉妹
校友好技術交流等で、擬似'Real World'を創り出す工夫・企画をしている。生徒のAffective Filterを低くし、
Pair Work・Group Workを効果的に活用し粘り強く関わり、生徒がSelf-esteemを持ち、Autonomous Learner
として一歩踏み出した時、Moderatorとしての喜びを感じる。英語教育も生徒と「共感」分かち合う「共育」
であり、Eclecticなものである。Communicative Competenceを養いながら、進学にも対応できる英語力を
つけさせ、'How to say'だけでなく、'What to say'の力を持つ若者を育てる一翼を担うことが、昨今の閉塞感の
ある社会状況と、懸念されている景況感を打開する最善の戦略だと思われる。


ADeixisを意識したスピーキング指導の可能性一考
                                 石渡 雅之(桜花学園大学)

 本発表においては、まず"Deixis"をPerson deixis / Spatial deixis / Temporal deixisの3つのカテゴリー
に分けて述べていく。そして、Deixisの観点から中学校教科書に登場する単語や表現例をいくつか分析し、そ
れらが教科書の例以外に実際のコミュニケーション場面においてはどのような使われ方がなされるのかという
点に焦点を当てて解説していく。更には、Deixisの観点から考察できる文法教育のあり方についても一部触れ
ることにする。言葉が持つ本来の意味や、コミュニケーション場面における言葉の実際の機能を考えることで、
実際のコミュニケーション場面に広く通用するスピーキングの指導のあり方の可能性を探ることを目標とした
い。


Bパワーポイントを使った英語によるプレゼンテーション活動
                              谷口 雅英(岐阜県立揖斐高等学校)


 パワーポイントを使った英語によるプレゼンテーション活動の実践報告および考察を行う。実践した教科は
オーラルコミュニケーションI 、対象生徒は1年生全員、実践期間は学年末2月の最後の数時間である。


Cスピーチ・プレゼンテーションにおける評価の問題
                                  石川 有香(名古屋工業大学)


 工学系の大学では、グローバル化社会の中で研究成果を速やかに発信してゆく必要に迫られており、特に、
プレゼンテーション技術の習得への関心が高まっている。これまで、論文作成に比べて関心の低かった口頭発
表についても、さまざまな形での指導が取り入れられてきている。スピーチ・プレゼンテーションに特化した
教材も出版が相次いでいる。しかし、スピーチ・プレゼンテーション能力とはいったいどういったものなのだ
ろうか。プレゼンテーションの評価はどのように行うべきなのだろうか。本発表では、スピーチ・プレゼンテ
ーションにおいて、どのような観点から評価がなされているのかを調査し、プレゼンテーションにおける評価
の問題を取り上げてみたい。
 プレゼンテーションでは、発音やイントネーション、語彙力、文法力など、英語の言語運用能力だけではな
く、声の大きさや話す速度、態度やジェスチャー、さらには、使用するスライドなどの視覚的効果や、伝える
内容そのものの話題性も評価に影響を与える要因となりうる。どういった要因が、プレゼンテーション全体の
評価に最も関わってくるのかを明らかにし、プレゼンテーション能力とは何か、英語授業においては、何を、
どのように指導してゆくべきなのか考察してゆく。


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第6室(708教室)


@英文読解における下線とノート・テイキングが学習者に及ぼす影響
                                 稲倉 佑真(福井大学教育地域科学部附属中学校非常勤)


 本研究の目的は、英文読解において下線とノート・テイキングが理解と記憶保持に及ぼす影響を質的・量的
に調査したものである。工業高等専門学校1年生120名を対象とし、下線群には指示した箇所に下線を引か
せ、ノート・テイキング群には指示した箇所に書き込みを行わせ、統制群には何も行わせずに英文を読ませた
後、理解力テストとリコールテストを行った。この実験の結果をもとに、英文読解における下線とノート・テ
イキングの影響を理解度、想起率の観点から量的・質的に分析する。


A多読アプローチによるLearning Communityの形成
                               伊藤 高司(名城大学附属高等学校)


 本年度より多読プログラムを立ち上げて授業を展開している。多読プログラムの導入によってReading
Communityの形成は大いに期待したところであるが、そこから更に発展してLearning Communityへと発展
しようとしている。多読アプローチのメリットは幾つかあるが、開始から僅か数ヶ月といえども、そこから派
生したメリットは計り知れないものがある。本実践報告では、読書傾向の似た者同士が単に本の情報を交換し
合うReading Communityから英語をはじめとした学習全般へのLearning Communityへと発展しつつある
実際の例をいくつか紹介したい。また、多読プログラムの一つの活動としてBook Talkを既に行った。クラス
だけでなく、学年の枠組みを超えたこの実践報告をし、今後の展望などをも示してみたい。


BTips for improving students'reading fluency and accuracy in reading Through "Rapid Reading"
                             山田 邦子(福井県立丸岡高等学校)


In order to cultivate students' reading ability, rapid reading is one of the best ways continuous and sustainable in every English
reading class. In such a non-academic class as the basic reading class for the 12th graders where some students are not motivated to
learn English, concentrating on reading is pretty demanding. So last year I developed rapid reading materials from "Alice's
Adventures in Wonderland" for them, letting them read the summary passages from the text and answer five True or False questions
written in English for the first 10 minutes in order to improve their reading skill. I measured their reading speeds as fluency: how
many words they can read in a minutes; and figured out their correctness as accuracy: what ratio they can answer correctly. Then I
calculate WPM by multiplying speed by correct ratio. Comparing WPM in the first quiz with that in the last quiz, the growth of
accuracy and fluency will be measured. Furthermore, comparison of WPM of the upper 15 % of the class with the lower 15 % would
tell us how effectively the materials worked. This kind of reading habit formation will lead students to cultivate students with
English abilities.


C英文読解における著者性の探究の意義と方法
                                恩澤 幸代(東京大学大学院生)


 本研究は、読解を「社会的文脈の中で進行する言語活動」として捉える社会言語学的な見地から、高等学校の英語の授業において著者
性(authorship)を探究する意義と方法を検討したものである。著者性とは「認識し表現する個人の個性的なオリジナリティ(佐藤)」と定義
される。テキストの筆者と読者である生徒の著者性を探究する授業の意義を、外国語教育におけるクリティカル・リーディングの研究者で
あるキャサリン・ウォレスと、Questioning the authorを考案したイザベル・ベックらの実践研究を通じて検討した。
 その結果、1)英語教育において、情報の積極的な消費者となる読み方を訓練することができ、2)生徒が思考力を働かせる授業が期待
でき、3)異文化能力を育成する機会を提供することができるということを指摘した。また実際に教師が著者性の探究を目指して行った授
業の談話分析を行うことにより、その効果に対しての考察を行った。
 その結果、1)教師が、客観的に書かれているように見える文章であっても筆者の意見が含まれているということを生徒に伝え、その点
を生徒に考えさせる様子、2)言葉の選択により、筆者は自分の伝えたいイメージを運ぶということを生徒が考える様子、3)筆者の意図
は和訳するだけでは十分に理解できないものであり、読んだ内容について考察する必要があるが、実際に生徒がその作業を行う様子、4)
生徒が文章の前後の情報を統合して自分の言葉で回答する様子が観察された。
 残された課題としては、1)文化を扱った題材を使用することができなかったため、著者性を探究することの意義の3番目の点につい
ての実践ができなかったこと、2)様々な教師と様々な内容のテキストを扱った実践を検討することにより、著者性の探究に関する研究の
量的拡大と質的向上が必要であること、3)著者性の探究を糸口にして、より広義なクリティカル・リーディングの指導の意義と方法を検
討することを挙げた。

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第7室(601教室)

@小学校教員の英語力と外国語活動に必要な英語力に関する自己評価
                                 渡部 健介(信州大学大学院生)


本研究では、教師が現在持っていると考えている英語力と、教師が外国語活動を行うにあたって必要だと思う英語力が、小学校での外国
語活動の経験の有無によって、どのように異なるのか、について教師の自己評価に基づいて明らかにしようとするものである。2008年、
学習指導要領が改訂されたことにより、2011年から公立小学校での外国語活動が必修化されることになり、すべての教師に外国語活動を
担当する機会が与えられた。 Lee(2002)で明らかにされているように、教師の英語力は実際に授業への影響力を持つ。このことから教師
の英語力を明らかにすることは必要である。小学校英語を担当する教師の英語力を調べた研究に、バトラー(2004)がある。バトラーは英語
活動を行っていた小学校の教員を対象に、教師の英語力と、外国語活動に必要な英語力について調査を行った。調査にはForeign Language
Oral Skills Evaluation Measures (FLOSEM)を改変した自己評価表を用い、英語力を「リスニング」「流暢さ」「口語語彙」「発音」「口語
文法」「リーディング」「ライティング」のカテゴリーに分けて調査した。その結果、日本の教師は、同様の自己評価を行った韓国、台湾の
教師より英語力が低く、また、ばらつきが大かった。また、新谷・松川(2006)では、英語活動・外国語活動を行った経験のある教師はより
高い英語力を求める傾向にあることを示唆している。 そこで、本研究では、バトラー(2004)にならってFLOSEMに基づく自己評価表を
用い、外国語活動を経験したことのある教師と、経験したことのない教師に対して調査を行った。調査協力者は4つの小学校の63人の現
職教員である。参加者の英語活動の経験として「外国語活動を行っているか」、「行っている場合はどのぐらいの頻度で行っているか」を記
入してもらった。英語活動を実施している教員は33人、実施していない教師は30人だった。当日はその分析結果を発表する。


A小学校英語活動における動機づけの変化-担任による活動時間増加による変化を中心に
                             安達 理恵(名古屋外国語大学非常勤)


 2011年度の小学校外国語活動の本格始動に先立ち文部科学省は「英語ノート」を作成し、2009年度初めには希望する全小学校に先行配
布された。英語活動の指導経験も少なく、一般教科では教科書を主体とする指導に慣れている現場の大半の教師にとっては、ノートは必要
不可欠なものとなるだろう。ノートは教科書ではないが、文科省からのお墨付きがあり、指導書やCD添付のノートは、ほとんどの学校で
使用することになると考えられる。筆者は、ALT主導を中心とする英語活動から先行して担任主導による英語活動を取り入れた愛知県内
の1小学校で子どもの英語学習、英語および社会・文化に関する意識態度について質問紙による調査を行った。調査は、ALT主導の英
語活動のみの2008年3月時点と、担任による英語活動も導入1年後の2009年2月末に実施した。発表ではこのような活動時間が増加し
つつある過渡期において、子ども達の英語や異文化に対する意識、学習に対する動機づけはどのように変化するかを中心に分析した結果に
ついて、報告する。大まかな結果としては、変化が見られない項目が多かったが、「学習楽しさ」は有意に増加し、「英語自信」や「ALT
英語理解」もやや増加した。一方「日本重要」、「未知警戒」は減少傾向であった。「学習楽しさ」が増加したことで、概ね対象校の生徒は
英語活動時間増加を肯定的に受け止めていると考えられる。さらに、発表では「学習楽しさ」の増加理由として、推測される要因について
も言及する。


B小学校外国語活動における教師の不安感
                                    東 悦子(和歌山大学)


 2009年4月、小学校外国語活動必修化に向けて移行期間が始まった。小学校学習指導要領(2008年3月告示)では「指導計画の作成
や授業の実施については、学級担任の教師又は外国語活動を担当する教師が行なうこととし、授業の実施に当たっては、ネイティブ・スピ
ーカーの活用に努めるとともに、地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実すること。」として
いる。これにより、ネイティブ・スピーカーや地域人材の力を活用しつつも、実質的に学級担任らが中心となって外国語活動を進めてゆく
ことになった。和歌山県下における英語活動実施率は、2005年には100%に至っている。しかしながら、実施時間や活動内容は実にさま
ざまで、教師の経験もさまざまである。このような背景の下、移行期間が始まり、いよいよ外国語活動に取り組まなければならない教師が
抱える負担や不安の大きさが推測される。その現状の一端を明らかにするために、2008年6月から9月にかけて和歌山県下の複数の公立
小学校に協力を求め、アンケート調査を実施し、166名の回答を得た。授業担当への不安感については、全回答者の内37%が「非常に不
安」、43%が「やや不安」であると回答し、不安を抱えている教師は80%に及ぶという結果であった。不安感を抱く理由は何に起因するの
か、活動の実施に当たり不安材料となっている点は何であるのか等を明らかにし、急務とされている教員研修において、どのような内容を
取り入れることが教師の不安感を減少させることができるのかを検討する。


C小学校外国語活動を担う人材育成−教員養成課程における海外教育実習−
                 本田 勝久(大阪教育大学)山本 長紀(大阪教育大学)

 2011(平成23)年度から「外国語(英語)活動」が必修化されることにより、小学校での外国語活動に対応できる人材の育成は急務の
課題である。大阪教育大学(総合認識系)では、国際理解教育や異文化理解、さらには日本語教育の授業だけでなく、小学校において将来
英語が教科として位置づけられることを踏まえて、小学校英語の授業を開講している。また、海外教育実習をカリキュラムの中に取り入れ、
海外の小学校での実習体験を通して異文化理解能力を高めるとともに、教育実習を学生自ら企画・運営することによって、マネジメント能
力を身につけるプロジェクトを実施している。海外教育実習を経験した学生の成長は、基本教育実習をはるかに凌ぐものであり、実習先か
らも大変高い評価を得てきている。本発表では、2006年?2008年に実施したオーストリアのウィーン市における海外教育実習の記録を紹
介する。このプロジェクトは、羽曳野市とウィーン市13区という2つの都市間の文化交流を支えるという理念の下で展開され、小学校教
員養成課程総合認識系の学生が企画をし、羽曳野市駒ヶ谷小学校とウィーン市ドミニカーナ学園(Gymnasium der Dominikanerinnen)
の学校間での交流を促進するプロジェクトとして発展してきた。参加した学生は「異文化コミュニケーション」を体験し、自らの「コミュ
ニケーション能力」を大いに育んでいた。学生たちは、自発的にこのプロジェクトに参加し、海外と日本の教育システムの違いや海外での
学校教育の状況を学び、今後の教育実践や研究活動に活かしたいと考えている。海外での教育を学ぶことは、教職を志す学生にとって大変
貴重な経験であり、海外教育実習をすることを通して得られる大きなメリットでもある。本発表にて、海外教育実習の教育的意義を報告す
るとともに、これからの小学校外国語(英語)活動にとって必要な人材育成のための教員養成カリキュラムの開発と、そのための海外教育
実習について議論する。

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第8室(602教室)

@EFL読解における論理関係の把握 -Causal関係の向きとlinguistic markersの影響
                                   池田 周(愛知県立大学


 読解において,読み手はテクスト内容についての心的表象を構築する。テクストを構成する情報は,テクスト全体が一貫性を保つように
論理的な関係 (coherence relations) で結び付けられており,読み手はこれらの関係を適切に把握して心的表象に反映させなくてはならな
い。読み手がテクスト情報間の論理関係を把握するための「表層構造上の手掛かり」には,接続後や連結語句(フレーズ)などのlinguistic
markersがある。これまでlinguistic markersの有無や種類が読解に及ぼす影響については多くの研究がなされてきた。例えば,論理関
係でつながる文の読み速度が速くなることや,内容理解設問への解答が迅速で正確になることなどから読解のon-line処理への正の影響が
示されてきた。一方,読後のテクスト内容想起課題からはoff-line処理への相反する影響も指摘されている。しかしテクスト情報間の論理
関係にはAdditiveやCausal,Exampleなど様々なタイプがあり,linguistic markersが論理関係の把握に及ぼす影響もそれらのタイプや
その他の要因によって異なるものと考えられる。本研究では,特に日本人EFL学習者による英文読解中のCausal関係の把握を明らかに
する目的でパイロット調査を行った。Causal関係にはcause → result,result → causeのように情報のつながりの向きが異なるものが
ある。この調査では,linguistic markersの有無に加えて,情報のつながりの向きの違いや読み手の読解能力の違いを含め,これらの要因
がCausal関係の把握にどのような影響を及ぼすのかを考察する。


A英語ディベート実施を目標とした授業を通しての英語力と学習意識の変化
                             木村 啓子(尚美学園大学総合政策学部)


 英語習熟度の低い大学生を対象として、学生が競争意識を持って自主的に学習し英語力を向上させることを目指して、クラス内グループ
対抗英語ディベート実施を目標とした授業を行った。この取り組みを通して英語力及び学生の学習意識に変化が起こるか否かをアンケート
と授業実施前後の英語テストを実施して観察した。参加者は英語専攻でない大学2年生16名。英語を必修科目として受講している。本格
的な「英語ディベート」を望むことはできないが、ディベート本番に至る準備プロセスに重点をおいた。授業時間は90分で11回。テー
マは「日本の高校において制服は必要である。」であった。ディベート参加者は17名で5グループに分けられ、各グループは肯定、否定
の両サイドを経験した。試合中でない学生は全員審判を勤めた。この17名中、最後の英語テストを受験しなかった1名はデータから除外
した。実験前後の英語力を測定するために、リスニング、文法・語彙、リーディングの3部門、計100問から成るTOEIC Bridgeの公式
問題集の問題を使用した。結果についてウィルコクスンの符号付順位検定を行った結果、リスニングとリーディングに5%水準で有意差が
認められたが、文法・語彙部門では有意差は確認されなかった。全体の得点には有意な向上が確認された。ディベート準備と本番を通して
の意識変化を観るため、リーディング、ライティング、リスニング、学習意欲、グループワークについての質問を計56問作成し、各問5
尺度のアンケートを実施した。結果につき点双列相関係数を調べ、相関が0.3以下であった3問は削除した。削除後の53問のクロンバッ
クアルファ値は0.97で、高い信頼度を示した。アンケートの平均点は、最高がリーディングで3.64、最低がディベートについての3.22
であり、英語テストにおいて有意な伸びが認められたことと関連していると考察される。


B読解における単語認知力の働き
                                  野呂 忠司(愛知学院大学)

 単語認知とは、語を音声化するだけでなくその意味にアクセスすることである(Koda 2007)。L1の研究では、単語認知力が後の読解能
力を予測する主なる要素であることが実証されてきた (Perfetti 1999 2007)。単語の速くて、自動的な単語認知なくして、流暢な読解は
可能ではないというのが大抵のL1研究者の認めるところである(Grabe 2009)。L2読解においては、単語の知識 (Nassaji 1998) と統語
知識 (Shiotsu & Weir 2007) が読解に重要な役割を果たすことが実証されてきた。 読解処理理論(Samuel 2006)では、ワーキング・メモ
リーには制約があるので、単語認知や統語処理が自動化されると、ほとんどの注意資源を意味の統語とテキスト理解に充てられるので、流
暢な読み、すなわち、速く、正確に読解が可能になる。読解処理理論からみると、単語や統語の知識という宣言的知識を手続き的知識の観
点からとらえる必要がある。それには単語認知や統語解析の処理効率を測定することが必要になる。本研究は、単語認知の処理効率がどれ
ほど読解力の説明力を持つかを調べようとするものである。門田科研グループで開発した語彙プライミング効果を利用した単語認知テスト
を使った。L1研究では、namingがよく使われる。L1の場合、単語認知が自動化されているので、decodingされれば、強制的に意味
アクセスが執行されるからである。それに反して、L2学習者の場合は単語の知識が不十分なので音声化されても意味にアクセスするかど
うかは分からないので、意味を重視した単語認知テストを作成した。本研究では単語認知テストの正答と反応速度、読解テストとクローズ
テストの正答と反応速度を使って、相関関係を調べたので、その結果を報告する。


