言語学習における動機づけの研究は、社会的および文化的要因の影響を受ける学習者の学習目標についてものがほとんどであった (Crookes,1997)。こ言語学習における動機づけをとらえるためには、学習者が属する言語環境と教室という学習環境の2つを考慮する必要がある。そのため日本の英語教師は、学習者の動機づけに重要な役割を果たしていることを自覚しなければならない。しかしながら、多くの英語教師が学習者を動機づける方略を模索する中で、学習者を動機づける方法論に関する研究は不十分である。
また、欧米においては、言語学習者の自律性に関する研究も盛んである。自律学習は西洋的な概念であり、文化や教育制度の異なる学習者にはなじまないとの考えから、日本を含めた東アジアでは、西洋ほど盛んに研究は行われてこなかった。しかしながらLittlewood (1999) は、東アジアの学習者にも、自律学習を促進することは有効であり、文化的・教育的背景を十分に考慮した上で、自律学習の概念を確立し、教授法の研究を行うことの重要性を主張しており、少しずつ日本でも研究が行われてきている。
本プロジェクトでは、英語学習者がどのような自律についての認識を持っているか比較調査するとともに、動機づけとの関連を明らかにした上で、学習者の自律を涵養するカリキュラムや教育方法を探る。その際、学習者の自律の育成に特に重要と考えられている批判的内省 (Smyth,1989)を促す活動を取り入れ、その効果について検証する。