C英語音読メタ認知の考察:学力下位者に焦点をあてて
                                浅野 敏朗(明治国際医療大学)

 本稿は、浅野(2009)のテーマをさらに継続的に考察しようとする試みである。浅野(2009)では、1)大学生の音読メタ認知につい
て調査を行い、「音読は英語の全般的な力をつけるのに有効である」とする者が75.4%を占めた。また、2)音読メタ認知の変容を調査し
た結果、一定期間の音読発表の実践は、音読メタ認知を促進する上で効果的であったことが検証された。本研究では、1)英語学力下位者
の音読メタ認知を、英語学力上位者の音読メタ認知と比較し、分析・考察を行うこと、2)英語学力下位者を対象に、一定期間、音読発表
をくり返して実施することにより、音読メタ認知がどのように変容するかを調査・検証すること、以上の2点を目的とした。以下は結果
の概略である。 1) 英語学力下位者と上位者間には、『音読メタ認知調査』の回答の仕方について、質問32項目中15の項目において統
計的有意差が認められた。学力下位者には、上位者より「音読は英語の全般的な力をつけるのに効果がある」と認識しているものが少なく、
また、学力下位の者ほど、「音読は楽しい」「音読は得意である」と回答している者が少ないということが判明した。 2) 学力下位者を対
象に一定期間の音読発表の実践を行わせることにより、音読認知に関する重要な項目で変容が認められた。「音読は英語の全般的な力をつ
けるのに効果があると考える」「音読は好きである、楽しい」と回答する者が有意に増加し、音読発表実践の有効性が確認された。以上の
ことから、英語学力下位者には音読の有効性を認識していない者が多いが、一定期間音読の実践を行わせることにより、その有効性を認知
させることが可能であることが検証された。浅野敏朗(2009)「音読メタ認知の変容について:音読発表の効果の検証」『中部地区英語教
育学会紀要』第38号 77-84頁

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第9室(605教室)

@学習者のやる気を高め授業を活性化する語彙指導:英語能力の低い生徒に対する取り組み
                              河田 浩一(愛知県立熱田高等学校)


 英文読解活動において語彙力は重要な役割を果たしている。語彙力不足は、英文読解やコミュニケーション
活動などの妨げになるばかりではなく、語彙力不足によって引き起こされる理解困難な状態は、学習者のやる
気を著しく減退させ、英語授業の様々な活動を停滞させる原因となる。発表者が勤務する高等学校でも基本的
な単語の意味すら分からない生徒が多く、どのように生徒のやる気を引き出し、授業を活性化していくかが大
きな課題であった。そこで、基本的な語彙力を増やし授業を活性化するために、語彙指導の一環としてビンゴ
ゲームを取り入れてみた。すると、生徒の授業に対する取り組みが顕著に改善され、語彙テストの結果にも伸
びがみられるようになった。本発表では、約1年半に渡る高等学校におけるビンゴを用いた語彙指導の経緯を
振り返り、語彙テスト結果(プレ、ポスト、ディレイドポスト)と授業観察・アンケート結果などをもとに、
1.動機づけ:ビンゴを用いた語彙指導が生徒の学習意欲にどのような影響を与えたか、またそれはどうして
か 2.語彙習得:どうしてビンゴを用いた語彙指導が語彙習得に効果があるのか、またビンゴを通して学習
した単語とそうでない単語の定着度はどのように違うか 3.授業運営:ビンゴを用いた語彙指導を導入した
ことによって、どのように語彙指導以外の授業活動も活性化したかの3点を中心に発表し、学習者の語彙習得
過程や、普段の授業活動と語彙指導をどのように結び付ければ授業を活性化し、学習者のやる気を維持した活
動をすることができるかについて検討する。


A高校生の語彙学習に関する考察
                               近藤 泰城(三重県立桑名高等学校)


 「進学校」と呼ばれる高等学校の多くで単語集が副教材として生徒に与えられている。単語集にはパラグラ
フが与えられているもの、例文が与えられているもの、フレーズレベルの情報だけのものなどの種類がある。
これらの単語集はどのように高校生の語彙習得に役立っているのだろう。今回の報告では、既習の語彙の意味
をどの程度覚えているか、またどの程度書くことができるかを生徒に判断させた。その結果を基に高校生の語
彙学習の問題点、改善の方向性などを考察したい。


BInvolvement Load Hypothesisによるタスクの分類に関する質的研究
                               駒井 健吾(信州大学教育学研究科大学院生)


 Involvement Load Hypothesis (ILH) は、Laufer & Hulstijn (2001)によって、語彙習得に効果的なタスクを測定し、序列化する仮説と
して打ち出された。彼らによれば、それまで語彙習得に効果的であるとされたリーディングによる付随的な学習よりも、リーディングにと
もなって語彙の形式面が焦点化されるような注の提供、辞書使用、対象語による空所補充タスクといったfocus on formのタスクの方が、
対象語の記憶保持に効果的であり、さらに対象語を使って作文や英訳をするといったfocus on formsのタスクが、精緻化の観点からさら
に記憶保持に有効であるとされる。彼らは、こうしたタスクにともなう「かかわり度(involvement load)」を指標化し、語彙習得のタス
ク全般に普遍的に当てはまるものだと仮定した。実際、この仮説に基づいた研究(Hill & Laufer 2003; Hulstijn & Laufer 2001; Laufer
2003; Kim 2008)を見てみると、より「かかわり度」の高いタスクを行ったグループの方が低いタスクを行ったグループよりも意味の再
生において良い記憶保持成績を残している。しかしながらいくつかの反証も報告されている。たとえば、「かかわり度」指標がより低いは
ずの空所補充タスクの方が、作文タスクよりも記憶保持が良いケース(Keating 2008)や、三度空所補充タスクをしたグループの方が、
作文を一度行ったグループよりも有意に高い記憶保持をしているケース(Folse 2006)が挙げられる。ILHはタスクの形式に基づいて点
数化された「かかわり度」が記憶保持成績につながっているとするが、先行研究を再度振り返ってみると、タスクの形式よりも、@学習者
がタスクを通じて対象語に払う注意の頻度ないし時間、Aタスク内で行われるform-meaningのインタラクションの程度、が記憶保持成
績に影響を与えている可能性がある。そこで本研究は大学生2名を対象にタスクを行い、その中でどのような注意行為がどの程度見られる
のかを内省法を用いて分析した。


C受容・発表的語彙指導‐単語の意味と形式の保持への効果
                                        青木 藤禎(米沢中央高等学校)


 受容語彙を目指した指導と発表語彙を目指した指導の語彙知識の定着の効果を比較した研究はこれまでにも行なわれてきた (Aizawa et
al 2003; Griffin & Harley 1996; Mondria & Wiersma 2004; Schneider et al. 2002; Stoddard 1929; Waring 1997b)。しかしながら,EFL
学習者を対象にした研究,長期的にその効果を調査した研究,異なる英語熟達度の学習者を対象にした研究は少ない。従って,以上の点を
考慮して,受容語彙を目指した指導と発表語彙を目指した指導の語彙知識の保持への効果を比較することは,語彙指導に重要な示唆を与え
ることができると考える。本研究の目的は,英語熟達度の異なる日本人EFL 学習者を対象に受容語彙を目指した指導と発表語彙を目指し
た指導の語彙知識の保持への効果を比較することである。実験参加者は日本人EFL学習者である。実験参加者は英語熟達度の上位群と下
位群から構成された受容的語彙指導群と発表的語彙指導群に分けられた。指導の効果を調査するために受容語彙テストと発表語彙テストを
実験直後,1週間後及び2週間後に実施した。この実験結果をもとに,発表的語彙指導と受容的語彙指導の単語の意味と形式の保持への効
果について考察し,教育的示唆を述べる。

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第10室(408教室)

@学習指導要領の変遷から見る日本の英語教育の性格と新学習指導要領についての一考察
                                  宮崎 直哉(掛川市立東中学校)


 平成20年3月に新学習指導要領が告示され、中学校教育現場でも指導要領改訂のポイントの周知徹底が図られている。しかし、実際に
は学習指導要領がどのような目的を持って、どのように変わったのかという点については認識されることが少ないように感じる。週時数が
増えるということや小学校英語が始まるということは認識されても、これからの英語教育の方向性が話されることや示されることは少ない
と考えられる。学習指導要領の改訂にはそれなりのねらいがあり、それを読み解いていくことでこれから目指していく英語教育の方向性が
よくわかる。本研究では日本が目指してきた英語教育の姿を捉えるために法的拘束力を持つとされる昭和33年学習指導要領から平成10
年学習指導要領までのそれぞれの特徴や歴史的変遷を見ていく。ここでは、学習指導要領解説や当時の識者の論文や英語教育雑誌など
をもとに、日本の英語教育がどのように変化してきたのかということを明らかにする。当時の識者の考えから、その時代に当時の学習指導要
領をどのように評価していたのかということも知ることができる。次に平成20年の中学校学習指導要領について見ていくことにする。ここ
では現行の学習指導要領との違いや、現在、この指導要領がどのように見られているかということを中心に考察していく。さらに平成20
版の指導要領を実施するにあたり教育現場で行うべきことや授業内容、これからの中学校英語教育の課題についても考えていきたい。現
在の中学1年生のクラスでは小学校英語が行われている学校から来て英語に馴れ親しんでいる生徒や英語に初めて触れる生徒が混在して
いる。そうした中でこれから目指していく英語教育はどうあるべきか、学習指導要領の変遷をたどりながら考える機会としたい。


ASuccessful Learnerを育てる試み?セルハイ校におけるシラバス開発・実践と学習者支援の取り組み
                               藤田 賢(三重県立飯野高等学校)


 本校では、「Successful Learnerを育てる」ことを研究課題として平成19年度よりセルハイ研究指定を受けた。本発表では、過去2年
間にわたる研究開発の成果について発表する。最初に、本校の現状と課題の分析、研究テーマの「Successful Learner」の定義、および研
究仮説について考える。その中で、「Successful Learner」とは、英語スキルの向上、英語を使う行動力、生涯にわたり学習できる力を備
えた学習者であり、そのような学習者の育成に必要な事柄について整理したい。次に、具体的取り組みとして、本校独自の枠組みを持つシ
ラバス開発とその実践について紹介したい。本校のシラバスは、学習指導要領と検定教科書を補完することを前提に、英語のスキル向上と
プロジェクト型学習から成り立つものである。さらにスキル向上のシラバスは、言語発達の筋道と学習方法・方略・活動を組み合わせたも
のである。プロジェクト型学習では、学年別に大きなプロジェクト活動を配置している。発表では、実際の実践についても部分的に報告し
たいと思う。最後に、学習者支援の取り組みとして、英語学習面談と英語学習者カルテシステムについて発表する。英語学習者面談は定期
的に教員が生徒と個別面談を持つことによって学習をモニタリングさせることを目標としている。学習者カルテシステムは、学習状況を学
習者と教員の両方が振り返ることができるもので、学習目標、外部試験結果、デジタルポートフォリオの保管等の機能を担う電子カルテシ
ステムである。三重大学との開発途中の段階ではあるが少し紹介したいと思う。尚、本報告は、現在進行中の研究開発を含むものであり、
内容について若干の変更もありうる。


B英語学習に和訳を用いることについての信念に関する調査
                              宮本 由美子(長野県上田染谷丘高等学校)

 高等学校の新学習指導要領に「授業は英語で行うことを基本とする」が明記されており、その背景には、「英
語は英語で学ぶのが効果的である」という信念が反映されていると思われる。言語学習についての信念の研究
は、Horwitz (1988)がBALLI (Beliefs About Language Learning Inventory)を開発して20年以来、信念につ
いての研究が進み、最近の10年間ではL2学習における学習者・教師間の信念の一致と不一致や、学習結果に
与える影響が注目され、研究方法も量的分析に加えて質的分析や観察法など様々な方法が開発されてきた。本
研究は、「英語学習に和訳を用いること」について日本人高校生と教師はどのような信念を持っているのか、質
的分析で明らかにする。


CMoodleを利用したweb教材の作成と効果の検証
                             塩谷 三徳(沼津工業高等専門学校)


 昨年の発表では、「工業英検」の過去問題や例文を素材とした小テストから構成されたMoodleのコース作成
についての概要を報告するにとどまり、効果の検証には至らなかった。今回の発表では、コース使用状況につ
いて調査し、その効果を検証する。
 平成18年度より、オープンソースの学習管理システム(Learning Management System)であるMoodle
(ムードル)を利用し、学内限定のe-Learning教材を作成し始めた。平成19年度からは、「日本工業英語協
会」から「学内限定」という条件での使用許可を得て、同協会から発行されている問題集やハンドブックの内
容を利用した工業英検受験者用の自主学習用のweb教材の作成にMoodleを使用している。Moodleを使用し
ているのは、ライセンスコストが不要であるだけでなく、多様な問題作成機能を備えているからである。
 Moodleの小テスト・モジュールは、穴埋め問題、作文問題、多肢選択問題、組合せ問題などの複数の形式
の問題を作成することが可能である。蓄積された問題からランダムに生成された小テストを作ることもできる。
加えて、同一の出題範囲で、問題の順序を変えたり、学生一人一人に違う問題を出題することが可能であり、
多肢選択問題の場合には、選択肢の順番も変更したりすることが可能である。つまり、学習者が、繰り返し学
習する過程で、答の順番や答の番号を覚えてしまうことを防ぐことができる。さらに、途中で終了しても、後
から続きを再開することができるので、時間があるときに学習を継続していくことが可能である。
 また、Moodleの管理者(教師)は、学習者のコースや問題へのアクセス回数や使用時間などの個人データ
についても掌握することが可能である。今回の調査は、この機能を利用して行ったものである。

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シンポジウム    
                1号館4階 たちばなホール  15:35〜18:00

テーマ:「日本の英語教育が目指すべき『英語力』とは何か」

         司会者:大下 邦幸(福井大学)       
              三浦 孝(静岡大学)        
          パネリスト:犬塚 章夫(愛知県総合教育センター)
                  寺島 隆吉(岐阜大学教育学部)   
                  三森 ゆりか(つくば言語技術教育研究所)


テーマ解説(三浦 孝)
2002年7月「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」発表以来、政府・財界はいわゆる「使える」英語力養成のための英語教育
「改革」を急速に推進している。2008年3月には小学校学習指導要領を改訂し、5・6年生に週1時間の「外国語活動」の導入を決定した。ま
た同時に中学校学習指導要領を改訂し、英語時間数を週3時間から週4時間に増やした。(ただし教員増なし、英語教員の負担1.3倍増)。
次いで 2009年3月には高等学校学習指導要領を改訂し、授業科目を全面的に「使える英語力」養成に改変、更に「英語の授業は英語で教
えることを原則とする」と明記した。
 この「使える英語力」養成路線に対しては、教育現場や言語教育学者からは、下記のように様々な批判や疑念が提出されている。:
(1)「使える英語力」イコールTOEIC/TOEFLスコア、という短絡化への批判
(2)「使える英語力養成」イコール「知的に浅薄な実用一辺倒の英語教育」という批判
(3)「使える英語力養成」を政府が優先してきた、この16年間で、生徒の英語力(特に単語数、文法知識、作文力、読解力)は低下の一
途をたどっているという批判
(4)「使える英語力養成」は、「「語学入門科目」としての小中外国語教育」の役割を軽視している、という批判 
(5)小学校では何よりもまず、日本語で知性・感性・コミュニケーション力を十分に育てるべきだ、という批判
(6)外国語教育において、英語のみを偏重することへの批判/英語帝国主義への警戒
(7)全国民に対して「使える英語力」を強制することへの批判
(8)日本の国際競争力の衰退の原因を、英語力不足にすり替えている、という批判

「戦略構想」発表以来7年、政府の「使える英語力」路線とそれに対する批判は、平行線をたどりながら接点すら見出せていない。この2つ
(あるいはもっと多く)のすれ違いの接点(対話)を、どこかで作らなければならない。その第一歩として、本シンポジウムでは「日本の英語
教育が目指すべき『英語力』とは何か」をテーマとして取り上げた次第である。
 これまで提案されてきた英語教育改革のどの見解も、「日本人が、より高い英語力を身につけられるよう、援助したい」というところま
では、一致している。そこから先が分岐しているのだ。つまり、学校教育で日本人が身につけるべき「英語力」とは何なのか、の解釈にお
いてすれ違っているから、議論が混乱していると考えられる。そこで、本シンポジウムでは、3つの異なるフィールドに於いて、言語教育
に携わっておられる第一人者である3名の先生方に、それぞれの立場からこの問題に見解を提案していただき、議論のきっかけとしたい。
 
提案1 「小中で目指したい『英語力』」
                             犬塚 章夫(愛知県総合教育センター)

 小中学校(つまり、義務教育)で目指すべき英語力は、高校・大学などの義務教育以降の教育と、社会にで
てからの英語教育とは質が異なるであろう。義務教育である以上、全部の日本国民が目指すべき英語力がそこ
には示されるべきである。しかし、その後の学校教育や社会にでてからのことを考えたとき、現在学習者から
求められている英語力は、大きく2つの方向がある。私たちが行ったアンケート調査(「英語教育の目的は何か
-中学・高校・大学の生徒・学生と教師へのアンケート調査から-」:永倉2006)にも、その様子が表れている
が、その2つの方向とは、(1)コミュニケーションツールとしての英語力と(2)テストで高得点を取るための英語
力である。私は、あくまでも生涯教育につながる(1)の英語力を求めていくべきだと考えている。「テスト」の内
容こそ、この求めるべき英語力を評価するためのものに近づいてきてほしいとも願っている。


提案2 「日本の英語教育が目指すべき『英語力』とは何か
                             寺島 隆吉(岐阜大学教育学部)

1 外国語教育は、「母語を見つめ、自己を見つめ、母国を見つめる」ための鏡を提供することである。それは「母語を耕し、自己を耕し、
母国を耕す」ことでもある。
2 英語教師には「三つの仕事」と「三つの危険」があることを自覚する。キーワードは「複言語主義」「10年の法則」「水源地」「自己家
畜化」である。
3 ESL環境で開発された外国語教授法・教授理論ではなく、日本の風土(EFL環境)に根ざした英語教育の理論と実践を開拓する。
4 ヴィゴツキー『思考と言語』で提起されている、「母(国)語と外国語の習得過程は全く逆方向である」という考え方を土台にし、「発
達の最近接領域」を目指す。
5 医療では病気を「転移」させてはならないが、教育では「転移する学力」こそ育てなければならない。ただし、「見える学力」以前に
「見えない学力」を育てなければならない。「見える学力」なしには何も育たない。
6 学校教育で出来ることは、「話すことが必要になったときに生きて働く基礎学力をつけること」であって、「ザルに水を入れる」ような
愚をおかすことではない。教育の極意は「AさせたいときにはB指示せよ」である。
7 国語教育と英語教育を結合させて「言語教育」という視野で考える。「文法」は土台であり、「読み」は四技能の始点であり、自由な「会
話」は終点である。(國弘正雄「会話文を教えている限り会話ができるようにはならない」)
8 英文法の「幹」と英音法の「幹」を土台として、「四技能」を別々に集中的に教えながら、四次元の発達過程・発達段階を螺旋状に昇
らせる。そのためには「基礎教材」と「典型教材」が必要になる。
9 文字レベルでは大西忠治「しぼって読む」「ふくらませて読む」を、音声レベルでは記号研方式「リズムよみ」「あわせよみ」「表現よ
み」を全体的視野に入れながら、「10年の法則」で指導プランを構想する。


提案3 「英語学習の基礎としてなぜ言語技術は有効か」
                          三森 ゆりか(つくば言語技術教育研究所)

Space order and time order/Causes and effects/Comparing and contrasting/Summary/Text
analysis/Paragraph/Essay/ Argumentative essay etc.
英語の作文で、このような要求に応えるにはどうすればよいのだろうか。英国や米国で作成された外国人のた
めの英語の作文の教科書には、必ずこのような課題が載っている。こうした課題は、日本人にとってはかなりや
っかいだろう。なぜなら、私達は日本語で「空間配列、原因と結果、比較と対照、テクスト分析に基づく小論
文、論争型小論文」などの記述方法を学習したことがないからである。そのため英語で突然こうした課題を与
えられると、英語の単語や構文に取り組む以前に、課題の要求に応えるにはどのような文章を書けばよいのか
という問題と格闘することになる。英米を始めとする英語圏の学校教育、並びにその他の西洋言語を母語とす
る国々の学校教育では、小学校段階から系統的に「言語技術」を指導するのが一般的である。その結果、外国
人のための作文の教科書でも「言語技術」が要求されることになるのである。日本人が容易に英語を習得する
ためには、英語学習の基礎として母語である日本語で言語技術を学習することが有効である。

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第2日目(6月28日Sunday)


自由研究発表

第11室(908教室)

@日本人高校生の単語発音効率と読解力との関係について−既知単語と擬似単語ではどちらが読解力を予測するか−
                                    輿水 以久子(山梨県立白根高等学校)

 L1先行研究によれば、音韻情報が読解力に与える影響は大きく、単語(既知単語および擬似単語)発音効率と読解力には有意の相関が
あると言われている(Perfetti & Hogaboam1975)。L2研究では、Miyasako and Takatsuka(2004)が、日本人高校生を被験者に、同様
の結果を示した。しかし彼らが実験で使用した単語は既知単語と考えられ、通常日本人学習者が苦手としている未知語単語と読解力との関
係については先行研究がない。L1学習者は基本的なspeaking能力を得た後に読解指導を受け始めるので、読書の機会が多ければ多いほ
ど音韻と文字と結びつけることができるはずである。未知語に関しても、既知語発音学習での綴り字と発音のルールの蓄積が発音効率を高
めることが予想できる。しかし、日本人は、L1学習者と語彙学習順序が異なり、英語の読書量と単語発音能力とが必ずしも結びつくとは
限らない。また、日本人独特のlogographicな文字認識から、未知単語から音韻情報を得る能力は個人差があると考えられる。
 本研究では、Miyasako & Takatsukaの研究を追試するとともに、未知語(擬似単語)発音能力と読解力の関係に焦点を当て、既知単
語、擬似単語という異なる2種類の音韻符号化が日本人学習者の読解力とどのように関連しているのかを調査した。収集され、最終的に相
関が算出されたデータの種類は以下の6点である。@語彙ルート活性度(既知単語20語の1秒あたりの発音語数)A非語彙ルート活性度
(1音節擬似単語20語の1秒あたりの発音語数)B英語学力 C読解力 D擬似単語暗記力 E語彙力調査分析の結果、日本人高校生にお
いても音韻符号化の有効性が確認され、中でも既知語発音より未知語発音の方が、語彙力と読解力により大きく関係することがわかった。
本発表ではこの結果が何を示すのかを考察する。


A理解のための教科横断的指導を導入する利点と問題点−部分英語イマージョン校での中学生を対象として−
                                   二五 義博(広島国際大学非常勤講師)

 中学校において、意味内容に焦点を当てた理解のための英語教育を目指すには、内容重視の指導(Content?based instruction)を導入
することが重要であると考えられている。しかしながら、この内容重視の英語教育は、単に英語指導のための教材に基づいているのみであ
ることが多く、学習者の興味・関心の多様性や理解力の違いに十分応えているものであるとは言い難い。ガードナー(Gardner1999)の
多重知能理論においても見られるように、人間には少なくとも8つの知能があって、得意とする分野は人それぞれ異なっている。それは、
ある学習者にとって得意分野ならば理解しやすいが、そうでなければ理解しにくいということも意味している。そこで、各学習者の英語学
習に対する興味・関心や理解力を高める意味でも、他教科の内容を取り入れた、個性あふれる英語教育が必要ではなかろうか?数学の好き
な学習者にとっては数学の内容で、理科の得意な学習者にとっては理科の内容で英語学習を行うことは効果的であると思われる。また、こ
の教科横断的英語学習は、実生活に結び付くコミュニケーションの場面をより多く提供することが可能なことから、文部科学省が目標とし
て掲げるコミュニケーション能力の育成を目指す上でも有効であろう。本研究は、数学、理科、技術家庭などを英語で教えている、部分イ
マージョン校での中学生を対象としたアンケート調査および授業実践例に基づき、第一に、それぞれの教科内容を英語で学習することへの
興味や理解の度合い、第二に、英語で授業を受けることでの良い点や難しい点を検討する。すなわち、これらについて教科内容による違い
も考慮に入れながら、より効果的な教科横断的英語学習を模索していくこととする。その結果、一部、他教科の内容を取り入れた英語の授
業を行うことは、公立中学校でも可能であることを示唆したい。


B小学校英語導入がもたらした中高生英語力への影響と課題
 −金沢市内中高生へのアンケート調査と実用英語技能検定結果に基づく研究−

         米田 佐紀子(北陸学院大学)Gavin Lynch(北陸学院大学短期大学部)Craig Woods(Monash University)

 この研究は科学研究費補助金基盤研究(C)課題番19520537の研究「小学校英語教育で培われる英語力についての研究-国際的評価
基準を用いて-」の一部である。この研究全体の目的は、小学校英語教育の実績を6年生児童の英語力を四技能について国際的評価基
準により客観的に測定し、小学校英語教育の成果を国際的視野と言語習得の観点から探る事である。これまでの研究で、@小学校6年生ま
でに「ヨーロッパ共通参照枠」のA1レベル近い力をつけることができること、A大学生へのアンケートとTOEIC結果の相関の調査から、四技
能中心の教授法を小学校時代に受けた学生は「遊び中心」の教授法を受けた学生に比べ有益性を感じること、BTOEIC結果の平均点は「四
技能指導」が高い事が示された。今回は、上記研究の空白期間である中高生の学力の伸長を把握するために、金沢市内の中学生と高校
生約1900名にアンケート調査を行った結果について発表する。回答者の大半が小学校で英語教育を受けており、それについての感想や
現在の英語力への影響についての自己評価を得た。一方、統一学力調査の実施は不可能だったので、回答者の多くが受験している実用
英語技能検定試験金沢市内の受験動向データを用いて、中高時代の学力の伸びを探った。その結果、金沢市立小学校英語教育導入時
前後から実用英語技能検定の受験者・合格者数が増えていることや諸問題の指摘にも拘わらず、結果として金沢市内の中高生の英語力
向上につながっていることが示された。
 この発表では、アンケート結果について分析結果を述べた後、アンケートの主観性を補うべく実用英語技能検定の分析結果について述べ
る。最後に両者の意味を全体的に考察すると同時に、世界スタンダードから見た日本の英語教育の方向性や今後の課題について提言をする。


C無声リハーサルと有声リハーサルとにおける脳科学的な知見について
                                  建内 高昭(愛知教育大学)


 英語リスニング研究において聴き手が音韻情報を単なる無意味音ではなく、意味ある音韻情報として聴解することは重要な要素であると
考えられてきている。リハーサルを用いることで音韻情報保持に寄与すると指摘されてきている(Rundus 1971)。たとえば第2言語学習者
にスクリプトを制限時間内で暗記することが求められた場合に、声に出してつぶやく、あるいは声に出さずに頭の中でつぶやきながら暗記
を行っていくなどの方法が多く用いられている。ここで扱うリハーサルは、聴き手が意識的・無意識的に行う手法の一つといえるだろう。
このような活動は、どのように位置づけられるのであろうか。本研究は有声リハーサル及び無声リハーサルの両リハーサルを扱うことにす
る。
 研究方法 本研究の目的は、脳神経科学を主体とする有声リハーサル研究及び無声リハーサル研究から得られた知見を概観して、第2
言語リスニング研究との関わりを探ることである。とくに第2言語学習者は母語話者が用いる有声リハーサル、無声リハーサルのそれぞ
れとも必ずしも同じではないと考えられる。研究方法は、認知心理学研究及び脳神経科学研究に見られる多様な研究成果を基にして、有声
リハーサル及び無声リハーサルの両リハーサルを比較して、それぞれのリハーサルの特徴を捉えることになる。
 研究結果 有声リハーサルと無声リハーサルとの違いとして、両リハーサルの間には構音における有声であるか無声であるかの違いがあ
ることは知られている。脳神経科学の精緻な実験結果から、有声リハーサルと無声リハーサルとの間に違いがあると示した研究成果が示さ
れる一方で、両者は必ずしも明確な違いがないとする研究結果が示されている。これらから有声リハーサルと無声リハーサルにおいて、脳
内での活性化領域では混在した結果が示されてきている。


D小学校における35時間の「英語活動」が中学2年生の聴解力に及ぼす影響
                                   石濱 博之(上越教育大学)


1.調査の背景  糸魚川市立西海小学校では、平成17年度から英語活動を導入して、現在でも継続している。実施時間は年間35時間
を目標として、全学年で英語活動を積極的に推進してきた。既に、その35時間の英語活動を経験した生徒(西海小学校卒業の生徒)、中
学入学以前に学習経験のある生徒、及び英語学習経験のない生徒の間に、「聴解力」の相違について、中学入門期において「35時間の英語
活動」、及び「その他の英語学習経験をした生徒」は、「英語学習経験のない生徒」と比べて聴解力がよいといえるであろう。英語活動で英
語に触れたり、あるいは学んだりすれば中学校入門期において聴解力がすぐれているといえるだろうとした(石濱 2008)。本発表では、
中学校2年生を対象として、英語活動経験した生徒とそうでない生徒との間に聴解力に相違があるかについて報告する。
2.調査の目的と内容  調査の目的は、その35時間の英語活動を経験した生徒(西海小学校卒業の生徒)、中学入学以前に学習経験の
ある生徒、及び英語学習経験のない生徒の間に、小学校卒業2年後に「聴解力」に関して相違はあるのかについて検証することにある。
調査時期は、平成19年7月実施にした。その調査紙は、児童英検2級模擬試験を使用し、その問題の一部に「わからない」項目を入れて
作成した。調査参加者は188名である。処理の方法は、一元配置の分散分析で実施した。
3.結果  中学校入学以前に英語学習経験のある生徒(西海小学校で英語活動を経験した生徒・その他のEx)は、学習経験のない生徒
(Non-Ex)よりも調査でよりよい結果が得られた。中学校2年生の情意面との関係や問題分析を含めた分析結果の詳細は、発表当日に提
示したい。  中村彰伸著.(1995).『CDつき児童英検クリアもんだいしゅう』東京:成美堂出版.

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第12室(801教室

@英語科教育で文化を学ぶ意義−異文化間トレーニングを利用して−
                                 中嶋 愛美(信州大学大学院生)

 本研究の目的は、英語科教育で、文化を学ぶ意義を再確認すること及び、異文化間トレーニングをどのように扱えば、英語学習者に文化
の理解をより効果的に促すことができるのかということである。1960年代は、アメリカの平和部隊員となり、現地へ行き活躍できる人、
あるいは、出来ない人を選定するためのメソッドが作られた年代であり(Kealey;1996:81)、この年代から、異文化間トレーニングが発展
してきた。今日の企業研修などの社会教育では、異文化間トレーニング(intercultural trainingあるいはcross-cultural training)との様々
な試案が出されてきた(小池;2000:331)。岩田(1998;188)は、これからの英語教育は、次の(1)から(3)の3本柱でいくべきで
はないかと提言している。(1)異文化トレーニングを取りいれることにより、異文化への気づきを促し異文化コミュニケーション能力の
向上を図る、(2)社会言語ルールを教えることにより、相手や場面・状況にふさわしい英語表現を習得させる、(3)説明型コミュニケー
ションを習得し、相手にも日本語・日本文化への理解を求め、相手に100%合わせるのではなく、いわば互角のコミュニケーションを行な
えるようにする。岩田(1998;188)の(1)から(3)を踏まえ、異文化間トレーニングの導入が、どのように英語科教育に貢献できる
かを検討していくことが本研究の最終目標であるが、本発表では、文部科学省検定済みの中学校の教科書に焦点を当てて、異文化間トレー
ニングを英語科教育の授業に導入することが可能かどうかを検討する。


A新学習指導要領に対応した英語授業の作り方 -国際理解教育の参加型手法を用いて-
                              山本 孝次(愛知県立大府東高等学校)


 新学習指導要領における高校の新科目「コミュニケーション英語」や「英語表現」では、四つの領域の言語活動を有機的に関連付けつつ
総合的に指導するとしている点では現行の学習指導要領と同じであるが、読んだり聞いたりしたことを基にして、最終的には話したり書い
たりして伝えること、すなわち発信することが重視されていることに特徴がある。一方、現在実際に行われている授業では、「リーディン
グ」や「オーラルコミュニケーション」ばかりでなく「英語I・II」の授業でも、読んだり聞いたりすることによって情報や考えを的確に
理解することに重点が置かれており、伝えることの指導にほとんどの時間が割かれていないことが多い。新科目の「コミュニケーション英
語」や「英語表現」に対応した授業としていくためには、自分が理解した情報を、あるいはその情報を基にした自分の考えを話したり書い
たりする活動を授業デザインに取り込んでいくことが必要である。発表者は、平成20年度にJICA中部主催の開発教育・国際理解教育
指導者研修(上級編)及び教師海外研修(フィリピン)に参加した。その時に学んだ国際理解教育の参加型手法の数々には英語授業のデザ
インにも応用できるものが多い。また、国際理解教育で主に取り上げられる「貧困」、「環境」、「平和」といったテーマは、英語の教科書で
も取り上げられていることが多い。本発表では、国際理解教育関係の題材に対する理解を深めるために、また授業を発信型に変えていくた
めに、英語授業に国際理解教育の参加型手法を取り入れることを提案する。発表時には、英語?の教科書の題材を用い、参加型手法のいく
つかを体験してもらおうと考えている。


B現行教科書に登場する異文化間コミュニケーション・トピック
                                 伊東 武彦(大妻女子大学)


1.研究目的: 異文化間コミュニケーション・トピックは、英語教科書の一つのジャンルとして定着しつつある。このジャンルは、異文
化間コミュニケーション能力の芽を育てる上で有効である。しかし、どのようなトピックが扱われる傾向があるのか、また、そのトピック
を巡って教材はどのように構成されているのかに関する調査は行われていない。本研究では、中学校の全検定教科書と高校の主要
検定教科書を対象に、そこに登場する異文化間コミュニケーション・トピックと教材の構成様式を分析調査した。
2.調査結果: 1) 異文化間コミュニケーション・トピックが登場する割合は、他のジャンルのトピックに比べて少ない。このジャンル
の重要性が、充分認識されているとは言えない。 2) 登場するトピックは、中学校教科書、高校教科書の双方においてノンバーバル・コミ
ュニケーションが最多である。これは、高度な言語能力を前提としなくても生徒が異文化間コミュニケーションにおいて真っ先に実感しや
すいトピックであり、教科書執筆者は異文化間コミュニケーションへの導入として適切だと考えていると推測される。 3) 教材の構成様
式は、レベル(特)(行動領域のみの記述)が最多で、この点で中学校教科書と高校教科書の間に明確な差は認められない。本研究で
は、レベル(協)(行動領域+情意領域+認知領域の記述)を最も望ましい構成様式と考えて分析を行ったが、レベル(協)が出現する
割合は少なく、この点で中学校教科書と高校教科書の間に差は見られなかった。異文化間コミュニケーション能力の概念は行動、情意、
認知の3領域から構成されると考えられるが、その概念を反映させた教材構成は少ないことが明らかになった。


C韓国「英語村」の現状と今後の展望
                                 木村 隆(椙山女学園大学)樋口 謙一郎(椙山女学園大学)

 発表は、韓国における議論と関係者へのインタビューから、韓国の「英語村」の現状と今後の展望について
検討し、日本に対する示唆の提示を試みるものである。韓国では、全国各地に「英語村」という、地方自治体
によってつくられた英語体験施設がある。2008年までに全国で20カ所以上の英語村が設立されており、2011
年までにさらに20件以上の創設が計画・構想されている。そのうちのひとつである京畿道英語村パジュ(坡
州)キャンプは、2006年に京畿道坡州市に開設された大規模な英語村である。施設内にはネイティブの講師が
常駐していて、訪問者は入場時から英語を話すことを求められ、場内にある郵便局、銀行、警察署などのセッ
トで英語の体験学習を行えるようになっている。広大な敷地内には、本物の路面電車が走り、ヨーロッパの古
い町並みを再現した商店街では英語を使用して食事をしたり買い物をしたりできる。また宿泊プログラム用の
寮も完備している。このようにして、韓国では多くの人に「生きた英語」体験の機会を提供しているが、巨額
の設立費用や人件費による財政赤字という問題、また、それらに見合った学習効果が得られているかという問
題も指摘されている。発表者らは2008年9月、韓国教育科学技術部事務官とともに上記パジュキャンプを訪
れ、事務総長や教師らと会談する機会を得た。本発表では、そのインタビュー内容および昨今の韓国内の議論
について報告し、英語村の今後の展望や日本の英語教育に対する示唆について論じたい。


DALTとJTEのコミュニケーションにおける誤解
                室井 美稚子(清泉女学院大学)望月 美左子(清泉女学院大学卒業生)

 ALTとJTEという特定の社会的関係に見られる誤解を生む英語表現について考察する。中間期研修に参加
したALTを対象として、不愉快に感じた英語表現に関するアンケート調査を基に分析を行った。今までにも
例に挙げられることが多かった表現がまだ使われているケースやpolitenessの研究ではあがってきていないも
のなど多様な回答が得られた。今後も学校現場で生徒に対する教育の質を上げるために不可欠であるALTと
JTEのコミュニケーションについて共に考えたい。

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第13室(802教室)

@大学英語教育における読解スキル指導とコミュニケーション活動の実践 −論説型の形式スキーマに焦点を
当てて−
                                  亘理 陽一(静岡理工科大学)


 本発表では,「読解スキル」の指導と,その活用を伴うコミュニケーション活動を採り入れた大学英語教育の
実践を通じて,i) 外国語としての英語の教育における明示的・継続的な読解スキル指導の有効性,ii) 学習意
欲喚起の面から見た授業内容・方法の妥当性,iii) 読解指導における協同学習的コミュニケーション活動の効
果を,定期試験等の量的指標と学生からの授業評価から考察する。外国語としての英語の教育における内容・
形式スキーマの明示的・継続的指導の有効性はこれまでも示されてきたが,熟達度や動機の高低に関係なく,
楽しく学んでもらえるような具体的な指導内容・方法の提案は十分とは言えない。そこで,シラバス上の科目
共通教科書と並行して,読解スキルの明示的指導とその活用を伴うコミュニケーション活動を行う通年のカリ
キュラムを編成し,大学一年次のリーディング相当科目で実践した。本発表では,論説型の形式スキーマの指
導とその活用を伴う地球温暖化に関する記事作成活動と大学の広告作成活動を取り上げる。 実践の結果,量
的指標では読解スキル指導の有効性が僅かに確認できたものの,全体の確実な底上げと言えるほどの効果では
なく,教育内容やコミュニケーション活動との関連に課題が見られた。一方,コミュニケーション活動では熟
達度や動機によらず優れた作品が多く提出され,学生の授業評価からは,授業内容・方法と共に,活動やグル
ープ・ワークに対する支持が多く示された。


A英語の多読が初級英語学習者の読解不安に与える影響について
                               種村 俊介(沼津工業高等専門学校)


 種村 (2009)では、Saito et al. (1999)によって開発されたForeign Language Reading Anxiety Scale
(FLRAS)を用い、日本人初級英語学習者の英語読解不安の実態が調査され、得られたデータを、同じくFLRAS
を用いてアメリカの大学の外国語履修者の外国語読解不安と日本人中上級英語学習者の英語読解不安を調査し
た二つの先行研究(Saito et al. 1999; Iwaki 2004)の結果と比較し、日本人初級英語学習者の英語読解不安につ
いて検証された。
 本研究では、種村(2009)での議論を踏まえ、初級英語学習者の英語読解不安を軽減することを意図した英語
の多読を授業内で継続的に実施し、英語の多読が初級英語学習者の英語読解不安を軽減することに役立つのか
を調査した。本発表では、調査結果を全体的傾向と個人差の観点から検証したい。


Bテキスト難易度が日本人学習者の重要度判断と要約産出に及ぼす影響
                               杉田 千香子(筑波大学大学院生)


 1.はじめに:  要約は、テキストの中でどの内容が最も重要かを決定し、簡潔な自分の言葉で言い換え、テキストから学習する効果
的な方法だと認識されている (Dole Duffy Roehler & Pearson 1991; Pressley & Woloshyn 1995)。アカデミックな環境においては、様々
な要約のスキルを要求され、良い要約文章が書けることは不可欠である (Johns and Mayes 1990; Kirkland & Saunders 1991)。要約は、
書く能力だけでなくテキスト理解を求められ、長さ、ジャンル、複雑さの3つの要因は特に重要である。(Hidi & Anderson 1986)
 2.本研究の目的とリサーチクエスチョン: 要約の重要性と有用性が認識されているにもかかわらず、要約の研究はL1(英語母語話
者)を対象としたものが主であり、L2(ESL/EFL)における研究は非常に少ない。さらに、テキスト難易度が重要度判定や要約文章に与
える影響を検証したものは少ない。
本研究の目的は、テキストの難易度が重要度判定と要約産出にどのように影響するのか、さらに学習者の熟達度の違いによって要約文章
がどのように変化するのかについて分析を行う。
 リサーチクエスチョン: 日本人EFL学習者が、テキストを読んで要約する際に、以下の2点について検証する。
  (1) テキストの難易度の違いが影響を与えているのは、テキスト理解か、重要度判断か、要約に含まれる情報か。
  (2) 熟達度の違う2つのグループ間では、テキスト理解、重要度判断、要約に含まれる情報にどのような差が見られるか。
 3.方法と分析:  協力者は大学生25名で、熟達度の違いによって上位と下位の2グループに分ける。マテリアルは、説明文テキス
ト4題(難易度の違うテキストをそれぞれ2題)で、テキスト読解後に要約課題を実施し、200字程度の日本語で要約を作成するよう求
めた。その後、テキスト参照なしの理解度テストを実施し、各アイディア・ユニットの重要度を5段階で評価してもらった。理解度の結
果、重要度判断の結果、重要な情報とそうでない情報をどれくらいの割合で書き出しているかを全体、及び、熟達度の違いで比較した。


C日本人高校生EFL学習者の整序問題得点と英文読解力との関係についての一考察
                               寺田 義弘(茨城県立藤代紫水高等学校)


 英語母語話者が、他の言語話者よりも理解おいて「語順」に依存していることは、「競合モデル」とよばれる研究においても証明されて
いる(Koda 2004; Bate set al 1982等参照)。一方「競合モデル」の研究の中で日本人話者は、英文読解において語順などの統語情報より
も、意味的な情報に頼った読み方をしてしまうという報告もあり、日本人が英語を学ぶ際の重要な示唆を与えてくれているように思える。
 英語L1においては、小学生低学年の語順の知識と読解力には相関関係が報告され、整序問題トレーニングの英文読解への効果の転移の
報告もある。一方L2における語順知識と英文読解の研究は見あたらない。日本において整序問題は作文能力判定としてはよく見うけられ
る形であるが、Benton and Kiewra (1986)において、語句整序問題は構文解析能力が必要であるとの考察があるように、構文解析の力を
測っているとも考えられる。
 本研究の目的は日本人高校生EFL学習者を対象に、整序問題の得点結果と英文読解力との関係について実験結果をもとに考察を加える
ことにある。高校2年生70名に対して、読解力を測るためのリコールテスト、語順知識を調べるための整序問題、文法知識を調べるため
の穴埋めテスト及び語彙サイズテストを実施し、その結果を分析し、考察を加えてみたい。分析の結果、整序問題の得点はリコールテスト
の得点を文法穴埋めテストよりもよりよく予測することが分かった。さらに、熟達度上位者においては、語順知識は、文法知識よりも語彙
知識との相関が強いなど興味深い結果が出てきた。


D 高等学校の英語授業におけるメインアイディアを捉える指導の効果について
                              金田 浩人(富山県立氷見高等学校)

 高等学校の英語IIの授業において、筆者の一番言いたいメッセージ部分であるメインアイディアを捉える指
導をして、その結果生徒の英語力にどれだけの伸びが認められたかを検証する。高等学校の普通科2年生の生
徒約80名(2クラス)を対象にして、約1ヶ月半、授業回数にして13回程実施する予定である。この2クラ
ス(AクラスとBクラス)を、Aクラスではメインアイディアを捉える指導をせず内容理解活動をより多めに
実施する。Bクラスでは、メインアイディアを捉える指導をする。プリテストとして、速読力、読解力、メイ
ンアイディアを捉える力、語彙力を測定する。 また、ポストテストもする予定である。また、ポストテスト
から2ヶ月後にフォローアップテストで定着率を測る予定である。メインアイディアを捉える指導のあるなし
で、その違いがどのようなものになるかを検証する。速読力に影響があるか、読解力に影響があるか、また語
彙力に影響があるかを分析したい。また、質問紙を用いて、生徒の立場からメインアイディアを捉える指導に
ついて、効果の有無も調査する予定である。発表当日は、まだ、指導の途中ではあるが、研究方法、途中経過
と簡単な考察を発表する予定である。フロアの方々からのご助言、ご意見を頂戴できれば幸いである。

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第14室(803教室)

@視覚に訴える英語授業を目指して
                              杉山 剛浩(名城大学附属高等学校)

 高等学校における英語I、II等の授業をする上で従来の教科書(文字)を読む授業にインパクトを加えたいと感
じ、フラッシュカードや板書を装飾するマグネットを利用し、さらにPCを持ち込み、生徒がスクリーンを見
ることで、読む(思考)姿勢から見る(視覚)姿勢へと変化できるのではないかと取り組み始めた。動画やアニメー
ションを加えることで生徒が顔を上げて学習することができる。また課外においては、デジタルオーディオの
普及により、気軽に持ち運びができ文字を追いながら視覚に訴える教材を模索している。


A携帯電話を活用した英語学習を考える
                             田中 裕実(静岡大学・富士常葉大学非常勤)


 英語学習は授業時間のみにとどまらず、授業内外で積極的に継続するほうが望ましいことはいうまでもない。
学習者には日々の生活の中に少しでも学習を取り入れてほしいと望むが、実際取り組みを持続させるのは難し
いのが現状である。そうした自律学習を補助促進するツールとして、本稿では学習者に身近な携帯電話の効用
に着目している。大学生学習者を対象に環境把握のアンケート調査を行ったところ、著者が担当する学習者は
携帯電話所有率が100%で、パソコンの所有率を上回っており、またパソコンの基本操作より携帯電話の各種
基本機能をよりうまく使いこなしていると認識している。携帯電話の普及率の高さやモバイル性、インターネ
ット接続による利点などから、授業現場や授業外活動でも携帯電話を効果的に活用することで、授業者は学習
を補助することができ、また学習者はより親しみをもって継続学習ができる可能性があると考える。よって本
稿では、学習者の現状を把握することと、教室現場での携帯電話の活用方法を示唆し、そのひとつとしてメー
ル送信機能を用いた音読トレーニングについて実践を通して考察することを目的とする。


Bフィンランドの小学校の英語教科書分析-autonomyの視点から-
                             米崎 里(帝塚山中・高等学校)


 経済協力開発機構(OECD)が実施する学習到達度調査(PISA)の結果からフィンランドの教育は世界から
注目を浴び,様々な場所で取り上げられてきているが,PISAの対象とはなっていないフィンランドの英語教
育にも注目すべき点が多々ある。その中で,本研究ではフィンランドの外国語教育の目標の中にlearner
autonomy(学習者の自律)の育成が掲げられていることに注目する。一般的に,autonomyが育成されると,
自分で学習の目的を理解し,学習への責任を持つようになり,自ら学習計画をたて,活動を行い,そして規則
的に自分の学習を振り返り,その効果を評価することができるようになると期待されている。フィンランドで
は,小学校の段階からすべての教科においてこのlearner autonomyを育成するための試みが営まれることに
なっている。そこで,本研究では,フィンランドの小学校用英語教科書に着目し,learner autonomyの視点か
ら教科書を分析し,その結果を報告する。教科書の中に,英語科でのlearner autonomyの育成方法に関する
ヒントが存在していると考えたからである。具体的には,教科書(ストーリーブックとワークブック)に含ま
れる英文の数,エクササイズの数,1時間に扱う英文の数等を分析し,それらを同じく英語学習初級段階の教
科書として位置づけられる日本の中学校用検定教科書と比較する。その結果を,授業時間数,授業形式,家庭
学習等と関連させながら,フィンランドの小学校英語教育におけるlearner autonomyの育成方法について考
察を加える。


Cオンライン上の英語コミュニケーション活動から何を学んだか-日米学生の比較-
                                  新村 知子(石川県立大学)

 石川県立大学では平成19・20年度に、Project E-xchangeという教育活動を3ヶ月間実施した。これは、授業の一環と
して、2年生全員(2009年度約130名)に、アメリカ・インディアナ州のローズ・ハルマン工科大学の学生たち(同43名)
とオンライン掲示板を使用して、少人数グループでのメッセージ交換を通じて自由な英語コミュニケーションを経験させる
というものである。日本人学生は、中高を通じて英語を学んできているが、実際に英語を使ってコミュニケーションを取っ
た経験がほとんどない場合が多い。そのため、英語での自由な活動には不安が多く、意欲も必ずしも高くない。一方、アメ
リカ人学生たちは授業で日本の文化や社会について学んでいるものの、生の日本人と話をしたことがないという学生がほと
んどで、本やビデオなどで学ぶ日本の姿を実際に同世代の日本人との生のコミュニケーションを通じて確認したいという思
いがあった。双方がこのような教育上の問題を抱えている中で、ローズ・ハルマンでJapanese Societyの授業を担当して
いるスコット・クラーク氏から、日米の学生たちをオンライン上でメッセージ交換してみることが提案された。教員はすべ
ての学生たちのやりとりをモニターできるが、学生たちは少人数グループで自分たちだけでメッセージ交換できるようなシ
ステムが望ましいと考え、同校のCMS(Course Management System)にあるJapanese Societyのコースに石川県立大学の
学生たちをゲストとして登録してもらい、活動が実現に至った。3ヶ月という短い期間ではあったが、この活動を通じて、
日米双方の学生たちにはたくさんの学びがあった。学生たちのアンケート結果やレポートを通じて、日本人学生たちとアメ
リカ人学生たちが学んだこと(言語、文化、生活習慣など)の比較・分析を試み、このようなオンライン上のコミュニケー
ション活動の英語教育における可能性を探る。


D英字新聞のプレゼンテーションとTV会議を活用したインターラクションの実践と応用
                             巽 徹(岐阜大学)


 英字新聞のプレゼンテーションとTV会議システムを活用したインターラクションの実践報告とその現実的な応用の可
能性について提案する。英字新聞の記事を学生が英語でプレゼンテーションし、その内容に関してTV会議システムを活用
して海外とのインターラクションを行った実践を紹介する。プレゼンテーションでは、学生が英字新聞を読み、@記事の選
定 A記事内容の要約 Bプレゼンテーションの準備、練習 C他の学生に対するプレゼンテーションを行った。その後のTV
会議システムを活用したインターラクションでは、学生が発表した記事の内容について、協定校であるシドニー大学の教員
と発表学生及び聞き手の学生が英語によるインターラクションを行い、話題についての理解を深めた。本実践は、協定校の
協力やTV会議システムが活用可能な環境など、いくつかの条件が整い可能となった実践であるが、このような学習環境が
整わない場合に、学習者のプレゼンテーションとその後のインターラクションをどのように可能にし学習活動として成立さ
せるか、本実践の応用についても合わせて示したい。

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第15室(805教室)

@10分間多読による、高校生のリーディングに対する動機づけの高揚と流暢な読解力の育成
 −学習動機を高める学習者支援のあり方を求めて−
                             城野 博志(三重県立四日市南高等学校)


 本研究は10分間ほど易しい段階別教材を読ませる多読(10分間多読)に関する実践研究である。次の2点をその研究目
的とする。一つはコメントや助言など(言語的報酬)による多読支援を行うことによって多読の動機が高まり、読みの速さ
を伸ばすことを実証すること。もう一つは、読みの速さと動機の関係を明らかにすることである。
 本研究の結果、支援を受けた生徒は教師との関係を改善し、多読に対する関心を高め、1分あたりの読語数(WPM)を
伸ばした。同時に読む面白さを味わいながら、多読に対する不安を減らして読語数を増やした。しかしながら、自分の読み
たい本を自分で決めるという学習内容に対する自己管理意識(自律性)や長文を読む自信(有能感)に変化はなかった。本
の選択についての助言、読後レポートに対するコメント、多読に対する姿勢についてのフィードバック回数が不足していた
ことがその要因として考えられる。有能感支援や自律性支援が効果的でなかったために、多読の価値が自分の中に取り込ま
れず内発的価値が高まらなかった。言語的報酬による多読支援には多くの要因が複雑に絡まっている。支援の柱として、生
徒が読みたいと思う本を生徒と一緒に読みながら、読む歓びを共有して、その歓びを通して達成感を味わせることが重要と
思われる。我々教師は多読を支援する者として、複雑にからまった糸を解きほぐしながら、いかにして動機づけを高めてい
くか、試行錯誤を繰り返していくことが求められる。


AGroup Activityによる英語学習者の意識変化について
                           堀内 ちとせ(藤田学園藤田保健衛生大学医療科学部)


 本発表は、英語が苦手科目である学生に対して、Group Activityが、学習者の意識変化により、意欲の向上に寄与するか
を考察したものである。藤田保健衛生大学、医療科学部、2008年度の担当クラスの事例に基づき、学生の意識変化につい
て考察する。英語が専門ではなく英語が苦手な学生は、通常授業での私語が多く睡魔に襲われてしまう学生が多いなど、授
業に対する意識が減退している。そこで、英語学習の取り組みへの向上を目指して、授業にGroup Activityの時間帯を導
入した。その結果、通常授業では教員の解説をほとんど聞かず、自分の間違いに気づく機会が少ない学生達が、Group
Activityを通してでは、高い確率で自分の間違いに気づくなど学習者に意識変化があることが明らかとなった。内容は次の
通りである。
 前期は、その日のポイント問題及び全文(10行程の文章)の内容について、Groupで話し合わせた。Group Activity後、
小テストを行い、その小テストのGroupごとの平均点の大小で班対抗を行った。採点は教員が全て行い、学生には結果の
み公表したため、採点基準が不明瞭との意見等が見られた。"
 後期は、Group Activity後、クラス全体で間違いチェックを行った。その際、個人ではなく班ごとに当て答えを発表させ
た。教員が正解を述べる折り、採点基準にもしっかり触れるよう努めた。チェックは個人で行い結果を班で統合させ個人の
評価へ入れた。前期と後期の成果から、Group Activityによる英語学習者の意識の変化を考察する。


Bフィードバックがライティングのタスク・パフォーマンスとモチベーションに与える影響
              田中 真由美(長岡工業高等専門学校)・松井 市子(新潟県立松代高等学校)


 本研究の目的は、フィードバックが生徒のタスク・パフォーマンスと英語学習に対するモチベーションにど
のような影響を与えるのかを実験とアンケート調査によって明らかにすることである。対象者は、高等学校及
び高等専門学校の1?3年生であり、合わせて4校が参加した。各学校をそれぞれ、実験群1、実験群2、対
照群1、対照群2に割り振り、全ての群にライティング・タスクを実施した。その後、実験群1には教師のコ
メントによるフィードバック、実験群2には生徒同士のコメントによるフィードバック、対照群1には教師の
点数によるフィードバックと検印、対照群2には教師の点数によるフィードバックと全体指導をそれぞれ与え
た。そして、同じライティング・タスクを再び行い、フィードバックの効果を群間で比較した。また、モチベ
ーションに関しては、事前・事後アンケートを行い、フィードバックがどのように英語学習に対する意識に影
響を与えるかを調査した。本発表では、どのフィードバックがタスク・パフォーマンス、あるいはモチベーシ
ョンに対して最も効果的であったかを報告し、ライティング・タスクにおける効果的なフィードバックの方法
を提案したい。また、タスク・パフォーマンスに対して効果的なフィードバックが英語学習のモチベーション
に対しても効果的であるかについても言及したい。


Cスポーツ学生の英語に対する閾値の変化に関する調査
                                    上原 義正(日本大学)

 ESP(English for Specific Purpose)の領域において、観光系の学生を対象とした英語の動機づけの調査はあ
るものの(たとえば喜田、2008)、スポーツ学生を対象とした動機づけの調査はあまり多いとは言えない。そ
こで、本研究においては、スポーツ学生に実施したインタビュー調査の結果から英語に対する意識の変化とい
った閾値の考察を中心に、どのようなカリキュラムの枠組みがスポーツ学生に適しているのかについて明らか
にすることが目的にある。事例として、海外遠征でマレーシアに短期滞在およびアメリカ合衆国に留学生で中
期に渡り滞在したスポーツ学生の英語に関する意識の変化、すなわち英語に対する閾値がどのように拡大して
いったのかについて挙げてみたい。マレーシアに海外遠征をしたスポーツ学生からのインタビューで判明して
いることは、特化された英語(ESP)を手がかりに一般英語(EGP:English for General Purpose)の習得にリン
ケージが生じおり、海外といった言語環境が異なる状況下で英語に関する閾値のレベルは上昇したと考えられ
る。英語への関心度が対象者自身のなかで高まったといえよう。アメリカに中期留学をしたスポーツ学生の場
合も短期滞在のスポーツ学生と類似する英語への関心度の高まる傾向にあった。発表時においては、従来の
EGPからESPといった方向とは異なるカリキュラムの枠組みについて議論を深めたい。


D臨界期と化石化現象-日本語母語英語学習者からの考察
                               吉村 紀子(静岡県立大学)・中山 峰治(オハイオ州立大学


 第二言語習得研究(SLA)において、中間言語が化石化現象を示すことは周知の事実である(Selinker 1972)。つまり、臨界期以後に始
めた外国語は一般的にネイティブスピーカーの能力に達しないとされている(Johnson & Newport 1991 Bialystok & Hakuta 1999 Long
2003 Birdsong 2004)。最近の研究成果によると、化石化現象は学習者の統語領域より、むしろ形態素の習得過程において見られ、その要
因として母語の影響が指摘されている。例えば、Lardiere(1998a b)によれば、屈折要素がない中国語の母語話者の英語発話では、3人
称単数/-s/は4.5%、そして過去形/-ed/は34.5%の正答率であった。他方、White(2003)は、屈折要素の豊かなトルコ語母語話者の場
合、3人称単数81.78%、過去形76%、と比較的高正答率であったと報告している。
 本稿は、以上のような先行研究の結果を踏まえ、2つの問題点-(1)臨界期はSLAに影響を与え、化石化に繋がるのか、(2)母語の
影響は統語より形態素の習得過程に見られるのか-について理論的に考察する。被験者は2名の上級英語学習者(TOEIC 980点・970点)
で、分析は彼らが英語学習や仕事などについて話した録音資料(41分)に基づく。考察は、日本語になく、英語に存在する形態統語上の
差異-@主語の欠落、A動詞屈折形態素(3人称単数/-s/・過去形/-ed/)の省略、B名詞屈折形態素(複数形/-s/)の省略、C主節と
補文節のSpec-CPへのwh-移動、(5)Subject-Aux倒置の有無-に焦点を絞った。分析の結果、(3)臨界期以後開始しても、ネイティブに
近い習熟度を習得することが可能であること(White 2008)、(4)母語の影響は、統語の領域(例えば、pro-drop、wh-in-situ)ではほとん
ど見られず、また形態素の習得過程においても習熟度の向上に伴い減少する可能性があること(Yoshimura & Nakayama 2009)、が分か
った。
したがって、本稿は臨界期以後の学習が必ずしも化石化に繋がるとは限らないという結論に至った。
 附記-本資料を提供いただいた渡邊愛美さんに感謝申し上げる。

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第16室(602教室)

@A Preliminary Study on Word Initial Sound Identification of the Phonemes /b/, /v/, /m/, /n/, /l/,
and /r/ by Japanese ESL Learners English
          梅澤 敏郎(岐阜市立女子短期大学)・牧 秀樹(岐阜大学)・後藤 健一(岐阜大学)
          Jessica Dunton(メイン大学)・竹村 尚紘(岐阜大学)・吉村 純里(岐阜大学)


  Umezawa et al (2009) report that /l/ is harder than /r/ for Japanese ESL learners to identify when it is placed in the word initial
position based on the /l-r/ identification test (LRIT). Although the result is important, the LRIT entails a potential problem that the
subjects have been given the information that the target words start with either /l/ or /r/. However, in the actual communication using
English this situation does not take place. The purpose of this study is then to investigate whether the same result will be obtained
when the subjects have not been given the information by administering a newly made sound identification test containing 6
phonemes (/l/ and /r/ as well as /b/ /v/ /m/ and /n/). We call it the Word Initial Sound Identification Test (WISIT). At the same
time in order to reconfirm the result of Umezawa et al (2009) we administer the WISIT to the other subjects after informing them of
the information. The WISIT consists of 60 target words each 10 of which start with /b/ /v/ /m/ /n/ /l/ or /r/. Pair /l-r/ pair /b-v/
and pair /m-n/ are included in the WISIT because Japanese does not have both the sounds [l] and [r] as found in English, because
Japanese does not have one of the sounds [v] and because Japanese has both the sounds [m] and [n] respectively. We collected
two sets of data (one with and the other without the information on the word initial sounds) and conducted a one-way ANOVA and
multiple comparison to them. The main findings of the analysis are as follows. (1) Without the information there was no statistically
significant difference between /l/ and /r/ and between /b/ and /v/. (2) With the information there was a statistically significant
difference between /l/ and /r/ /b/ and /v/ and /m/ and /n/. (3) /n/ was the easiest and /m/ was the second easiest sound to
identify among the 6 sounds in the two cases. Therefore while (2) supports Umezawa et al (2009) (1) shows that the instruction
affects the result of Umezawa et al (2009).


AEnglish Language Program at Japanese Universities: The End of the Era of Individual Performances?
               只木 徹(名城大学)竹田真紀子(金沢工業大学)長尾 純(名城大学)
       Minehane Greg(名城大学) Venema James(名古屋女子大学)


In Japanese universities English has been traditionally taught by individual teachers. Even at the same university teachers usually
use different textbooks, make different semester final exams, set different teaching aims and targets, and have different views on
teaching and learning English. Under the same course titles they do completely different things in different ways and yet students
are thought to receive a relatively similar or equal quality of tuition which in theory is impossible.
In recent years universities have begun a new trend in which stake holders and society demand that they be transparent in every
aspect of their education and research. We university English teachers can no longer boast of our freedom in teaching. Universities
are now expected and required to show how useful and effective their English education is to their students. This may herald a new
era where English education is not accomplished by the performances and efforts by individual teachers but by a team of teachers
within an educational institution which has a systematic English language program.

 The five presenters in this discussion forum come from four different higher education institutions which have relatively systematic
programs for English education. These discussants have also had previous experience in teaching at universities where the program
was run non-systematically and will be able to compare those programs on a number of points. By making significant changes in the
way English education has been carried out the systemic issues and problems related to the older ways of English teaching at
Japanese universities can be tackled. While these educational reforms have improved certain things there are still many issues yet
to be resolved.
 The discussants will focus on key issues which have arisen and debate the successes and failures of their innovations. In some cases implementing the new system has even caused new problems. The discussion will center on FIVE areas of issues; personnel systems (tenured / non-tenured / contract etc.) standardization of teaching teacher / professional development part-timers vs. full-timers native vs. non-native teachers. The audience will be expected to play a vital role in the discussions.


BAdapting Dictation for Use in Mixed-ability University Classes
                                  Birch Gregory(清泉女学院大学)


 In 2008 The Consortium of Higher Education in Shinshu was launched with the goal of improving tertiary education in Nagano
Prefecture. One objective concerning English Education is to investigate how Faculty Development (FD) can be used to improve
teachers’ability to deal with mixed-ability classes. Before the FD programs can be designed and implemented, however, it is
necessary to gather documented examples of good teaching practice. It is hoped that the results of the following study an examination
into student use of language support during a dictation will later serve as one such example.
 The purpose of this study is to examine how dictation can be adapted to accommodate the needs of lower-level students measure if
and how often students in general take advantage of this support and finally to elicit students’ views of these materials. The
hypotheses are as follows:
1. Lower-level students are more likely to use the language support provided with a dictation.
2. The need for this support decreases over time.
3. All students favorably evaluate this support: higher-level students because it allows classes to run more smoothly; lower-level students because it enables them to participate more actively.
 Dictation (e.g dictogloss (Wajnryb 1990)) was chosen for this study because it effectively focuses the students’ attention on both
meaning and form (pronunciation grammar lexis etc) and students, lower-level ones in particular, find it challenging. Students will
complete a series of dictations but will be able to choose (and asked to record) whether they use the provided support (i.e. bilingual
vocabulary lists) and when (i.e. prior to or during dictation). The results of the top-third of the class (Higher-level ability students)
will be compared with the bottom third (lower-level students) to test hypothesis one. The results of the second and fifth dictation
which will take place over the course of several weeks will be analyzed to test hypothesis two. Finally hypothesis three, student
attitudes towards language support, will be explored through a survey using a Likert scale (e.g. This support allows me to participate
more actively in class).


CReconsidering the Suitability of PPP and TBL in the Japanese EFL Classroom
                                  佐藤 臨太郎(奈良教育大学)


The utilization of tasks has been gaining a high profile recently and the long-established traditional teaching methodology based on
the Presentation-Practice-Production (PPP) model is now being replaced by task-based language learning (TBL) in SLA. However in
the Japanese EFL learning environment where there is no actual need to use English for communication outside the classroom we
might be skeptical of the effectiveness of TBL and could argue that continued use of the PPP approach is still justified. In this
presentation the effectiveness of PPP will be analyzed from the point of view of skill acquisition theories as well as the suitability of
PPP in the Japanese secondary school context. In addition, the suitability of TBL in the Japanese EFL classroom will be scrutinized.
Some suggestions for effective teaching procedures will also be discussed.


DThe developmental change of cognition −the case of monolingual Japanese children
                        長谷部 めぐみ(岐阜大学大学院生)笠井 千勢(岐阜大学)

This research investigates the relationship between L1 acquisition and cognition. The subjects are Japanese children of 5 to 18 years
old and they are asked to participate in an item classifying task. The notion of this research derives from the study of Imai and
Gentner (1997 2003) which found that Japanese and English monolingual speakers employ different concepts when classifying items.
In the experiment there are sets of items which consist of one target item and two alternates. One of the two alternates resembles the
target item in shape; the other is composed of the same material. The subjects are asked to chose an item which is similar to the
target item. The results show that English monolinguals are shape oriented while Japanese monolinguals are material oriented. Imai
and Gentner argue that such difference occurs due to the different grammatical properties between the two languages. Furthermore
Cook Bassetti, Kasai Sasaki and Takahashi (2006) found that bilingual speakers (L1-Japanese L2-English) are significantly different
from English and Japanese monolingual groups. They claim that the second language they have acquired affected their cognition.
This research administers the same experiment to Japanese children and investigates the relationship between their L1 acquisition
and cognition. As mentioned above, if a language affects one’s cognition, how would those who have not developed a first language
respond to the same task? Through statistical analyses we found the following three results.

(1) As for the 5 years old group there is a statistically significant shape preference as same as English monolinguals.
(2) As for the group of 6-7 years old it is neither shape nor material preference statistically but a non-preference as same as
bilinguals (L1=Japanese L2=English).
(3) As for the group of 8-18 years old there is a statistically significant material preference as same as Japanese monolinguals.

These results indicate that the different developmental stages correlate with the different cognitive states. Eventually they
will become material preference as Imai and Gentner suggest, however, the preference does not set until their first language is
acquired.


第17室(605教室

@文法用語の理解は英語力を高めるか            
                          桑尾 めぐみ(埼玉大学大学院生)


1. 研究目的
 文法学習は、文法用語学習ではない。しかし、文法用語が重要であるかのように英語が指導されているように思われる。文法用語の使用
の適否を考える際に、まず考えなければならないことは、生徒が文法用語を理解することは英語力の向上に寄与するかどうかという点であ
る。今回の調査を通して、文法用語の理解度と英語力の関係を明らかにする。
2. 調査対象
 都立高校に通う高校1年生129名を対象とし、文法用語の理解度を測るために文法用語テストを行った。学力テストの結果をもとに被
験者を英語力の上位群(68名)、中位群(25名)、下位群(36名)に分け、文法用語テストにおける正答率と生徒の英語力の関係を調べた。
3. 調査結果
 文法用語テストにおいて、上位群の平均点(13.47点)は下位群の平均点(11.92点)を上回り、その差は有意であった。したがって、文法用
語の理解は、英語力育成に寄与すると言える。また、20の文法用語のうち、全体の正答率が80%以上だったものが、7項目ある(主格、受
動、3単現のsなど)。これらは、文法用語を見れば意味が想像でき、用語と意味を結びつけやすいものである。正答率が40%以下だった
ものは2項目あり(間投詞、節)、これらは、文法用語だけでは意味を想像するのが困難である。そのため、用語と意味を結びつけにくいと
考えられる。こういった文法用語には名称の改善が必要なのではないかと考える。
4. 考察
 今回の調査結果から、文法用語の理解は、英語力育成に寄与すると言える。また、先行研究から、文法用語に関するいくつかの問題点が
明らかとなった。生徒の学習における負担を減らすためには、文法用語をできる限り減らす必要があるのだろうか。それとも、生徒に文法
用語をしっかりと理解させた方が、英語力育成に寄与するのだろうか。どちらが生徒にとって良いものなのであるのか。今後も考えていき
たい。


A日本人英語学習者とformulaic sequencesの関係について
                                 田並 正(筑波大学大学院生)


 語彙の獲得は第2言語習得にとっては必要不可欠であるが、語と語の間に存在する特定の結びつきを無視して語を使用するわけには
いかない。「何かが規定の範囲外にあるとき、'out of the question' とは言えるが、'*external to the query' と言い換えることはできない」
(Wray 2008)。このように特定の意味を持つ語の結びつきをformulaic sequences(以下FSs) という。
 FSsの定義は曖昧であり、呼び方もchunks collocations fixed expressions formulaic language formulas/formulae fossilized forms
frozen phrases idioms lexical(ized) phrases multi-word unit routine formulae 等様々である。ネイティブスピーカーが自然に使用するこ
れらの「決まり文句」を習得することにより、語彙的なつながりの制限を超えた不自然な表現を避けることができる。また、個々の単語の
使用場面について悩まされることなく、より大きな文構造に焦点を当てて自然な英語表現を使用することができるため、speakingにおい
てもwritingにおいても、より円滑なやりとりをすることができると考えられる。(Nattinger. 1988)
 本発表では、日本人英語学習者の用いるformulaic sequencesをcorpus分析し、その頻度および特性について報告する。


B日本人英語学習者の単語認識処理における誤りの分析
                               日吉 信秀(大井町立湘光中学校)


 本発表では、発表者が上越教育大学大学院で執筆した修士論文 (日吉2005) の一部を再分析して報告する。日吉 (2005) は、日本人英
語学習者が単語認識処理を行う際の大文字小文字混用表示の影響の大きさが、参加者のL2熟達度やL2学習年数、綴りの規則性の違い
によってどのように左右されるかに注目し、その傾向を明らかにしようと考えた。参加者は、公立中学校の3年生119名、および国公立大
学の学部1・2年生113名、計232名であった。参加者の英語熟達度を調べるため、全参加者にCloze Testを実施し、Cloze Testの得点
により中学生参加者を英語熟達度別にグループ分けをした。大学生参加者については、中学生高熟達度グループと同程度の熟達度を持
つ者を実験参加者として選抜した。最終的に分析に用いられた参加者の人数は、中学生Lowグループ8人、中学生Highグループ13人、そし
て大学生グループが13人であった。実験ではフリーソフト「PsyScope」を使用し、パソコンの画面上に刺激語をランダムに一語ずつ提示
して、参加者が刺激語を読み上げる声の反応により、反応時間をコンピュータでミリセカンド単位まで測定した。同時に正答率についても、
実験中の参加者の反応 (発音) を録音したものを実験後に確認して算出した。参加者のNaming Taskにおける反応時間と正答率のデータ
は、グループ (A) ×文字ケース (B) ×綴りの規則性 (C) の3要因分散分析で分析された。反応時間の分析の結果、大文字小文字混用表
示に効率的な単語認識処理を妨げられる度合いは、L2学習年数が少なく、熟達度の低い学習者において特に顕著であった。しかし、正答
率においては、グループと文字ケースの主効果はそれぞれ有意であったが、交互作用は有意ではなかった。
 本発表では正答率を再分析し、参加者がどのような読み間違いをしたのか、グループ・faultの種類ごとに傾向を明らかにし、入門期の
読みの指導に生かすための示唆を提示する。


C形式と意味への注意配分が第2言語のリスニング理解に及ぼす影響
                                     酒井 英樹(信州大学)


 第2言語学習者が意味と形式の両方同時に注意を配分することは難しいとする主張がある。意味と形式への注意は認知的に困難である
が不可能な課題ではないとする Baccouche Castro Messman & Zakletskia (1996) もあるが、多くの実証研究 (Bransdorfer 1991;
VanPatten 1990; Wong 2001) では、特に聞き取りにおいて、形式が意味情報を担わない場合、形式への注意は意味の理解をかなり阻害す
ると指摘されている。これらの研究は、文法形態素や語彙項目を扱っている。VanPatten (1990) は、今後さらに統語 (Syntax) など形式
の内容を広げて研究を行なう必要があると述べている (p. 296) が、統語を扱った研究はまだ少ない (酒井・樽井・室井 2005)。そこで、
本研究は、統語情報への注意を条件に含めて、第2言語学習者が意味と形式を注意に向けることができるかどうかを明らかにしようとし
た。リスニング課題は、自由筆記再生法 (free written recall tasks) であった。87人の大学生が、無作為に、-ing の数を数えながら聴解
しようとする形態素群 (n = 30)、文の数を数えながら聴解しようとする統語群 (n = 28)、聴解だけに集中する統制群 (n = 29) に分けられ
た。リスニングの問題は、文を構成しない句だけの発話も含む対話2題と、複文を含む物語1題を選んだ。-ing と文の数がほぼ同じとな
るように調整した(それぞれ、12個と12文である)。結果と考察については当日発表する。(本研究は、平成19年度・20年度科学研究補
助金若手研究 (B) 課題番号19720133の助成によって行われた。)


D日本人英語学習者のly副詞使用
                                  石川 慎一郎(神戸大学)


目的:ly副詞は特有の形態構造を有しており,外国人学習者にとっても習得が比較的容易とされる。しかし,表面的な意味理解と,正確
な使用の間には本質的なずれがある。本発表では,筆者が構築した大型の英語エッセーコーパスCEEAUSの中から,日本人学習者コンポ
ーネント(CEEJUS),中国人学習者コンポーネント(CEECUS),英語母語話者コンポーネント(CEENAS)を使用し,日本人学習者の
ly副詞の使用傾向について分析を行った。リサーチクエスチョンは,(1)母語話者と比較して日本人学習者の過剰/過少使用ly副詞には
どのようなものがあるか,(2)それらは日本人学習者に特有のものか,(3)ly副詞頻度を手掛かりとして日本人学習者の習熟度および母
語話者を識別することは可能か,の3点である。●方法: British National Corpusのly副詞上位80語(only,really,probably...)を
分析サンプルとする。次に,各コンポーネントに出現した当該語の頻度情報を抽出し,基礎データを作成する。RQ(1)については,上
記データを100万語あたり頻度に換算し,統計的に有意な項目を抽出した。RQ(2)については,CEECUS頻度と比較し,日本人学習者
固有の過剰/過少使用語を抽出した。RQ(3)については,コレスポンデンス分析を実施し,4段階の習熟度別日本人学習者および母語話
者を変数として布置図を作成した。●結果と考察:RQ(1)について,過剰使用語としてcompletely,perfectly,recently,過少使用語
としてquietly,friendly,virtually他を抽出した。RQ(2)について,日本人学習者と中国人学習者間の高い重複を確認した。RQ(3)
について,分析で得られた第1軸(寄与率69%)が母語話者と日本人学習者を,第2軸(9.01%)が日本人学習者内の上位群と下位群を
正確に弁別することが確認された。日本の英語教育では,ly副詞を取り上げて指導することはあまりなかったが,本研究の結果は,母語
話者に近接した副詞使用の実現のためには ly副詞の体系的指導が必要であることを示唆している。

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第18室(703教室)

@海外研修の実践報告−ライティング指導−
                              品原 健征(名古屋市立大学大学院生)


 本研究は、高校1年生20人が、夏休みの短期海外研修を経て、その経験が、生徒にとってどのような変化をもたらしたかを自由英作文
の課題を利用して調査し報告するものである。研修の前後において生徒には、ほぼ同じ内容の自由英作文の課題を与え、その英作文が、海
外研修を経験したあとでどのように変化したかを調査した。被験者は、2008年7月から8月にかけて、オーストラリアの学校に授業に参
加した。また、週末などは、ホストファミリーと過ごし異文化を肌で味わうことができた。
帰国後、自由英作文の課題を再び与え、どのように変化したかを調べてみたところ、語数が伸びた生徒とあまり伸びなかった生徒が存在し
た。特に著しく伸びなかった生徒と語数が減少した生徒にそれぞれインタビューを行い、約2週間の研修でどのようなことを考え、研修
に参加したのかを聞き出した。
生徒が、どのような意識を持って海外研修に臨めば自由英作文にも、十分海外研修での経験が反映されるのかを明らかにすることで、今後
の海外研修のあり方についても再考することができるように考える。また、海外研修の事前指導や事後指導でも生徒の英作文を洗練させる
ための機会が隠されているように考えられる。将来的に、海外研修をただ単に異文化経験の1つにとどめるだけでなく、ライティング指導
の一貫としても捉えることで、生徒のアウトプットの力がより一層育まれるように感じられた。


AThe Effectiveness of Process Teaching in Writing Lessons
                               吉川 実樹(愛知県立昭和高等学校)


"Students cannot produce comprehensible output unless they do not have adequate input of grammar
rules. Thus in writing lessons grammar items should be presented first and then productive teaching
should be conducted. Only after the students are familiar with those grammar rules process teaching
should be introduced." This seems to be widespread perception regarding writing lessons among many
Japanese English teachers. Is this really true?
In my session I’d like to challenge this perception. Especially focusing on journal writing activities I will
discuss limitation of productive teaching and the effectiveness process teaching.


Bコミュニケーションを志向した教材がライティングの不安感に及ぼす効果
                                   杉田 由仁(山梨県立大学)


 本研究では、日本人大学生英語学習者を対象として「ライティングによる内容伝達力 (communication
ability)」の向上を図るために、まとまりのある内容や考えをパラグラフ単位で書くようなライティングによる
コミュニケーションを志向した教材を開発し、1年間の授業実践を試みた。本発表では特に、初・中級レベル
の学習者がライティングを行う上で妨げとなる「ライティングにおける不安感 (writing apprehension)」を分
析指標として、コミュニケーションを志向した教材が及ぼす効果について検証を行った結果を報告する。


C学習者がWritingの授業でパラグラフを構成するスキルと文法力とを自律的に高めるための教材開発に関する研究
       東郷 多津(京都ノートルダム女子大学)田中 美和子(京都ノートルダム女子大学非常勤講師)
       Jane Singer(立命館大学)


 本国の高等教育段階での英語へのニーズが高まる中で、それぞれの高等教育機関の指導者は、学習に対する意味づけや学力が多様な学生
に対応しようとしている。多様性に応えるためには学習者主体の授業を開発する必要があるので、類似する課題を共有する研究者がプロジ
ェクト体制を組んで行っている。
 本プロジェクトの特徴は、学習者の実態から授業を開発していく点である。現在開発中の授業のねらいは、私立大学の英語を専門としな
い学部学生、とりわけ教師への依存傾向が強く、自律的な学習態度が育成されていない学生が、他の学生と相談しながら自らテキストの問
題を解き、同時にテキストから習得した英語の能力によって、身近な話題について書けるようになることである。
 本プロジェクトは、再履修生が自分でライティングの学習ができるような教材を開発することから始まり、現在第四期目を迎えている。
学習行動を導く教材を用意すれば、学生が自ら学習を展開できるという命題をもって教材を開発したことにより、学生は自分で学習計画を
立てたり学習成果を管理したりすることができるようになった。しかし、第三期で最終課題を詳しく確認すると、文法とパラグラフの構造
についてのミスが目立った。ライティングを検討するための判断基準が不明確な状態で学生による自己評価に依存すると、こうした結果を
招く可能性が高くなる。この現象は、多くの指導者が英語教育における自律学習の設計を躊躇う根源ともなりうる。今期の開発は、学生が
自律的にライティングのトレーニングをする上で不足しがちなライティングスキルは何かを検討することを目指し、それを助ける補助教材
としてのガイド資料を充実させることにした。
 本発表は、新たに補助教材を開発するにあたっての開発メンバーの具体的な判断基準を分析し、本研究のようにライティングにおける自
律的な学習を設計するときに使用しやすい形に明示化した結果を報告する。

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第19室(708教室)

@日本とフィンランドの小学校英語教科書におけるファンクション比較分析  
                          青柳 燈(大妻女子大学大学院生)


1. 研究目的
 学習指導要領は、小学校英語教育の目的を「コミュニケーション能力の素地を養う」こととし、コミュニケーションの場
面や働きを重視して言語機能のカテゴリーをいくつか挙げている。本研究では「言語機能」に着目して、日本とフィンラン
ドの初等英語教育用の教科書を比較分析する。
2. 研究方法
・日本の教科書は『英語ノート5年生』(文部科学省)、『KIDS CROWN スタンダードコース』(三省堂)の2種類、フィン
ランドの教科書は『Wow!3』(WSOY)を分析対象とする。
・教科書の文機能分析は、青木・田中(1985)「文機能リスト」を用いて分析を行う。"
3. 調査結果
 英語教育初年度の教科書分析の結果、以下の5点が明らかになった。
1) 3種類の教科書とも項目1「事実情報を与えたり、求めたりすること」が最も大きな割合を占めた。2) 項目6「あいさつ
などの社交儀礼のことば」について、3種類の教科書には大きな差が表れた。3)項目3「感情的態度を表現したり、求めた
りすること」について、3種類の教科書の出現率に差はあったが、出現数は『Wow!3』は2番目、『KIDS CROWN スタ
ンダードコース』と『英語ノート5年生』は3番目と、3種類とも高い出現数であった。4) 3種類の教科書の出現した機能
の種類は、『Wow!3』では59種類であったのに対して『KIDS CROWN スタンダードコース』は53種類、『英語ノート
5年生』が18種類と大きな開きがあった。5) 3種類の教科書の下位項目の分布状況の分散にも違いが見られた。
4. 考察
 『英語ノート5年生』は機能の種類が他の2種類の教科書より極端に少ないことが明らかになった。『Wow!3』はスト
ーリー性が高い教科書であり、自然の会話に近い言語使用になっており、そうした理由から機能の種類が多かったと思われ
る。一方、『KIDS CROWN スタンダードコース』と『英語ノート5年生』は、ストーリー性が乏しく人工的に感じられる
会話などが多かった。故に、機能の種類が『Wow!3』より少なくなっていたと思われる。


Aトランスナショナルな視点で捉えたOC教科書の現状と課題
                                    東川 直樹(大阪市立中央高等学校)


 今日、グローバル化が進展し、人の国際的移動は日常的風景へと前傾化してきた。高等学校の現場でも、マジョリティー
とは異なる文化、歴史、外見をもつ学習者の存在がより顕在化してきている。つまり、国民国家を超えた「トランスナショ
ナル公共圏」という枠組みで学校文化を捉えなおすべき契機が高まりつつあると筆者は考えるのである。
 本発表では、前述の立場にたって、現行OC教科書の内容分析を行った結果および考察について報告し、「コミュニケー
ション英語」や「英語表現」教科書作成に向けた課題について触れてみたい。


BALT活用試案 -ALTへの質問紙調査の結果から-
                               占部 昌蔵(長岡工業高等専門学校)


 本発表は、中学校配属ALTへの小規模な質問紙調査の結果からALTとのティーム・ティーチングに関わる方々へ試策を
提案するものである。
JETプログラムは1987年に開始されたのであるが、小串(2008)によると、近年は毎年5000人が参加する大規模なプログ
ラムに成長している。そして、このプログラム参加者への研修も、効果的なティーム・ティーチングのありかた、授業ビデ
オ視聴や先輩JETによる講演などALTへの様々な研修体制の改善が実施されてきている。その一方で、ALTの質の問題
や日本と他国との教育観の違いを源とするALTとJTEとの間に起こる摩擦などの問題も報告されてきている。
文部科学省 (2002)による「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」発表以降、中・高の英語教員のみならず、大
学英語教員、小学校教員までが増加した研修によって忙しくなってきた中、一体、日本の英語教育はALTからどう見えて
いるのであろうか。JETプログラムに参加してみて彼らはどう感じたのであろうか。このような疑問が、今回の研究への
出発点となった。 
本発表で使用する調査は、筆者が、中学校英語教育の問題点、ティーム・ティーチングの改善策などを、中学校配属のALT
から質問紙を通して聞きだすことによって仮説を探索していくことを目的としていた。調査に協力したのは23人の兵庫県
内の中学校に配属されていたALTである。調査は電子媒体で行われ、1人のALTが回収することによって無記名式となり、
質問紙の各項目に自由記述式で答える形式とした。
本調査の結果から、以下の試案を提案したい。
試案@「ALTとしてだけではなく、○○としての捉え方を!」
試案A「ALTとしてではなく、○○○○として育てる気持ちを!」
試案B「○○○○○から学ぶことのできる喜びを!」


C中国人留学生初級英語クラスにおける質的リサーチ
                                    千田 誠二(和光大学)


 近年、国内の多くの大学は中国人留学生を受け入れている。留学生の中には、日本の大学に入るまでまったく、あるいは
ほとんど英語を習ったことがない者も少なくない。日本語に次ぐいわば第二外国語である英語を留学生らはどのように学ん
でいったのか、紙面インタビュー、学習ノート、e-mailを通して学習プロセスを分析した。研究方法としてはStrauss and
Corbin(1944 1998) のgrounded theory methodologyを使用し、英語学習への態度、ストラテジー、動機づけの3つの点
に焦点を当て、質的リサーチを行った。


ポスターセッション

                                    (本館326教室)
                                   プレゼンテーション  10:30〜13:00
                                  ポスター掲示期間   27日13:10〜28日15:15 

 
@ 戦前の英語教員養成史の研究(T)-英語教員の免許要件と養成機関の種類について-      10:30-11:00 326教室
                                     古家 貴雄(山梨大学)

 本発表では、まず、英語教員というよりも、戦前の一般的な中等学校の教員になるための国家の制定した基本的な免許法、免許要件
について述べ、その免許法に従って中等学校の教員を養成していた教育機関の種類についても論述する。さらに、英語の教員養成につ
いての実態についても述べ、外国語学校や慶應義塾の卒業生が教員になっていた英語科目の特殊性についても触れる。さらに、英語の
教師になるための養成カリキュラムについても言及する。基本的には、英語教授法の履修単位数は少なく、英語を教える内容について
の授業の履修があれば英語教員になれたという事実を述べ、そのシステムが現在まであまり変わっていないことを主張する。最後に、
このような戦前の英語の教員養成システムの研究が、現在の英語教育の理解にどのような意味を持つかについても述べることにする。


A『英語ノート』を踏まえた多様な小学校外国語活動                             11:10-13:00 326教室
               高橋 美由紀(愛知教育大学)・柳 善和(名古屋学院大学)・清水 万里子(愛知淑徳大学)
              米田 尚美(岐阜聖徳学園大学)・柴田 里実(常葉学園大学)


 『英語ノート』は、使う義務はないとは言え、現実的には小学校外国語活動の当面の中心教材になる。しかし、小学校外国語活動の様々
な状況を考慮すると、『英語ノート』だけでは十分な学習が保証されない可能性もある。本発表では、以下の5つのテーマを中心にして『英
語ノート』を踏まえた小学校外国語活動の多様な可能性を論じる。@英語ノート』電子黒板教材を利用した小学校外国語活動:『英語ノー
ト』に併せて電子黒板教材が配布され、ICT機器が関心を集めている。本発表では、実際の電子黒板を使いながら小学校外国語活動におけ
る電子黒板の利用、さらに今後の課題を論じる。A小学校高学年に適した外国語活動:高学年の英語活動では、彼らの知的好奇心と表現力を満足させ、しかも新学習指導要領の考え方に則った活動が望まれる。ここでは、『英語ノート』を使用しながら行う、児童の発達段階を
考慮した言語活動内容について考察する。B他教科の内容を利用する外国語活動:他教科の内容を教材や活動に利用すれば児童は学校生活のあらゆる場面で学びを強化できる。『英語ノート』の中心になる歌、チャンツ、ゲームなどに他教科の内容を絡める試みを、特に家庭科
の内容に焦点を当てて紹介する。C『英語ノート』とClassroom English(CE):ある程度英語力を持つ大学生でもCEに戸惑いを感じてお
り、教員研修のプログラムでもCEは必須である。ここでは、教員研修におけるCEの導入法を、WhatだけではなくWhy How の点にも焦点
を当て提示する。D『英語ノート』における発話を促すための言語活動:小学校高学年でも授業の方法や教材の工夫によって英語を積極的
に使う態度が育つ。ただ今回配布された『英語ノート』だけではinputが不十分なままで児童に発話を強制しかねない。ここでは、『英語
ノート』と児童の話す活動の橋渡しについて論じる


英語教育研究セミナーU
                      12:20-13:10(703教室)(同一時間帯に並行開催します・昼食と共にお聞きください)

英語教育研究セミナー2A  英語教育の実験研究とエクセルを使った統計処理  (703教室)
                                   酒井 英樹(信州大学)

 実験研究を進めていくときに留意すべき点を、(1) 研究課題の設定、(2) 研究方法の決定、(3)データの処理、
に関して提示する。特に、今回のセミナーでは、(3) のデータ処理に焦点をあてて、エクセル(主にデータ分
析機能)を使った統計処理を具体的に紹介していく。具体的には、予備実験時に使うテストの項目分析 (item
analysis)、テストの採点方法 (関数の利用)、信頼係数の計算、ヒストグラムの作成(正規分布の確認のため)、
得点の標準化(外れ値の特定化のため)、相関係数の圭さん(採点者の信頼係数として)、t検定の実施(2つの
平均の比較のため)、分散分析の実施(3つ以上の平均の間の差の検討のため)などの方法と、その際の留意点
を紹介する。さらに、自由記述の分析やコード化処理におけるピボットテーブルの利用に触れる。自分の経験
や大学院等での指導経験をもとに、参考となる情報を参加者と共有したい。


英語教育研究セミナー2B   英語教育の質的研究デザインの方法    (708教室)
                                高木 亜希子(大阪教育大学)


 英語教育に関する研究を行うとき、研究者は、まずどのような理論的視点に立ち、研究を行うか明確にした
上で、研究計画を立て、目的に合った研究手法を選択することが必要である。
 本発表では、解釈的な(interpretive)、および批判的(critical)視点に立った研究者のために、(1)研究課
題の設定、(2)データ収集の方法、(3)データ分析の方法、(4)研究の評価という流れで、質的研究デザイ
ンの方法を提示する。具体的には、現象学的研究、エスノグラフィ、グラウンデッド・セオリーなどの方法論
とともに、面接、記述式質問紙や参与観察法などの質的手法によるデータの収集と分析方法を紹介する。具体
的な例を用いて、質的な研究方法を紹介することで、質的研究を行いたいと考えている人の理解を深めるとと
もに、既に質的研究を行っている参加者とは、質的研究のあり方や方法について意見を交換したい。


課題別研究プロジェクト発表
                                                 13:15〜15:15

プロジェクト@ リーディング指導における生徒の読みを深める発問づくり (601教室)

  司会者:田中 武夫(山梨大学)                  
 提案者:東 正一(石川県立金沢二水高等学校)・雨宮 靖子(山梨県立甲府西高等学校)
      伊佐地 恒久(岐阜県立多治見高等学校)・奥村 信彦(長野工業高等専門学校)
      紺渡 弘幸(仁愛大学)・島田 勝正(桃山学院大学)            
      田中 武夫(山梨大学)・森 暢子(愛知工業大学非常勤講師)        

 最近の教科書には、幅広い内容を扱ったリーディング教材が多く見られる。しかし、どのように教材を扱え
ば、生徒の深い読みを促すことができるかについてはまだ十分に議論がなされていない。本研究プロジェクト
では、生徒の読みを深める要素の一つとして教師の発問に着目し、生徒の深い読みを促す発問とはどのような
ものであるかを検討し、その効果を検証することにした。プロジェクトの2年目である今年度の研究目的は、
昨年度に共同で考案した発問のうち、とくに、推論発問に焦点を当て、推論発問が生徒の読みにどのような影
響を与えるのかを、物語文を対象にして、いくつかの角度から調査した結果を報告する。本発表は、以下のよ
うな構成で発表する。(1) 研究概要10分 (2) 個人発表各15分: 紺渡、森、奥村、島田、伊佐地、田中 (3)
自由討議20分 (共通研究・個人発表を受け自由に意見交換する)


提案1 推論発問の解答にたどり着く認知プロセスについて
                    伊佐地 恒久(岐阜県立多治見高等学校)


 本プロジェクト2年目の取り組みは、推論発問が生徒の物語文の読み深めに与える効果を検証することを目
的として行われた。本発表においては、高校生が物語文を読み推論発問に取り組むとき、どのように解答にた
どり着くのかを調査した結果を報告する。調査対象は、高校3年生2クラスである。3つのパートからなる物
語文("I Have Never Seen You Before")と発問を別々に印刷して配付し、英文を1パート読み終えるごとに
発問に解答するよう指示した。発問は、「事実を問う発問」と「推論発問」を与え、「事実を問う発問」は「推
論発問」に解答するために理解することが必要な事実を問うものとした。また、「推論発問」には解答に加えて、
その解答に至った理由をできるだけ詳しく記述するよう求めた。1)「事実を問う発問」の正答率と「推論発問」
の解答の関係、2)「推論発問」に対する解答は英文の記述に基づいた(text-based)ものか、3)「推論発問」
の解答にたどり着くのに用いた事実や推論の数、等の観点から分析した結果を報告する。


提案2 発問のタイプとテキストの理解度
                    奥村 信彦(長野工業高等専門学校)


 深澤(2008)は高等学校英語リーディング教科書の設問を分析した結果から、文字通りの理解を求める発問
がそれ以外の発問(推論を求める発問など)よりも圧倒的に多いことを指摘し、推論や批判を通して自らとテ
キストとの対話を通した、より能動的なリーディングへと生徒を導くために教師は後者の発問をより多く与え
ることが必要であるとしている。
 本研究は、推論が必要とされる能動的な読み、すなわち読み深め、を促す発問(inferential questions)は
文字通りの理解を求める発問(fact-finding questions)と比較してテキストの理解度を高める上で効果があ
るか否かを検証することを目的とする。英語力に差がないと考えられる2クラスに物語文のテキストを読ませ、
一方にはinferential questionsをもう一方にはfact-finding questionsを日本語で与え日本語で解答させた。
用紙を回収した直後に物語の内容をできる限り忠実に日本語で再生するよう指示した。与えた発問はそれぞれ
10問で、本プロジェクトで検討されたものを参考に作成したものである。得られたプロトコルを比較分析し、
その結果を報告する。


提案3 推論を要求する発問の読みを促進する効果について
                     紺渡 弘幸(仁愛大学)


 推論を要求する発問は、概して事実情報を問う発問よりも認知的負荷の点において難しいと考えられている
ためか、実際の読みの指導で有効に使用されていない可能性がある。一方、推論を要求する発問が読みを促進
する発問としてすぐれていると考えられる以下のような理由がある。?字面の表面的な読みでは答えられない。
?答えを導き出すためには通常複数の必要な手がかり(情報)を読み取らなければならない。?論理的な推論
が要求される。?効率的な情報の読み取りや推論には、形式および内容スキーマの活用が不可欠である。?何
度もテキストを読み返すことが必要になる。
 本発表では、推論を要求する発問の読みを促進する効果を事実情報を問う発問との比較によって検討する。


提案4 読解授業における推論的発問の文法定着に対する効果
                     島田 勝正(桃山学院大学)

 英語の授業では、文法事項の説明に続いて教科書本文の読解に移ると言うパタンが多く見受けられる。前者は言語形式、後者は意味内
容に重点を置いているので、その両者がうまく繋がらない場合がある。推論的発問は、読解の中で意味内容だけでなく言語形式にも注意を
向けさせ、両者の融合を図るための有効な方策であると考えられる。本研究の目的は、読解の授業において推論的発問が逐語的発問よりも
文法定着を促進するという仮説を検証することである。取り扱った教材は、O.Henryの短編小説A Retrieved Reformationを高等学校検定
教科書用に書き替えた、I Have Never Seen You BeforeのPart 1である。対象としたのは時制の使い分けが十分でない者を含む大学1年
生および2年生の2クラスで、それぞれ50分の読解授業を行った。推論的発問クラスには、本文中にみられる過去形と過去完了形の時制
の使い分けに関連して、物語の展開順序を問う推論的発問をWh-疑問形式で2問課した。一方、逐語的発問クラスには、物語の概略を問う
逐語的発問をWh-疑問形式で8問課した。いずれのクラスも個人で回答を用紙に記述させてから、グループで意見交換を行った。時制に関
する3つの文法項目、過去形、過去完了形、現在完了形の定着度を測定するために、各文法項目に関してそれぞれ正誤、選択、空所補充の
3つの形式で構成される時制テストForm A Form Bの2版を作成した。授業直前に事前テストとしてForm A、授業直後に文法項目の理解
度を確認するために事後テストとしてForm B、さらに授業後1週間後に記憶の保持を確認するために最終テストとして再びForm Aを実施
した。過去完了形に関して、事前テストと事後テストおよび最終テストとの平均点の差は推論的発問クラスで有意で、逐語的発問クラスで
は有意ではなかった。


提案5 英文読解における推論発問を起点とした協同学習のプロセス
                    田中 武夫(山梨大学)


 本調査では、ワークシートの問いに筆記で答えるという個人的な作業として発問を捉えるのではなく、教師が与える問いをきっかけとし
て、学習者が異なる考えを発言し、他者の考えを聞きながら自分の理解も深めていくといった、テキスト理解における協同学習の起点とし
て発問を捉えることにする。本調査では、教師が与える推論発問を起点として、読解における学習者同士のやりとりにどのような傾向が見
られ、テキスト理解はどのように深まる傾向があるのかを明らかにすることを目的とする。大学生4名を対象に物語文を読ませ、その英文
に関する推論発問に答えさせた後、その答えと根拠についてグループ内で自由に発言させる。そのやりとりをビデオで録画し、学習者同士
の協同学習のプロセスについて分析することにする。


提案6 読後感想からみた読みや英文に対する主観的な感想について
                    森 暢子(愛知工業大学非常勤)


 読後に与える発問が異なると、読後の感想がどう違ってくるのかを調査、分析する。被験者は、ほぼ同じレベルの2つのクラス(大学1
年生)で、発問の種類は「事実確認発問」と「推論発問」の2つを用意する。1つのクラスには「事実確認発問」だけを与え、その後感想
を書いてもらう。もう1つのクラスには「事実確認発問」と「推論発問」の両方を与え、その後感想を書いてもらう。感想の答え方は、内
容に関心をもったかどうか等を5段階で選ぶものと、自由記述のものの2つである。自由記述の方は、主観的な感想を導き出せるような発
問である。「事実確認発問」のみ答えた場合と、「事実確認発問」と「推論発問」の両方を答えた場合では、読みの深さが異なり、読後の感
想にもその影響が現れると考えられる。読後の感想にどのような違いがみられるのかを分析し、「推論発問」が読みの深さに影響し、主観
的な感想に違いをもたらすことを提示する予定である。

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プロジェクトA第二言語習得研究の成果とその英語教育への応用  (602教室)

司会者:横田 秀樹(金沢学院大学)               
提案者:浦野 研(北海学園大学)大場 浩正(上越教育大学)   
サルバション 有紀(名古屋女子大学中学校)上原 義正(日本大学)

提案1 知っているのに使えない:明示的文法知識が正確な言語使用に結びつかないケース
                    浦野 研(北海学園大学)


 日本の英語教育では、文法規則の教授と、その知識の習熟を目指した練習に時間が割かれ、学習者は多くの文法規則に関する明示的知
識を持っている。その一方で、学習者が実際に話す(書く)英語には文法上の誤りが多く含まれることも事実である。本研究は、同一の学習
者グループを対象に、文法規則に関する明示的・暗示的知識の両方を測定することを通して、明示的な文法知識を持っているにもかかわら
ず暗示的知識を習得できていない項目にどのようなものがあるかを調査することを目的とする。また、そういった文法項目にどのような特
徴が見られるかを理論的に検証することで、暗示的知識の習得のためにどのような指導が可能か(もしくは不可能か)考察する。本研究が
対象とする文法規則の選定には、第二言語の明示的・暗示的知識の測定法に関する先行研究(Ellis 2005など)や、日本語を母語とする
英語学習者の発話を収録したNICT JLE Corpus(和泉・内元・伊佐原2004)で検出された文法的誤りを参考にした。まず、英語を学習して
いる大学2年生11名を対象に、英語の文法規則に関する明示的知識を測定するテストを行った。このテストでは、文法規則違反を含む英
文を読み、誤りを特定し、訂正し、どのような規則に関する違反なのかを説明することを求めた。次に、上記テストで正確な明示的知識を
持っていると判断された文法項目について、同じ被験者が1年間かけて行った英作文のデータ(教室内で時間制限をつけて辞書等を使わず
に書いたもの)を学習者コーパスとして使用し、実際の英語使用でどの程度正確に使われているかを分析した。本研究ではこの正確さを暗
示的知識の指標として用いることで、同一の文法規則に関する明示的知識と暗示的知識の比較を試みている。詳しい分析結果と考察は当
日の発表の中で報告する。


提案2 日本人英語学習者の後置修飾構文の理解における難易度とその指導
                    大場 浩正(上越教育大学)


 日本の英語教師は文法規則を指導する際に,どのような基準で指導の順序や学習者の誤りに対応しているのだろうか。いろいろな基準が
考えられるが,やはり学習者が実際にどの様な部分で困難を感じ,躓いているのかを実証的に解明することが役に立つと思われる。本研究
では,日本語とは生成過程が異なり,そのため学習が比較的困難であるといわれている後置修飾構文に焦点をあて,その構文を理解する際
の反応時間を測定する,オンラインによる実験の結果を報告し,その指導方法を検討する。関係節構文の難易度に関してはこれまで多くの
研究が明らかにしてきたが,関係節構文に接触節や分詞を加えた包括的な後置修飾構造の難易度を調べた研究は少ない(Hashimoto & Hirai
2007)。そこで本研究では,成人日本人英語学習者を対象に,オンラインによる自己ペース型の読解タスクを用いて,英語熟達度と読解処
理を遅らせる要素の2つの観点から学習者の後置修飾構文の理解を調査した。調査対象とした後置修飾構文は10タイプであった(中央もし
くは右側埋め込みされた主格の関係節,目的格の関係節,接触節,現在分詞,過去分詞)。結果として,現在分詞と過去分詞は,中央埋め
込みされた時より右側埋め込みされた時に理解が有意に高くなることなどが明らかになった。これらの結果を基に,具体的な指導方法を考
えていきたい。


提案3 Noticingを効果的に引き出すタスク活動のあり方を探る
                    サルバション 有紀(名古屋女子大学中学校)


 中学校での英語教育の大きな目的の一つとして、基本的な英文法を理解し、習得することがあげられる。これは先の改定で示された新指
導要領の中でも明示されていることである。しかし、現実には練習問題を数多くこなすことで、受験問題には対応できるが、学習したこと
を実際の使用場面で適切に使用できないという状況がみられている。本研究では、学習を習得につなげるための一方法としてタスク活動を
使用する場合、より生徒の気づき(noticing)を効果的に引き出すための扱い方について、中学校第2?3学年(愛知県の私立女子中学校・
習熟度別クラス編成で最も習熟度が高いクラス)において行った実践結果を基に検証する。中学校での英語教育の中で文法習得のために
タスクを使うという方法は、以前より研究がなされており、多くの手法や活動案も考え出されている。その代表的なものとして高島(2005)
の研究をあげることができる。また、中学生用の英語の教科書の中にも、学習した文法事項を使って行うことのできるタスク活動が準備さ
れているものが少なくない。しかしそれらの活動を実際に行ってみると、最終的な産出(production)に向けて学習活動が段階的に組み立
てられていくため、生徒が最終的なタスク活動で用いる英語は、授業内で扱った例文のアレンジが多く見られ、 自分で学習内容を理解・
習得しているのかどうかを判断することが難しい。本研究ではまず、教科書で採用されているタスク活動の問題点を、実際に教室内で行っ
た実践結果を交えながら考察する。その後、村野井(2006)が提示するPCPP指導法を念頭に置きながら、同じタスク活動を提示
(presentation)と産出(practice)の2段階で行った場合の実践結果を考察する。
※ PCPP=「提示(presentation)?理解(comprehension)?練習(practice)?産出 (production)」という言語学習プロセス。


提案4 実効性のある動機づけをする英語授業デザインについての考察
                    上原 義正(日本大学)


近年、第二言語習得理論を通しての英語学習における動機づけの研究がすすめられている(Dornyei 2001)。しかしながら、菅見ではあ
るが、特定の条件下でどのような動機づけを英語学習者に促すのかについての解明は十分なされてはいない。しかも、動機づけの分類
はつまびらかに整理されているが(Elliot&Dweck 2007)、英語学習における動機づけと具体的な英語授業のデザインの組み合わせとい
ったモデルの提示も十分とは言えない。そこで、リーディングに自信が高く内発的な動機付けを英語学習において有するグループに属
する大学生15人(4年制大学の3年生?4年生)に対して「インターネット英語」という半期のセメスター制での科目を通じて実効性
のある動機づけは一体何であったのかを分析・考察したところ、自己効力感(Self-efficacy)を高める動機づけに重点化し企画を中心
にした英語授業デザインであればあるほど、英語学習者の自己調整学習(Self-Regulated Learning)が促進され、いわゆる自律的な独
力による学習活動が英語学習者に見られることが明らかになった。いわゆる社会認知的アプローチを用いた場合の実践事例としての授
業デザインについて説明を加えるならば、情報処理モデルを応用し英語学習者の学習経験に沿ったスキームを構築し、スペクトラム状
またはクラスター状であった知識や学習経験を自己言語化へと還元するサイクルに自己効力感を高める動機づけをすることがプロセス
にあったといえる。本研究の発表では、以上の分析・考察の結果から、なぜ自己効力感を高めることが内発的動機づけを有する英語学
習者のグループに実効性があるのかについて、および、より中期的な動機づけは何であるのかについて議論を深めてみたい。

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プロジェクトB基本的語彙知識の拡張と深化に関する実証的研究   (605教室)

司会者:杉野 直樹(立命館大学)             
提案者:亀山 太一(岐阜工業高等専門学校)        
青谷 法子(東海学園大学)杉野 直樹(立命館大学)


提案1 本課題別研究プロジェクトの概要説明
                    杉野 直樹(立命館大学)


 この課題別研究プロジェクトは,限られた語彙知識(リソース)を,十分に,かつ自由に活用し,native-like
でなくとも自信を持って自己表現しようとする学習者の育成につながる指導法・教材開発を目指し,学習者に
とっての困難点の特定や語彙知識の拡張・深化,構造化の程度を把握するための実証的データの蓄積を目指し
ている。
 今回の発表は,この研究プロジェクトの概要について説明した後(杉野),具体的な実証研究事例を紹介す
る(青谷・杉野)とともに,青谷による研究を基に開発された教材例を提示し(亀山),このプロジェクトの目
指すところをより具体的に明らかにすることを目的とする。


提案2 形容詞の語彙ネットワークを拡張するためのEラーニング教材の可能性について
                    亀山 太一(岐阜工業高等専門学校)


 青谷が提案する、形容詞対における語義の拡張を効率的に行うため、Eラーニング教材による学習を提案す
る。コンピュータを使った学習の利点は、反応が限定される課題における正誤判定の迅速さと正確さ、および
その結果の記録と再利用が可能なことである。そこで今回は、青谷が抽出した10個の形容詞について、形容詞
と名詞とを対にして提示し、これらに対応する一般的な和訳語との関連性を推測させることによって形容詞語
義の範囲を広げることを狙った教材の可能性を探る。作成にあたっては、前述したようなコンピュータの利点
を生かし、反応を点数化することで学習者のモティベーションを高めたり、単に正誤を判定するだけでなく、
点数に重み付けをすることで学習が単調にならないようにするなどの工夫を行った。現時点では、このような
教材が形容詞の語義拡張に効果があるかどうかを確認するためのものという位置づけであるが、効果が確認さ
れれば将来的には一連のEラーニング教材の一部として本格的に開発することも視野に入れていく。


提案3 形容詞の語彙ネットワークの拡張についての分析:言語転移容認度を手がかりとして
                    青谷 法子(東海学園大学)


 英語における語彙の学習過程において、その導入は多くの場合日本語との対訳でなされ、その語がたとえ多義であっても、学習者に提示
されるのはそれらの語義のうちランダムにピックアップ(多くの場合は基本義)された1対1の対応で行なわれることが多い。その場合、
学習者の脳内にはすでに日本語において構築されている心的語彙のネットワークが存在するわけであるが、新たに学習された語の意味範
囲について、学習者はその語に対応する日本語の意味範囲と一致するものであると認知するのであろうか。例えば、’heavy’=「重い」と学
習した場合、学習者は「重い」のカバーする意味範囲が’heavy’にも当てはまると考えるのであろうか。逆に、そうでないならば、どの
ような表現に対して日本語と英語の概念が一致すると考え、またどのようなものに対して一致しないと考えるのであろうか。そこで、日本
人英語学習者を対象とし、英語における基本形容詞の意味から日本語への意味転移に関して、どのようなものについては容認できると考え
、またどのようなものについては容認できないと類推するのかについて、言語転移容認度テストを行ったところ、学習者が既習の形容詞につ
いてどのように語彙ネットワークを拡張させているかについての実態を探る手がかりを得ることができた。本発表では、@’heavy-light’,
‘deep-shallow’のような測定可能な数量に関連する形容詞対における語義拡張の傾向性について、英語学習歴との関連において報告す
るとともに、A学習者が転移容認の判断をする際に手がかりとしている要因について心理言語学的な考察を行なう。また、B’heavy-light’
のように対概念を形成し、ほぼ対称的な多義の構造を持っている形容詞対に対し、学習者が対称的な語彙ネットワークを構築するのかどう
かについても検討を行なう。さらに、C学習者の語彙ネットワークの拡張を促進する要因が存在するのかどうかについても、その分析結果
から導き出された仮説を提供したい。
 

 提案4 日本人英語学習者による英語心理動詞の範疇化:統語的側面に焦点をあてて
 杉野 直樹(立命館大学)


 英語使用者・学習者は,複数の語彙を,その意味的・統語的・形態的な類似性によってグルーピングし,またその類似性を新出語彙にあ
てはめてその意味・統語・形態を類推することができる。例えば,bake, cake, fake, lake, make, take...といった語の類似性に基づき,
rake, *vakeという語/擬似語の発音を類推できるし,二重目的語構文で用いられる動詞を十分に(また正確に)学習した後には,Shunsuke
kicked David an easy pass. / Her brother vaked her a new device. といった文を解釈する際に,X - verb - Y - Z という構文とその
[ X causes Y to have Z ]という意味の対応に基づいた解釈を行うことも可能である。第二言語習得過程におけるこうした類推が果たす役
割の評価には一定の留保が必要であるものの,上記の例は,既習語彙の範疇化・構造化が語彙知識の拡張・深化の前提となることを示す
には十分であろう。この語彙の範疇化について,言語理論的に予測される範疇化は実際の学習者による表象のされ方とどの程度一致する
ものであろうか。例えば,英語心理動詞は(1a)(1b)に示すとおり,Experiencerが主語となる動詞群(以下,ES)とExperiencerが目的語とな
る動詞群(以下,EO)に分けられる。
 1a. I don’t envy the young ones who’ve become TV superstars.
 1b. Life in the country bores me.
 理論的には心理動詞群はEO・ESのいずれかのカテゴリに(少なくとも統語的には)属することになるが,学習者は実際に心理動詞群を
これら二つのカテゴリに分けているのだろうか。また,学習者の全般的な英語熟達度の違いは彼らの範疇化に何らかの違いをもたらしてい
るだろうか。本発表では,こうした課題に対する手がかりを得るために,日本人英語学習者の心理動詞群を対象とした文法性判断タスクで
の反応をデータとして,自己組織化マップ(Self-organizing map: SOM)を利用した分析結果を報告する。


問題別討論会    13:15〜15:15
                               

第1分科会:「『外国語活動』を中学校英語とどう区別し、関連づけるか」    (414教室)

司会者: 渡邉 時夫(清泉女学院大学)   
提案者: 幸田 明子(常葉学園大学)    
      唐崎 珠実(福井市立大安寺中学校)
      中村 典生(岐阜市立女子短期大学)

テーマ解説(渡邉 時夫)
次のような観点から討論を進めたいと考えています。

1. 小学校の英語は、中学校の前倒しではいけない、といわれています。 両者は、目標も「素地」と「基
礎」に代表されるように、異なっています。 小学校では音声が中心で、文字の扱いは極めて限られています。 
中学校では、(時間数が増えることもありますが)音声だけでなく、4技能を総合(あるいは統合)したアプロ
ーチが一層求められています。 --- このようなことは、説明としては誰もが分かっていることですが、 中学
校英語との区別は何か、と問われると意外に曖昧です。  小学校は体験的に ---- というだけで区別化が明
確になるでしょうか。 この点を追究したいと思います。

2. 外国語活動の指導要領を見ると、例えば中学校で扱うべき「機能」とほとんど同じ事を扱うようになっ
ています。 このような点について、両者の扱いはどのように区別化されるべきでしょうか。

3. 小学校段階で、 折角listen and speak に自信が持てるようななった子供が、中学校でread and write
の勉強を始めると、直ぐに英語を敬遠するようになる、という話を耳にします。 この点については、どのよ
うに解決すべきでしょうか。
4. 解決策は、中学校側にある、と提案することはできないでしょうか。 今までとは大きく事情が違って、
中学1年生は英語コミュニケーションの素地を(ある程度)備えて入学してきます。 中学校の先生の指導法
(とくに初期段階では)が根本的に変らなければならないと思います。 その変り方の一つが、文字教育に関
するアプローチであると言えると思います。 今までとはどのような点が変るべきか、 胸のすくような提案
は無いでしょうか。 
討論を通して、小学校、中学校、それぞれの指導理念、指導内容、指導方法、子供たちの扱い方、その他につ
いてはっきりした区別化がイメージできるような討論会にしたいと願っています。

参加者の建設的なご意見を期待しています。


提案1 「学習者の知的発達段階を踏まえた小・中連携のあり方」
                    幸田 明子(常葉学園大学)

 小学校の外国語活動から中学校英語へと、円滑な接続を図ることが望まれるが、小学校でのオーラル活動で
積極的だった生徒が、中学校での定期試験で良い点数が取れず、自信を失い、「英語ができない」という自己評
価のために、その後の自律的な学習への意欲がそがれてしまうことがある。円滑な接続のためには、学習者の
視点から学習内容を見直す必要がある。限られた授業時間数の中で、文字指導を導入すると中途半端な指導し
かできない、文字の導入は学習者の負担になるということが指摘されるが、5,6年生の特性、中学校への連携
を考え、"文字学習"ではなく、"文字楽習・文字あそび"を授業内容に取り入れた実践例を検討したい。中学
校教員が小学校外国語活動に歩み寄る態度が必要であるが、『英語ノート』の扱いも、地域、学校により差があ
るため、中学1年の入門期には、目の前の生徒の力を探りながらの授業展開になってしまう。『英語ノート』の
効果的な活用法、何を教えることができるのか、何が課題なのか、地域の小学校の実践を中学校教員が、正確
に把握することが連携への第一歩である。
 静岡県でも様々な形式の連携教育が開発されている。地域の小学校外国語活動のカリキュラム作成の段階か
ら、中学校教員が協働で取り組み、拠点校として連携を意識した学習を行っている小・中学校のケーススタデ
ィを紹介する。これまで、小学校での学習の成果が明確に提示されてこなかったために、中学校1年生の学習
での足踏み状態も明確には議論されてこなかった。中学校教員の意識調査(2008年7月)では、「英語を聴く
ことに慣れているが、将来的に英語を話せる人が増えるとは思えない。」という声が多かった。小学校での発音
指導、発話指導、賛否両論のあるフォニックス指導も取り上げながら、小学校外国語活動での成果を再考し、
中学英語への連携の道筋を考えたい。


提案2 「中学校における英語力向上を目指した小中連携のあり方」
                    唐崎 珠実(福井市立大安寺中学校)


 現在の中学校の英語の授業を小学校の英語活動で小学生が体験したこと、学んだこと、それによって彼らが
得ることのできた感動や喜びを大きな財産として活かしたものにするにはどうしたらよいか。「楽しい英語」
から教科としての「学びの英語」への転換を図り、生徒たちの知的好奇心を揺さぶりながら一層やる気を引き
出すような授業づくりの可能性を考える。
 また、前述の視点から、小学校の英語活動と中学校の英語教育の連携は必要不可欠であり、生徒の英語力を
向上させるためにはどのような連携の在り方が求められ、効果的な手立てとは何かについての研究実践を発表
する。


提案3 「『外国語活動』を中学校英語とどう区別し、関連づけるか」
                    中村 典生(岐阜市立女子短期大学)


1.小学校英語と中学校英語の目標の違い
  (コミュニケーションを図ろうとする態度の育成とスキルの育成は二者択一のものではありませんが、中
学校英語では少なからずスキルの育成を重視する必要があります。それならば、小学校英語で結果的にどのよ
うなスキルが身についているか、ということを知ることなしに、中学校英語のスキル面における指導の出発点
を設定することはできないのではないか、ということをお話します。)

2.小学校英語で結果的に身についている英語のスキル
   (全国のべ3000名の児童・生徒に対して実施した語彙アンケートの結果から、小学校英語で結果的
に身につけている語彙技能についてお話しします。)

3.小学校英語の成果
   (同一中学校にすすんだ2つの小学校出身者の比較から、小学校英語の経験が、その後の英語学習に及
ぼす一面についてお話しします。)

4.実際に「『外国語活動』を中学校英語とどう区別し、関連づけるか」
   (小学校で身につけている「素地」の一面とは何か、ということを明らかにした上で、小学校英語と中
学校英語の区別と関連についてお話しします。)

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第2分科会:「生徒の英語学習成否の鍵をにぎる文法項目3つとは何か」  (408教室) 
司会者:酒井 英樹(信州大学)      
提案者:岩本 藤男(焼津市立大井川中学校)
     佐藤 正俊(山梨県立市川高等学校)
     飯野 厚(法政大学)       

テーマ解説(酒井 英樹)
 告示された中学校・高等学校の新学習指導要領では、文法指導に関して、知識の修得とその知識の活用が強調されているだけでなく、
「語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること」や「英語の特質を理解させるために、関連のある文法事項はまと
まりをもって整理するなど、効果的な指導ができる ように工夫すること」という事項(中学校)や、「文法については、コミュニケーション
を支えるものであることを踏まえ、言語活動と効果的に関連付けて指導 すること」という事項(高等学校)が加えられている。文法指導
を改めて見直すことが求められていると考えられる。
 文法指導を見直すためは、どのような事項を指導するのか、また、その事項はどうして重要なのか、その事項をどのように指導するのか、
という点について考えることが必要である。そこで、この問題別討論会では、特に、前者2つの問いに焦点をあてて討論する。提案者は、
それぞれ中学校、高等学校、大学の立場から主張を行う予定である。これらの提案を踏まえて、フロアーにも討論の参加を呼びかけたい。


提案1 中学生が難しいと感じる文法事項
                    岩本 藤男(焼津市立大井川中学校)


 「文法指導」について考える時、教師が考えなければならないことは実に多くある。その中で、現場の教師に関わりの深い事柄は、「何
を指導すべきか」という「項目の選定」の問題と「どのように指導すべきか」という「指導法」の問題がある。この2つの問題は、相互に
関わりが強く、切り離して考えることは難しいが、今回のテーマである「生徒の英語学習成否の鍵をにぎる文法事項3つとは何か」という
「項目の選定」について考えたい。「英語学習成否の鍵をにぎる文法事項」とは何であろうか。生徒の立場から考えると、学習する際に難
しく感じる文法事項であり、教師の立場から考えると、繰り返し重点的に指導すべき文法事項ということになろう。それらの文法事項を明
らかにしていくための手段としては、テストを実施し、文法項目ごとの定着率を調べるという方法と、生徒が学習する際に、どの文法項目
に難しさを感じているのかについて意識調査をするという2つの方法が考えられる。今回の提案では、生徒の意識調査結果について発表す
る。生徒は3年間、授業の中で帯活動として暗唱活動に取り組んだ。一方が日本語を読み、他方がそれを聞いて英語に変えるという活動で
ある。その活動で1年生から3年生までの間に使った構文の中から、学習指導要領で分類され示された文法項目に照らし合わせて90の構
文を選定した。それらの構文に対して、生徒がどの程度難しさを感じたか意識調査を実施した。調査では、活動の際、どの程度難しさを感
じたか5段階で回答を求めた。その結果を基に中学校3年間で学習する文法項目の中で「英語学習成否の鍵をにぎる文法事項3つ」とは何
か提案したい。


提案2 高校英語教師の考える重要文法事項
佐藤 正俊(山梨県立市川高等学校)


 平成21年3月に高等学校の新学習指導要領が告示された。学習指導要領では「文法については、コミュニケーションを支えるものであ
ることを踏まえ、言語活動と効果的に関連付けて指導すること」という一文が新たに加えられた。従来よりも体系的な文法指導が必要にな
るように思われる。平成24年度に中学校で新学習指導要領が全面実施されるのを受け、高校では平成25年度入学生から学年進行で新学
習指導要領の実施となる。高校の英語教師は平成25年までの4年間にこの大きな指導の変革に対応しなければならない。文法指導の改善
について論じる際、2つの切り口が考えられる。「教える内容全体」と「教え方」である。「教える内容全体」、つまり「学校文法」は近年の
生成文法や機能文法などの研究成果を取り入れ始めている。文法の専門家の間では高度な議論が展開されている。もう一つの「教え方」と
は「何を(選択して)」「どこまで」「どのように」説明するのか(運用させるのか)という議論である。今回の問題別討論会のポイントであ
るように思われる。
 今回の討論会では、3つの点について触れたいと考えている。
1 現場の高校教師が考える重要な文法項目
2 何を根拠に高校教師は上記1の文法項目を重要と考えるのか
3 文法指導の工夫について
 「改善」には「現状把握」が不可欠である。今回の問題別討論会では、私を含む一般の高校の英語教師が、文法指導をどのように捉え、
授業でどのような実践しているのかお伝えしたいと考えている。


提案3 生徒の英語学習成否の鍵をにぎる文法事項3つとは何か
                       飯野 厚(法政大学)


大学生にとって重要な文法項目とは?
 新学習指導要領における「言語材料の取り扱い」の記述において、コミュニケーション活動を交えながら文法の習熟を目指すべきとの文
言が新たに付されている。これは、中学校は英会話偏重、高等学校は文法偏重という現状認識を反映していると思われる。中高一貫して文
法とコミュニケーションをバランスよく取り入れるべきとの理想が語られている。翻って大学での英語教育の現状はどうか。端的に言うと
技能主義、実用主義、成果主義が浸透してきている。とりわけ大規模な大学では、学部横断的に教養科目として共通カリキュラム化が進行
しており、かつてのような教員の独自性は疑われている。英語習熟度テストのスコアにより学生を数値的に管理する傾向も強まっている。
このような現状において、学習者である「大学生」は層の幅こそ異なるが大きな学力差を抱えて入学してきており、中等教育と似通った現
象が起こっている。ならば、新指導要領が言う「関連のある文法事項はまとまりをもって整理するなど,効果的な指導ができるよう工夫す
る」必要性は、今の大学にもあるのではないか。大学では書き言葉も含めたアウトプットを重視しながら、中高において学んだ文法知識を
もう一度メタ言語を用いて整理し直す作業(補填を含む)が多くの現場で必要なのではないか。そこで、アウトプットのため重要な文法項
目として、以下の3点を挙げたい。
(1) 品詞概念(文法理解を助けるメタ言語として)
(2) 主語・述語動詞を中心とした文型(メタ言語、時制概念も含めて)
(3) 修飾関係(前置・後置)(英語的な発想の理解)
また、学習者の思考経路を意識した文法の指導法についても提言したい。

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第3分科会:How to design integrated activities that incorporate the four language skills (本館418教室) 

司会者:岡崎 浩幸(富山大学)      
提案者:藤沢 英(静岡市立西奈中学校)  
     前田 昌寛(金沢桜丘高等学校)  
     庄司 博宣(富山国際大学附属高等学校)

テーマ解説
岡崎 浩幸(富山大学)


In the panel discussion three presenters will demonstrate how they have designed and conducted
integrated activities in their own classrooms and what benefits their students have gained from these
activities. Based on the presentations we would like to discuss common principles underlying integrated
activities and what should be considered in order to make integrated activities more effective for
motivating students and improving their English proficiency.


提案1 10-Minute Daily Activities for Using All Four Language Skills
                   藤沢 英(静岡市立西奈中学校)


(1)The Aim of this activity: In accordance with New Monbukagakusho Guidelines we have put primary emphasis on speaking and
listening activities in classes to develop these skills in our students .For this reason it has led to a slight neglect of students'
other skills such as writing and reading. I believe it is necessary to incorporate some concrete measures to enhance all four
of these language skills. I have developed 10-Minute Daily Activities for Using All Four Language Skills for this purpose. 
(2)The stages of this activity:
   (a)Students are given homework for each class in advance which is an English composition about a specified topic such as TV programs Songs Movies or a Free topic. Students must write more than three sentences about one of the topics in English.
  (b)In the first stage of the 10-Minute Daily Activities students prepare a draft in English for the conversation they
will have in class on the same topic as their homework sentneces above.(three minutes)
   (c) Next they communicate with each other freely in pairs for two minutes using the draft.
  (d)Students return to their seats and write a summary worksheet of the conversation in English.(three minutes)
  (e) Students orally report their summary to one of their group members when they have finished writing their worksheets of reported speech.(one minute)
  (f)The listeners sign their names on the sheet if they understood their partner.This should take no more than a minute to finish this part of this activity.
  (g)Students put their worksheets in their portfoilos.
(3)Demonstration of this activity Audience members will follow the above seven stages of this activity.
(4) Conclusion
* Students improved their conversational strategies writing skills and speaking skils through 10-Minute Daily Activities for
Using All Four Language Skills.* Students could write more creative sentences with new topics such as ‘a funny story ' and ‘a
sad story'.* Students could reflect more on what happened around them.


提案2 How to introduce "dicto-gloss" in English class.
                     前田 昌寛(金沢桜丘高等学校)


Listening comprehension has been introduced in many entrance exams such as the National Center
Examination for University Entrance. We must find a tried and tested method so that students can gain
better listening comprehension abilities. However we often only operate a CD player and tell students
to answer the questions without teaching a strategy for listening. In this presentation I’d like to
present "dicto-gloss" as an active and continuous way of practicing listening comprehension in English
class. Wajnryb proposed dicto-gloss in 1989 and the procedure may be summarized as follows.
(a) A short dense text is read (twice) to the learners at normal speed
(b) As it is being read the learners jot down familiar words and phrases
(c) Working in small groups the learners pool their fragmented texts and strive to reconstruct a version
of the text from their shared resources
(d) Each group of students produces its own reconstructed version aiming at grammatical accuracy and
textual cohesion but not at replicating the original text
(e) The various versions are analyzed and compared and the students refine their own texts with the
aid of shared scrutiny and discussion.

The basis of this procedure is having students practice listening in class. There are two possible
hypotheses for this study. Firstly students’ listening comprehension and note-taking abilities will
be enhanced. Secondly students’ grammatical competence and writing ability will also be enhanced through
pair work or self-checking.

As the result of this procedure the average of a class in which students practiced dicto-gloss was
higher than that of another class in which students didn’t practice. In addition their writing ability
has been enhanced. Also students have learned to reduce errors when they produce sentences. This means
that students learn the ability to proofread which helps them check for errors especially minor ones.
Therefore it seems reasonable to conclude that dicto-gloss is surely an excellent practice for students
to enhance their listening comprehension as the title indicates and to integrate their language skills.


提案3 Teaching English in English
                     庄司 博宣(富山国際大学附属高等学校)


  The goal of English education at our school is letting students enjoy using English and fostering a
positive attitude in which to learn about the world and to communicate in English. As a result of it
we hope to raise many autonomous learners and finally produce people who try to think about things
globally and can convey their own ideas confidently in English.
  In the first stage we focus on developing the listening skills of the students. It is because they
like listening activities better than other activities and there is not such a big difference in their
listening ability as compared with the other three skills in learning English; reading, writing and
speaking. To let them listen to as much English as possible and let them be in a situation to use English
practically teachers don’t use Japanese in the class and carry all the instructions in English.
  To train students’ listening, reading, writing and speaking abilities, we let them participate in various
activities such as pair work and research. Through those activities they get further information to
understand the content better and come to have their own ideas about the topic. The most important
thing in this stage is to have the students be interested in the topic so that they will be willing
to learn more about it by themselves.
  All these activities are designed to lead to the project presentation at the end of the lesson. We
design a project for every lesson and finally we let students make a presentation based on the project.
It is called Project Based Learning (PBL) and we believe that it is one of the best ways to develop
the interest in passive learners.